AGCグループは「安全なくして生産なし」という安全衛生ポリシーのもと、従来型の安全活動に加え、労働安全衛生マネジメントシステムを活用し、設備の安全化を図ることで、安全で健康な生産現場づくりに取り組んでいます。
AGCグループは、「安全なくして生産なし」という安全衛生のポリシーの下に、各階層の管理者が自らの安全衛生に対する考え方を明確にし、これを働く部下全員に浸透・共有化させ、一人ひとりが安全衛生活動を推進することを目指します。
すべての労働災害・職業性疾病に着目し、安全衛生パフォーマンスの継続的向上を図るために、次の5項目を「安全衛生活動推進の柱」として積極的に展開します。
AGCグループは、「人は誤りをおかし、機械は故障する」という前提のもと、継続的に生産現場のリスク(潜在的危険源)を洗い出し、事故や労働災害を低減する活動に取り組んでいます。また、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS:Occupational Health & Safety Management System)の仕組みに、従来型安全活動※1を融合させ、その有効性を高めています。さらに、現在自己認証で構築している拠点に対しても、OHSMSの第三者認証取得を推進しています。
2010年度からは、現在進めている機械安全への取り組みに加えて、ヒューマン・ファクターに着目した災害防止※2への取り組みを開始しました。旭硝子相模工場と千葉工場では、ヒューマンエラーに着目し、大学と共同で「安全行動におよぼす要因」に関する研究を開始しました。また、AGC電子カンパニーでは、労働災害発生時の作業者個人の心理状態をヒアリング調査することにより、心理学の観点からの原因究明を開始しました。
※1 5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)、危険予知、ヒヤリハット、安全パトロー
ルなどの従来から行っている安全活動
※2 人の不安全な行動に着目した災害防止活動
AGCグループのOHSMS構築拠点数(2010年12月末現在)
| 所在地など | 第三者認証拠点数 |
|---|---|
| AGC旭硝子 | 2(1) |
| 国内グループ会社 | 4(3) |
| アジアグループ会社 | 8(6) |
| 欧州グループ会社 | 51(38) |
| 北米グループ会社 | 0(0) |
| 合計 | 65(48) |
※ ( )内は2009年度の第三者認証拠点数
AGCグループの安全管理の考え方

※3 設備や作業工程に潜むリスクを網羅的に抽出し、リスクレベルを評価 し、それに基づく優先順位を付けて改善施策を実施すること
Topic
第5回「グローバル安全衛生シンポジウム」を韓国で開催(グローバル)
2010年11月4〜5日、韓国・亀尾市で「グローバル安全衛生シンポジウム」を開催しました。亀尾市に拠点のある旭硝子ファインテクノ韓国社、韓旭テクノグラス社、旭PDグラス韓国社の3社が共同開催した今回のシンポジウムには、欧米とアジアの8カ国、23社から83名が参加し、日本以外での開催としては最大規模の参加となりました。
今回のテーマは「機械安全」で、この分野で先行する欧米のグループ会社が持つ情報やノウハウを共有するとともに、2010年度からアジア各国で導入を開始した機械安全の研修・資格制度「セーフティベーシックアセッサ」の周知を図りました。参加者からは、「3社の工場見学と安全衛生活動の紹介を通じて安全衛生レベルの高さに感心した」「とてもよい学びの機会だった」「成果の発表も大事だと思うが、失敗事例も貴重な情報になるのではないか」というような声が寄せられました。
![]() グローバル安全衛生シンポジウムの様子 |
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「安全なくして生産なし」のメッセージをグループ全体に発信

