2000年03月09日経営リリース
旭硝子コートアンドレジン社のフッ素塗料事業・ウレタン塗膜防水材事業を再編成
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、連結子会社である旭硝子コートアンドレジン(株)(本社:東京、社長:鷹野宏。以下、ACRという)が行なっているフッ素塗料事業とウレタン塗膜防水材事業を分離し、塗料事業についてはACRにおいて事業再構築を実施して黒字化を目指すとともに、防水材事業についてはACRから分離して事業推進の母体となる「旭硝子ポリウレタン建材(株)」を4月1日に発足させ、さらに発展を図ることとしました。
ACRは、設立当初より行なっていた外壁吹付材及び塗料事業に加え、1988年に旭硝子が行なっていた防水材事業営業部門の移管を受け、現在の体制をスタートさせました。ACRの塗料部門は、旭硝子が供給する塗料用フッ素樹脂(商品名:ルミフロン)を自社で塗料化(商品名:ボンフロン)して、建築外壁塗装用に販売しており、また、防水材部門は、旭硝子が製造するポリオールを主原料として、当社が38.4%を出資する科研(株)で製造するウレタン塗膜防水材(商品名:サラセーヌ)を販売してきました。スタート当初は、両部門の相乗効果による事業の拡大を目指していましたが、塗料は新築用、防水材は改修用がそれぞれ主たる市場だったこともあり、得られたシナジー効果は限られた範囲にとどまりました。
今般、当社は経営戦略「シュリンク・トゥ・グロー(Shrink to Grow)」のもと、両事業の見直しを行い、それぞれ独立した会社で事業運営を行う方が得策との結論に達しました。その結果、塗料事業はACRに残し、同社松戸工場の閉鎖・用地売却を行うほか、人員を20%削減するなど利益体質への転換を図ると同時に、水性フッ素塗料を中心として、建築改修などの新規分野への進出を目指すこととしました。
一方、防水材事業は、科研を母体とし、旭硝子の開発部門及びACRの販売部門を統合した上で増資を行ない、旭硝子は現在の出資比率38.4%を50.7%に増やします。その上で社長を派遣し、社名を旭硝子ポリウレタン建材(株)に変更し、製造・販売・開発を一元化し、よりユーザーサイドに密着した、スピーディな事業展開を図ることとしたものです。
塗料事業は、2000年度に売上45億円(前年比8%増)、2001年度までの黒字化を目標とします。
また、防水材事業については、2000年度の売上は、約50億円を見込んでおり、5年後には売上70億円を目指します。
以 上
《ご参考》
1.旭硝子コートアンドレジン(株)の概要
(1)社名 | 旭硝子コートアンドレジン株式会社 |
(2)本社所在地 | 東京都中央区八丁堀2−23−1 |
(3)社長 | 鷹野 宏 (3月30日に小林孝行<旭硝子社員>に交代予定) |
(4)資本金 | 3億円 |
(5)株主 | 旭硝子99%、大日本塗料1% |
(6)営業品目 | 仕上塗材・ウレタン塗膜防水材の販売、 フッ素塗料等の製造販売 |
(7)売上高 | 約87億円(1999年度) |
(8)設立 | 1963年 |
(9)従業員数 | 112人 (→旭硝子ポリウレタン建材分離後:81人) |
(10)拠点 | 工 場 : 松戸、鎌ヶ谷 (→分離後:鎌ヶ谷のみ) 営業所 : 仙台、名古屋、大阪、福岡 (→分離後も同じ) |
2.科研(株)の概要
(1)社名 | 科研株式会社 |
(2)本社所在地 | 東京都大田区山王2−3−13 |
(3)社長 | 星 高司 |
(4)資本金 | 5、000万円 |
(5)株主 | 中川朋子ほか56.8%、旭硝子38.4%、明和産業4.8% |
(6)営業品目 | ウレタン塗膜防水材の製造 |
(7)売上高 | 約42億円(1999年度見込) |
(8)設立 | 1957年 |
(9)従業員数 | 50人 |
(10)工場 | 久喜(埼玉県) |
3.旭硝子ポリウレタン建材(株)の概要
(1)社名 | 旭硝子ポリウレタン建材株式会社 |
(2)本社所在地 | 東京都中央区新川2−9−2 |
(3)社長 | 長尾 俊郎 <旭硝子社員>(4月1日就任予定) |
(4)資本金 | 2億円 |
(5)株主 | 旭硝子50.7%、中川朋子ほか45.5%、明和産業3.8% |
(6)営業品目 | ウレタン塗膜防水材の製造・販売 |
(7)設立 | 2000年4月1日に科研(株)より社名変更し発足の予定 |
(8)従業員数 | 88人(うち、旭硝子からの派遣は8人) |
(9)工場および研究所 | 久喜(埼玉県) |
(10)営業所 | 仙台、名古屋、大阪、福岡 |