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Paper8. Development of the Coin-type 3.3V Double
Layer Capacitor
for Back-up Power Sources of IC Memories |
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河里 健*・平塚和也*・森本 剛*
Takeshi Kawasato, Kazuya Hiratsuka and Takeshi Morimoto |
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In recent trends in IC technology, reduction in the working voltage
from 5V to 3V is progressing aiming to save power consumption and
to realize more compact design of
electric components. Therefore, a new electric double layer capacitor
(EDLC) rated to
working voltage of 3.3V is in demand. The electrolytic solution obtained
by dissolving (C2H5)3CH3NBF4
in mixed solvent of sulfolane and ethylmethylcarbonate has
high conductivity in the range of low temperatures and excellent electrochemical
stability at high working voltage. A new EDLC comprised the electrolyte
solution has achieved the rated voltage of 3.3V and shows high performance
in the temperature range of - 10 to 60°C.
The materials constituent, and performance of the coin
- type 3.3V EDLC "DYNACAP
DCK series" are described. *中央研究所 |
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| 1.緒 言 |
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1.1 背 景
コンピュータや移動体通信のIC メモリには電源の 瞬断や電池交換時のメモリ情報の消失を防ぐために バックアップ電源を搭載している。電気二重層キャ
パシタは充放電サイクル特性や長期信頼性に優れて おり、メンテナンスフリーのバックアップ電源とし て実用化されるに至り、従来の電源に代わって急速
にその用途を広げつつある。
著者らはエルナー(株)と共同して、非水電解液を 用いた高容量密度・高信頼性の電気二重層キャパシ タを開発した(1)(2)
。このキャパシタは現在エルナー社 より「ダイナキャップ“DYNACAP ”」の商品名で 製造・販売されている。本製品は据置ビデオ、チュー
ナーなどのAV 機器や、携帯電話機、ページャーな どの移動体通信機器やデジタルカメラ、PDA 等を中 心に幅広い分野で用いられている(3)
。
Fig.1 に示すように、従来IC
駆動電圧は5.0 V で あり、1 セル2.5 V 仕様の電気二重層キャパシタを2 セル積層して用いていたが、コンピュータや移動体
通信機器の小型化、省電力化のためIC 駆動電圧の低電圧化とバックアップ電源の小型化が進められてい る。1996 年に3 .3 V 駆動のIC
が登場し、リチウム二 次電池が搭載されたが、信頼性、コストなどの点で 1 セル3 .3 V 仕様の電気二重層キャパシタの開発が望 まれていた。
このような状況の中で、著者らは新規な高耐電圧電解液を開発し、世界初1 セル3.3 V 仕様の電気二重層キャパシタ“DYNACAP
DCK 3.3 V 0.22F ”をエルナー(株)において製造・販売するに至った。
本報は1 セル3.3 V 仕様電気二重層キャパシタの電解液材料、特徴、構成、製品体系および仕様、キャパシタ特性、用途などについて紹介する。
1.2 電気二重層キャパシタの原理および特徴
Fig.2