「安全なくして生産なし」をメッセージにしたポスター(英語、日本語、タイ語)
「安全なくして生産なし」というメッセージには、「安全はすべての生産活動の基盤であることを念頭において業務を遂行すべき」というトップの強い思いが込められています。安全にかける思いをグループ全体で共有し、安全な生産活動のさらなる促進を図るため、AGC グループCEO自らの発案で安全啓発ポスターを制作しました。日本語、中国語簡体字、中国語繁体字、タイ語、インドネシア語、タガログ語、韓国語、英語、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語、ハンガリー語、フランス語、ロシア語、イタリア語、ドイツ語、チェコ語の17言語で約7,000枚のポスターをつくって2008年11月より配布し、工場によっては数カ国語のポスターを掲示しています。また、2010年6月には安全啓発ポスターを改定しました。
OHSMSの規格の1つであるOHSAS18001では、事業所内の「すべての人・すべての作業・すべての設備」に対してリスクアセスメントを実施することを要求事項としています。
AGCグループ(日本)では、管理監督者層への研修に加え、実際にリスクアセスメントを実施している製造の第一線の従業員に対する研修として、2009年度より「安全強化活動」を開始しました。この活動では、各製造拠点の製造や設備担当者を「安全中核要員」として選出し、リスクアセスメントや従来型安全活動に関する集中教育を実施します。その後約半年間、この安全中核要員が安全担当者として各製造現場の第一線でリスクアセスメントを指導することで、リスクアセスメントのレべルアップを図ります。中期的には、この活動の参加者が製造現場の要所に配置されることで、安全人材の育成と安全管理レベルの向上につなげていきます。
また、2010年には台湾・韓国・中国のグループ会社でもリスクアセスメント教育を実施しています。
安全な生産現場を実現するためには、生産設備そのものが安全であることが重要です。AGCグループでは、以前から継続しているリスクアセスメントによる既存設備の安全化に加え、ISO12100などの国際安全規格に準拠した設備設計を行うことにより、安全な生産設備を導入することを推進しています。
AGCグループ(日本)では、国際安全規格を理解したうえで設計し、安全な設備を導入することを目的として、セーフティアセッサ※4の資格取得を推進しています。2010年度までに、280名のAGCグループ関係者(協力会社含む)がセーフティサブアセッサ資格を取得しました。2010年度に創設された、より基礎的な資格である
セーフティベーシックアセッサ資格については、環境安全・設備担当者だけでなく製造・業務担当者を対象に日本で4回教育を実施し、138名が資格を取得しました。2011年度は、この資格をアジアのグループ会社にも拡大する予定です。
なお、2010年4月から、AGCグループ(日本)では、新規設備を導入する際、設計・製造時のリスクアセスメントを義務化しました。AGCグループ(アジア)では、2013年から義務化を予定しています。
※4 安全技術応用研究会などが設立した、設備に関する安全技術者資格認定制度で、現在セーフティリードアセッサ、セーフティアセッサ、セーフティサブアセッサ、セーフティベーシックアセッサの4段階の資格があります。
2010年度はAGCグループで5名(うち日本・アジア地域では3
名)の重篤な労働災害が発生しました。AGCグループでは、改めて(1)徹底的にケガや災害のリスクを下げる、(2)一人ひとりの安全意識のレベルを向上させる、という取り組みを加速させます。
2007年度からは、日本・アジア地域に加えて欧州・北米地域を含めたAGCグループ全体の労働災害情報を集計しています。これらの集計結果を分析し、グループ一体となって安全管理活動を推進し、労働災害の低減を図っていきます。
AGCグループの労働災害発生件数推移


※ 休業災害の判定区分が、日本・アジアと欧州、北米では異なっているため、 件数の単純な比較はできません。
2010年度の労働災害発生件数※5(AGCグループ日本・アジア)
| AGC旭硝子 | 国内グループ会社 | アジアグループ会社 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 死亡 | 0(0) | 2(0) | 1(0) | 3(0) |
| 休業 | 4(4) | 11(9) | 9(12) | 24(25) |
| 不休業 | 6(6) | 7(9) | 8(5) | 21(20) |
| 微傷 | 27(30) | 10(1) | 集計対象外 | 37(31) |
| 合計 | 37(40) | 30(19) | 18(17) | 85(76) |
※5 AGC旭硝子(単独)および一部国内グループ会社は微傷災害以上、その他の国内外グループ会社は不休業災害以上を集計
※ ( )内は2009年度の労働災害発生件数
休業災害度数率※6の推移(AGC旭硝子※7)

※6 延べ実労働時間100万時間当たりの休業災害被災者数
※7 AGC旭硝子の集計対象者は全事業所で働くすべての人(AGC旭硝子従業員+協力会社従業員)です。
Voice
「安全トレーニングのトレーナー研修に参加して、私たちの安全に対する姿勢が大きく変わりました」

アサヒマス板硝子社
(インドネシア)
研修・モノづくりマネージャー
セティアワン
当初、私は「危険体感研修」の有効性やリスクとは何か、また従業員の考えや行動をどうやって変えていけばよいのか、分かりませんでした。安全トレーニングの初日に学んだ「危険体感研修」は大変印象的でした。翌日には、初日と異なる危険体感をさらに体験することができ、そのすべてが特徴的かつ仕組みも非常にユニークで、とても興味深いものでした。製造現場での安全は、私たちの態度や行動に左右されます。今回の安全トレーニングは、「危険体感研修」を通じて、私たちの安全に対する行動を変える大きな機会となっただけでなく、就業中や通勤時も含めた、生活のあらゆる場面での、安全に対する姿勢を変えてくれました。今後はトレーナーとして、多くの従業員にこの研修を教えることができたらと考えています。
「トップの強い思いと、従業員の安全意識向上でゼロ災害を目指します」(中国)

