健全で安心な社会を
つながりでつくる

〜健全・安心な社会の維持への貢献〜

健全で安⼼できる社会を、多様な国・地域や⼈、ビジネスパートナーとの「つながり」でつくりあげる。それが、AGCグループが⽬指す企業としてのあり⽅のひとつです。この理想を実現するために地域社会やビジネスパートナーと連携しながら、社会貢献活動や協業を幅広く進めています。

健全・安心な社会の維持への貢献

地域社会やお取引先との対話によって課題と解決策を見出す

グローバルに事業活動を⾏っている企業にとって、地域社会との良好な関係は不可⽋であり、いつの時代も共存共栄が求められます。また、取り引きを⾏う企業間においても健全な関係を構築し、維持していく必要があります。世界30か所を超える国と地域で事業を展開しているAGCグループでは、常に地域社会やお取引先との対話を通して課題を⾒出し、それらの課題を共有し、共に解決策を⾒出す活動を積極的に⾏っています。

タイでクロール・アルカリ製品群の製造を行うAGCビニタイ社では、東南アジアの美しい海を守るため、2003年から地域住⺠と共にサンゴ礁育成プロジェクトを展開しています。⼀⽅、⽇本のAGC⾼砂事業所では、ガラスの製造⼯程で出るガラス屑を⼈⼯砂として活⽤して⼲潟の再生に取り組むなど、⾃然環境の保護と地域社会に貢献する活動に取り組んでいます。

取組事例01

AGCビニタイ社(タイ)によるサンゴ礁育成プロジェクト

海洋生物の生息地や産卵場所であるサンゴ礁は、豊かな海洋環境を築く上で欠かすことができない存在です。しかし近年、海洋汚染によってサンゴ礁の衰退が進んでいると言われています。

AGCビニタイ社(当時ビニタイ社)は、美しい海を守るため、2003年からCoral cultivation project(サンゴ礁育成プロジェクト)を開始しました。これまでにPhase 1、Phase 2として、タイ湾の5か所の海岸に合計90,000株のサンゴの植付けを実施しました。このプロジェクトは、タイ湾における生物多様性の保全のみならず、エコツーリズムを通じた海岸近隣住民の所得向上などに貢献し、地域コミュニティーからも評価されています。2019年からはPhase 3として、対象の海岸を広げて活動しています。その一環として、2020年10月27日、タイのトラート県マーク島に、政府職員、海軍関係者、学識者、地元住民、海洋科学活動保護財団、AGCビニタイ社の従業員など約200人が集まり、同島でのサンゴ礁育成プロジェクトが始動しました。通常、サンゴ礁育成プロジェクトでは例年約1万人が参加する活動ですが、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、小規模での開催となりました。活動の集会では、佐野 博朗社長(当時)が、海洋・沿岸資源保護に対する同社の取り組みを約束しました。

AGCビニタイ社(当時ビニタイ社)
佐野 博朗社長
Coral Cultivation Project

「AGCグループの一員であるビニタイ社のサンゴ礁育成プロジェクトは、マーク島が掲げるビジョンを実現する上で、不可欠な要素になると考えています」

プロジェクトへの参加が実現したマーク島の地元住民から喜びの声が上がると共に、出席者からは「サンゴ養殖事業の持続可能性を確保するために各関係機関が果たしてきた役割を知る良い機会になった」といった声を聞くことができました。なお、このサンゴ礁育成プロジェクトには、AGCビニタイ社の主要製品である塩化ビニルを使ったパイプをサンゴの苗床として使用しており、塩化ビニルの安全性に関する認知向上にも役立っています。

「サンゴ保全に向けた役割」と題したセミナーを開催

参加者全員が塩化ビニルパイプを使ったサンゴの養殖を体験

取組事例02

ガラスカレット(ガラス屑)で生物の宝庫、
干潟を守る

AGCグループのガラス事業では、製造工程からガラスカレットと呼ばれるガラス屑が発生します。ガラスカレットは主にアスファルトの原材料としてリサイクルされますが、AGC高砂事業所ではガラスカレットを人工ケイ砂化することによる人工干潟の再生に挑戦しています。

干潟は、水産生物の産卵や幼稚仔魚の成育の場となるだけでなく、水中の有機物の分解、栄養塩類や炭酸ガスの吸収、酸素の供給などにより海水の浄化に重要な役割を果たしています。この人工干潟の再生では、清浄な砂で海底を覆うことで海底からの栄養塩の溶出を抑えると共に、酸素供給による水質の浄化、多様な生物相の回復を目的としています。干潟に使用するケイ砂としてガラスカレットを用いるには、水底土砂基準を満たすことや人や動物が踏んでもケガをしないように角をなくす(エッジレス)必要があります。AGC高砂事業所から発生するガラスカレットはミルサイザーという設備を用いてエッジレス化し、溶出試験もクリアしたことを確認して人工干潟に用いられています。この活動は、環境省が主催する環境技術実証事業における実証対象技術として推進しています。
事業概要はこちらに掲載されています。

ガラスカレット

粉砕後のガラスカレット