に示すように、一対の固体電極を電解質イオンが含まれる溶液中に浸して直流電圧を印加する と、+側に分極された電極には主に電解液中の−イオンが、また−側電極には+イオンが静電的に引き
寄せられ、電極と電解液との界面には「電気二重層“Electric Double Layer ”」と呼ばれる空間電荷層が 形成される。電気二重層キャパシタはその名の通り、この電気二重層に電荷を蓄積することを原理とする
もので、通常のアルミ電解コンデンサやセラミック コンデンサのように蓄電材料として酸化物誘電体を 利用するものとは全く作動原理が異なるものである。
電気二重層の静電容量は、用いる電解液、電極材 料や印加電圧によって変化するが、通常10 〜30 μF/cm2の範囲にある。ここで、上述の電極に活性
炭のような高比表面積材料を用いた場合、たとえば 1000m2/g の比表面積を持つ活性炭では、電気二重層
容量を10 μF/cm2とすると、1g の活性炭で100F の超大容量を達成し得る計算になる。実際には電解質イオンの大きさによって電荷を蓄積し得る活性炭細孔
径の大きさが制限されるので、表面積の利用率は多少低下するが、キャパシタ素子体積当りの容量密度で比較すると、通常のアルミ電解コンデンサのおよ
そ102 〜103倍に相当する。また、電気二重層キャパ
シタは、充放電反応に伴って電解質イオンの溶液内 移動と電極上への物理的吸脱着だけが起こる。したがって、化学反応を伴う一般の二次電池と異なり、
充放電サイクルの繰り返しによる劣化が極めて少ない。さらに、電気二重層キャパシタは電極材料および電解液に有害な金属元素を含まないので環境にも
優しい。 1.3 キャパシタ電解液の高耐圧化
キャパシタに蓄えられる電荷は電圧の2乗に比例 するので、作動電圧を高くすることはエネルギ向上 に大きく寄与する。
電気二重層キャパシタの電解液には、硫酸などの 鉱酸、アルカリ金属塩またはアルカリを含む水系電 解液の他、各種非水系電解液が用いられている。非
水系電解液の溶媒には、プロピレンカーボネート、 γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホル ムアミドや、スルホラン誘導体などが知られている。
耐電圧を比較すると水系電解液は水の電気分解に制 限されるので0.8 V に対し、非水系電解液は2.3 〜 2.8V であり、静電エネルギの点では非水系電解液の方が有利である。
電気二重層キャパシタの耐電圧は、基本的には電 解液の電気化学的な分解電圧によって制限される。 現在、一般的に用いられている有機系電解液はテト
ラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の 四級アンモニウム塩をプロピレンカーボネートに溶 解したもので、耐電圧は2.8 V でおもに溶媒のプロピレンカーボネートの分解に制限されている。
プロピレンカーボネートより電気化学的に安定で 高誘電率溶媒としてスルホランが知られていたが実 際のデバイスとしての応用例は少ない。これは主に
プロピレンカーボネートの凝固点が−49 ℃と低いのに対しスルホランは28.5 ℃と高く、キャパシタ溶媒として用いた場合、低温で作動させた際の性能低下が大きいことに起因するものと思われる。
スルホランに3−メチルスルホランを混合して凝 固点を6 ℃まで降下させ、電気二重層キャパシタに 応用した例が報告されているが、キャパシタの抵抗
値および低温特性において十分ではなかった(4)(5)。
本報告では、良好な溶解性、電気伝導率を有する新規電解質を高耐電圧溶媒に溶解させた電解液を作製し、電気伝導率、キャパシタ特性を検討した。その結果、従来の問題点を解決し、3.3
V の耐電圧を有する電気二重層キャパシタを開発した詳細について述べる(6)。 |
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| 2.実 験 |
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2.1 電 解 液
電解質としては高純度グレードのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート((C2H5
)4NBF4 )およびトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート((C2H5
)3CH3NBF4
)を150 ℃で6 時間真 空乾燥したものを用い、溶媒としてはバッテリーグ レードのプロピレンカーボネート(PC)、スルホラン(SLF)、3−メチルスルホラン(3MSLF)ジメチ
ルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネー ト(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)をそのまま使用した。露点−40 ℃以下のドライボック
ス内で所定濃度になるように電解質を各組成の溶媒 に溶解し、カールフィッシャー滴定法により含有水分量が30ppm 以下であることを確認後試験に供した。
電解液の電気伝導度は交流2 電極法電気伝導率計WM - 22EP (東亜ディーケーケー(株))を用い恒温槽中にて所定温度にて測定した。
電解液の粘性率はRB 型粘度計RE80U(東機産業(株))を用い、25 ℃、100rpm にて測定した。
2.2 キャパシタ作製と性能測定液
比表面積1700m2/g の活性炭80wt%、ポリテトラフ ルオロエチレン(PTFE)10wt%およびカーボンブ
ラック10wt%からなる混合物にエタノールを加えて 混練し、シート状に成形後厚さ0.5mm にロール圧延し、得られた電極のシートを直径6mmの円盤に打
ち抜いた。この円盤状の電極を、コイン型有機電解 質電池セルの集電体兼ハウジング部材とするステン レス製ケースの正極側および負極側の内側に、それぞれ黒鉛系導電性接着剤を用いて接着した。次にこ
のステンレス製ケースごと減圧下で300 ℃、2 h 加熱 処理して水分等を除き、上述のドライボックス中で電解液を電極中に含浸させ、両電極の間にポリプロピレン繊維不織布製のセパレータ紙を挟み、ステンレスケースを絶縁体であるガスケットを介してかしめ封口し、直径11mm
、厚さ1.6mm のコイン型電気 二重層キャパシタを得た。
キャパシタ容量は充放電試験装置HJ - 201B (北斗電工(株))を用い3.3V
で40 分定電圧充電した後、 0.2mA 定電流にて2V まで放電したときの電圧勾配より推算した。内部抵抗は、LCR メーター4262A
(ヒューレットパッカード(株))を用いて1kHz 定電流交流法で測定した等価直列抵抗値を用いた。
3 極式分モデルセルの測定には正負極に上記コインセル用電極を用い、参照電極としては上記電極を30 ×40mm に切断し、40 μmのステンレス箔に黒鉛系導電性接着剤を用いて両面に接着したものを用いた。
3 極式電圧測定にはガルバノスタットHA - 211 (北斗電工(株))を用いた。 |
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| 3.結果と考察 |
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| 3.1 電解液の電気伝導率および粘性率
電気二重層キャパシタの特徴の一つは、急速充放電が可能なことにある。これは充放電反応が電極界 面でのイオンの移動による静電現象を利用しているためであり、電解液の電気伝導率が高いほどこの特
性をさらに向上させることができる。またキャパシタの実用面で要求される低温作動領域においても高 伝導率を維持できるものが好ましい。
Table 1
に用いた溶媒の構造式と物性および量子化学計算から得られたHOMO(Highest occupied mol
- ecular orbital)、LUMO(Lowest unoccupied molecu
- lar orbital)値を示す。これらはAb initio MO calcula
- tion 法によりはGaussian98 、基底関数HF/6 -
31G* を用いて算出した。
HOMOは負に大きいほど酸化されにくく、LUMO は正に大きいほど還元されにくく、HOMOとLUMOの間が広いほど電気化学的に安定な溶媒と考えられる。
耐酸化性の順序DMC>EMC>PC>DEC>3MSLF>SLF
耐還元性の順序DEC>EMC>DMC>SLF>PC>3MSLF
計算結果ではDMC 、EMCが酸化、還元の両方でPCよりも安定である。SLF はPCより還元側では安
定であるが、酸化側は不安定で、3MSLF は酸化、還元のどちらも不安定である。
Fig.3
に(C2H5 )4NBF4
および(C2H5 )3CH3NBF4を
PC およびSLF に溶解させたときの電気伝導率の電解 質濃度依存性を示す。対称構造の(C2H5
)4N+カチオンに比べ非対称構造の(C2H5
)3CH3N+
カチオンは溶 媒に対する溶解性が高いので電解質濃度を高くすることができ、高い電気伝導率を示すことがわかる。 また、Fig.4
に示すようにSLFはPC に比べ粘性率が 高いため電気伝導率が低い。
Fig.5
に1.2 mol/kg 濃度の(C2H5)3CH3NBF4
をSLF と3MSLF 、DMC 、EMC およびDECとの混合溶媒に 溶解させたときの電気伝導率を示す。これらの溶媒はSLF
に比べ誘電率が小さいので電解液の溶解性が小さく、3MSLF とDMC ではSLFの割合が60wt%以 下で電解質が析出し、同様にEMC