旭硝子特種玻璃(大連)社 工場長
ザオ・ビン
旭硝子特種玻璃(大連)社は、建築用の各種フロートガラスなどを製造・販売しています。当社では、ゼロ災害へのトップの強い思いと、従業員の安全意識向上をベースに安全管理に取り組んでいます。5S、リスクアセスメント、安全教育などの活動はもちろん、工場が独自に作成した不安全行動を防止するためのリストに至るまで、各製造マネージャーが詳しく確認し、アドバイスを行っています。こうした取り組みにより、管理職から製造現場の第一線で働く従業員一人ひとりまで安全への意識が浸透し、1年間で39件もの気がかり提案・ヒヤリハット提案を出した従業員もいました。2009・2010年度は年間無災害を達成したほか、2010年度にAGCグループ継続無災害第1種(310万時間)を受賞しました。
Topic
国やカンパニーの枠を超えた安全への取り組み(日本・韓国・台湾)

旭硝子千葉工場で酸欠に関する研修を受講する環境安全担当者
2010年1月9日、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を製造する旭硝子ファインテクノ韓国社(AFK)で、2名の従業員が窒素ガスによる酸素欠乏に陥りました。ほかの従業員に助け出された2名の意識はすぐに戻り、検査でも異常なしと判断されました。酸欠災害は、AFKを所管するAGC電子カンパニーにとってこれまでに経験のない事故でした。そこで、多数の化学反応塔を有し酸欠対策を熱心に実施しているAGC化学品カンパニーの協力を得て、事故発生から6日後の1月15日、AFKをはじめ日本、韓国、台湾のAGC電子カンパニーの環境安全担当者がAGC千葉工場を訪問し、危険体感研修を受講するとともに、酸欠作業に関する作業標準書やチェックシートなどのノウハウも習得しました。関係者は、国やカンパニーの枠を超えてグループ全体のノウハウや知見を共有することの重要性を再認識しました。
安全管理活動の展開事例安全管理活動に優れた工場として、社内外から高い評価(タイ)

Best Safety Factory賞の盾

Best Safety Factory賞の授賞式
各種フロートガラス等の製造・販売を行うAGCフラットガラス・タイランド社は、従業員が一丸となって安全活動を着実に実行し、労働災害を防止しています。特に設備のリスク(不安全要素)低減に関して力を入れています。 ラーヨン工場は、過去2年間の安全成績が良いこと、安全衛生法を順守していること、重篤な労働災害がないことなどが評価され、タイ政府から2006年にBest Safety Factory賞(東部地区代表)を受賞しました。2009年・2010年も連続で同賞を受賞したほか、2008年には全国表彰も受けました。また、チョンブリ工場も2007年にBest Safety Factory賞(東部地区代表)を受賞しました。
AGCグループは、従業員に対する健康管理の位置づけを明確にする必要があるとの考えのもと、従業員に対する健康管理のあ
り方を示した「健康管理ポリシー」を制定しています。
AGC旭硝子では、本ポリシーに定めている、「健康に関する認識」「会社の支援」「従業員の自律」に基づいて、心と身体の健康づくり、疾病予防に重点を置いた健康管理施策を実施しています。
AGCグループは、グループビジョン “Look Beyond” を合言葉に「世界に価値を創造し続ける」ため、AGCグループの従業員に対する健康管理ポリシーを次のとおり制定する。
「健康に関する認識」
AGC グループにとって「従業員」は最も重要な資産の一つであり、従業員にとって「健康」は生活の基盤として最も重要な要素の一つである。
「会社の支援」
AGC グループは、従業員の心身の健康保持増進に向けた施策を積極的に行い、従業員が個々の能力を十分発揮して会社発展の原動力となるとともに、各従業員の生活が充実したものとなるよう支援する。
「従業員の自律」
健康の保持増進には従業員の健康に対する意識が不可欠であり、従業員は「自らの健康は自ら守る」意識を持ち、自律した健康管理を行う。
* 本ポリシーは旭硝子(単独)から浸透を図り、将来的には国内外の関係会社へ展開する予定です。
近年、メンタル不調者の増加が社会全体の問題となっています。AGC旭硝子でも健康管理ポリシーに基づいて、メンタルヘルスケア施策の強化に取り組んでいます。