

2011年3月、東日本における大地震により、東北地方を中心に日本ではかつてない甚大な被害が発生しました。被災された方々には、お見舞いを申し上げるとともに、被災地が復旧し、再び安心して暮らせる日が一日も早く来ることを、心より祈念いたします。AGCグループでは、被災地の復旧に役立てていただくために、義援金として3億円を寄付しました。今後も被災地のニーズを把握し、必要な物資を提供することにより、現地の復旧に向けて、できる限りの協力をしてまいります。
AGCグループは、建物に使われるガラスのように生活の基盤を支える製品はもちろん、水道の消毒に使われる次亜塩素酸ソーダや人工透析用の重曹などライフラインの維持に直結する多くの製品を提供しています。今回の震災で、私たちの事業の社会的使命の重大さを改めて強く認識しました。これらの製品をいかなる場合においても提供することが、AGCグループの社会に対する責務であることを肝に銘じて、この難局に立ち向かってまいります。
AGCグループは、中期経営計画 "Grow Beyond-2012" の初年度となる2010年度において、業績の本格的回復と成長基盤の構築を目指し、その結果、過去最高レベルの業績を達成する ことができました。2011年度は引き続き、「安全なくして生産なし」 「コンプライアンスの徹底」を事業活動の前提としたうえで、経営方針 Grow Beyond で掲げる諸施策を強力に推し進めてい きます。
AGCグループでは、世界をより包括的にとらえた視点からの「持続可能な社会」の必要性を認識し、その実現に貢献していくために「2020年のありたい姿」を定めています。
2020年のありたい姿
AGCグループは、
『持続可能な社会に貢献している企業』として、
・差別化された強い技術力を持ち、
・製品のみならず、生産工程・事業活動全般に亘って環境に配慮し、
・新興地域の発展にも寄与する、
高収益・高成長のグローバル優良企業でありたい。
その具体的な姿として、2020年には、売上高2兆円以上、「新興市場」「環境関連」「新製品」のおのおのの売上高比率が30%以上となることを目指しています。
AGCグループは、「2020年のありたい姿」を実現するために、次の3つの視点で成長基盤の構築を加速します。
(1)地球温暖化問題に技術力で貢献 — 事業活動全般で環境に配慮します
地球温暖化問題は、AGCグループの事業の存続に関わる大きな課題であるとともに、事業を通じて社会に貢献する大きなチャンスです。私たちは、エネルギー多消費産業であるガラスメーカーとして、真摯に生産工程の省エネルギーに取り組んでいます。また、私たちの強みであるガラス・化学・セラミックスの技術を駆使して、発電効率向上に寄与するソーラー関連部材、各地域に適した建築用省エネガラス、エコカー向けの自動車用高性能ガラスなどを開発・製造し、これらのグローバルな普及拡大を図ることによって、地球温暖化問題に技術力で貢献します。
(2)ガラス技術立社 — 差別化された強い技術力で製品の付加価値を高めます
ガラス技術をさらに進化させるとともに、AGCグループのコア技術である、ガラス・化学・セラミックスの技術を融合、発展させることで、事業を差別化していきます。例えば、ディスプレイ関連商品など、より付加価値の高い製品を提供していきます。
(3)第2のグローバリゼーション — グローバル企業として、新興地域の発展にも寄与します
日本や欧州、北米などの先進地域での事業をさらに強固なものとするとともに、すでに進出している新興地域での事業の拡大を図ります。既進出地域における例としては、2010年9月にロシアで世界最大級のフロート設備の稼働を開始したほか、2011年初めには中国にAGCグループの総代表を設置しました。今後はさらにブラジルなど未進出の国や地域での事業も加速させます。
新興地域での事業展開に当たっては、グローバルな人材の活用や、先進国とは異なるビジネスモデルの構築なども検討し、事業を通じて地域の発展に貢献していきたいと考えています。
Grow Beyond 施策を推進し、「2020年のありたい姿」を実現するための力の源泉は「人」です。自分自身の成長や、仕事への強い意欲を持っている人に対して、AGCグループは、成長のためのチャンスを提供していきます。成長することによって、より難しい課題に挑戦することが可能になり、それがさらなる成長につながります。
また、AGCグループにはおよそ5万人の従業員がおり、商習慣や社会のニーズが異なるさまざまな国や地域で働いていることも大きな強みです。各地域の優秀な人材の活用を促進するための制度基盤や、グループ共通研修体系の整備に引き続き注力します。多様性に富んだ人たちが自ら成長するスパイラルと、企業が成長するスパイラルを一致させることで、企業グループとしての力を高め、社会から成長を期待される真のグローバル優良企業になることができると考えています。
私たちは、社会の声に耳を傾け、社会の期待に応える技術やサービスを生み出すことで、「次はどんなことをしてくれるのだろう」と期待され、皆様から応援されるようなグループでありたいと考えています。2010年度は、タイでダイアログを開催し、ステークホルダーの皆様から貴重なご意見をうかがうことができました。今後も、多くの方々との対話を通じて、持続可能な社会づくりに向けたさまざまな取り組みを進めていきます。