、DEC ではそれぞれ70wt%、80wt%以下で析出が起こる。電気伝導率 ではDMC が最も効果的でEMC 、DEC 、3MSLFの順
になる。これはFig.6でわかるように粘性率の低い
順であり、混合溶媒にすることにより電解液の粘性 率が下がるためと考えられる。
Fig.7
にSLF80wt%、添加溶媒20wt%での混合溶 媒電解液の電気伝導率の温度依存性を示す。−20 ℃ での電気伝導率でもDMC
、EMC 、DEC 、3MSLFの 順になる。
3.2 電解液の耐電圧
3 極式モデルセルにおいてアノード、カソードの 電位を観測しながら0.1mA 定電流充電したときの電 位の経時変化をプロットした図をFig.8
に示す。浸 漬電位はほぼ0V であり、アノード、カソードとも に二重層領域ではほぼ直線的に電位が変化するが、 さらに充電を続けると両者とも一定の電位に近づく。この領域ではアノード、カソードとも何らかの
電解液の分解反応が起こっていると考えられる。分 極電位が直線から顕著にずれ始めるところを分解電 位とするとPC 溶媒では約3.1
V 、SLF+EMC 溶媒で は3.5V の分解電圧を有するとがわかる。また、電気 二重層キャパシタ容量はアノード、カソード共に活
性炭電極界面に形成される電気二重層への電荷の蓄 電を利用するものであるから、得られるキャパシタ 素子のセル容量は、アノード側の単極容量Caとカ
ソード側の単極容量Cc を直列結合したときの合成容 量として観測されるので、次式が成立する。 |
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PC 、SLF 溶媒の電解液は共にアノード側よりカソード側の方の分極電位が大きいことから、アノード側の単極容量がカソード側のより大きいことがわ
かる。これはアノード側に吸着されるBF4-イオンがカソード側に吸着される(C2H5
)3CH3N+イオンよりも
サイズが小さいために単位面積当りに吸着できる数 が多いためと考えられる。
3.3 キャパシタ性能
Table 2
に25 ℃において測定したキャパシタの初 期容量および内部抵抗値を示す。いずれの電解液に おいてもキャパシタ容量はほぼ等しいが、内部抵抗は電解液の電気伝導率が高いほど低い。
Fig.9
には25 ℃のキャパシタ容量を基準とする容 量変化率の温度依存性を示す。3MSLF 、DEC 添加系 では−15 ℃でほとんど容量が得られないのに対し、
DMC 、EMC では60%の容量維持率があり、より低 温特性が優れていることがわかる。
電気二重層キャパシタは既述のように主にバックアップ電源として用いられる場合が多く、機器の使用中は常に電圧が印加された状態に保持されている。そのため実用上電気二重層キャパシタの最も重要な特性は長期間の電圧印加による性能劣化が少ないことにある。そこで試作したキャパシタの長期間
の電圧印加による性能変化を加速的に評価するため60 ℃下において3.3V の電圧印加試験を行った。 Fig.10
にキャパシタ容量の経時変化を示す。EMD 、 DEC 添加系に比べ3MSFL 、DMC 添加系の劣化が大
きい。3MSFL はTable 1
に示したようにHOMO 、 LUMO の範囲が小さいためと考えられる。一方、コ インセルの重量変化を示すFig.11
からわかるように DMC は重量減少が大きい。これはDMC の沸点が低 く蒸散しやすいことによる電解液のドライアップが 原因と考えられる。
以上から、SLF への添加溶媒はキャパシタの温度特性、信頼性の点からEMC が最も良いことがわかる(7)。 |
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| 4.ダイナキャップの構成 |
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| ダイナキャップのキャパシタ素子はFig.11
に示すような断面構造をもつコインセルを基本としており、Fig.12
に示すようにコイン型電池と外観上良く 似ている。移動体通信機器の小型化、省電力化に伴い、より小さな電源が求められている。コインセルは+極側の集電体を兼ねた金属ケースと−側の金属
キャップの内側にディスク状の電極を配置し、電極 中に電解液を含浸させた後、多孔性のセパレータを 間に挟み込み、両電極面を対面させる形で電気絶縁
性のパッキングを介してケース側周部をかしめ加工することにより封口一体化されている。ここで電極 には高比表面積を有する高純度活性炭をPTFEによってバインディングした高強度、高密度シート成
形体を用いることにより、高容量密度を達成している。 |
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| 5.ダイナキャップの特性 |
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本開発電解液を用いた3.3V 仕様の高耐電圧化キャパシタがダイナキャップDCKシリーズであり、最高使用温度は60 ℃である。
DCK シリーズのキャパシタ特性に関し、用途面からの要求特性を踏まえながら、充放電特性、温度特性、電圧保持特性、高温負荷特性について述べる。
5.1 充放電特性
Fig.13
に1k Ω、10k Ω、100k Ωの抵抗を通じて3.3V 印加した時の端子間電圧の時間依存性を示しており、数分での急速充電可能であることがわかる。
Fig.14
に3.3V 、1h 定電圧充電後、10 μA 、50 μA 、100 μA 、200 μA の定電流放電を行ったときの放電
曲線を示す。IC メモリの駆動電圧は3.3 V から1.0 Vまでの範囲であるので、この間の放電時間をバック アップ時間とすると、0.1
μA以下の微小電流で済むICメモリでは数週間程度のバックアップが可能である。 5.2 温度特性
Fig.15 に20
℃のキャパシタ放電容量を基準とする容量変化率の温度依存性を示す。また、Fig.16には抵抗値の温度依存性示す。低温側ではキャパシタの内部抵抗上昇と容量の低下が起こるが、−10
℃の低温から60 ℃の高温領域まで支障なく充放電が可能である。 5.3 電圧保持特性
3.3V の定電圧で5h 充電した後、25 ℃で開回路状態のまま放置し、各時間におけるキャパシタ端子間の電圧を測定した電圧保持特性をFig.17
に示す。72h 後においても70%以上の電圧保持率を有しており、鉛電池に匹敵する優れた電圧保持特性を有していることがわかる。
5.4 高温負荷特性
劣化反応を加速させ、長期の信頼性を短時間に評価するために60 ℃下において3.3V をキャパシタに1000h 印加して、その特性変化を観察した。
キャパシタ部品の耐久性の一般的な規格では高温負荷試験において最高作動温度で1000h 後の容量が初期値の±30%以内で、内部抵抗が初期規格値の4倍以下であることが要求される。本キャパシタの場合は60
℃、1000h 後の容量減少が−30%以内で、抵抗値が800 Ω以下でなければならない。
Fig.18
、Fig.19
に示すように、60 ℃、1000h 後の容量、抵抗上昇ともに規格を十分に満たしており、高い信頼性を有していることがわかる。 |
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| 6.総 括 |
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溶解性に優れる電解質である(C2H5)3CH3NBF4
と電気化学的安定性の高い溶媒であるSLF 、EMC との組 み合わせにより、低温領域でも高い電気伝導率と高 い分解電圧を有する電気二重層キャパシタ用電解液
が得られた。これを用いて、−10 〜60 ℃において使 用でき、3.3 V 耐電圧を有する電気二重層キャパシタ を開発し、エルナー(株)にてDYNACAP
DCK 3.3V 0.22Fとして製造、販売している。本報では、 高耐電圧電解液の特徴およびDYNACAP の原理、特 徴、構成、製品体系および製品仕様について紹介し
た。DYNACAP は小型・大容量で信頼性に優れ、作 動温度領域が広いという特徴を有している。今後、 電子機器、移動体通信機器の小型化、省電力化が一
層進むに伴い、それらのバックアップ電源として、 DYNACAP はあらゆる分野で広く使用されていくと 考えられる。
−参考文献− |
| (1) |
平塚和也, 真田泰宏, 有賀広志, 森本剛, 旭硝子研究報告, 40 [ 1] 153(1990). |
| (2) |
T. Morimoto, K. Hiratsuka, Y. Sanada and K. Kurihara, J.
PowerSources, 60, 239(1996). |
| (3) |
エルナー(株)社2001/2002 HIGH QUALITY CAPAC -
ITOR カタログ. |
| (4) |
真田泰宏, 平塚和也, 森本剛, 栗原要, 電気化学, 61[ 4] 448(1993). |
| (5) |
森本剛, 平塚和也, 真田恭宏, 有賀広志, 特公平3 - 32203.
|
| (6) |
森本剛, 平塚和也, 真田恭宏, 有賀広志, 特公平3 - 58526.
|
| (7) |
平塚和也, 河里健, 数原学, 特公平8 - 306591. |
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