−Technical Report−
Paper11. Water, Oil and Stain Repellent Agent
‘Asahi Guard (R) AG-7000’
杉本修一郎*・杉山和典*・大春一也*・前川隆茂*
Shuichiro Sugimoto, Kazunori Sugiyama, Kazuya Oharu and Takashige Maekawa
 Today water and oil repellent (W.O.R.) finish using fluorochemicals has been widely
applied to fibrous materials under various conditions. In this situation fluorochemicals are required to impart higher performance to more kinds of the materials with much more improved processability than ever. In a series of our development of W.O.R. agents, we investigated the common problems in finishing process of our customers closely, and newly designed the suitable polymer latex for fluorochemical products. That is polymerization composition including emulsifier system was optimized from following points to achieve better processability as well as W.O.R. performance:
  1) low dynamic surface tension of latex system to achieve quick penetration to
hydrophobic or tightly - woven fabrics,
  2) controlled zeta potential of latex particles for better and uniform adsorption onto substrate surface,
  3) improved mechanical and chemical stability of latex under harsh conditions like elevated temperature or fast finishing process,
  4) lower foamability during longer finishing process.
Considering both W.O.R. performance and above mentioned points AG - 7000, a new line of our products is accepted by wide range of customers all over the world.
*化学品カンパニー技術本部開発部機能材料開発センター
 

目次
  1. 緒 言
  2. 実 験
  3. 新規開発品AG - 7000の特長
  4. AG - 7000 シリーズの展開
  5. 総 括

 
1.緒 言
1.1 背 景
 今日、はっ水はつ油防汚加工は繊維製品の高機能化技術の一つとして定着している。
 当社では、繊維用のフッ素系はっ水はつ油防汚加工剤である「アサヒガード(R) 」を1971年に上市して以来、高機能化による品種拡充や加工処方開発、更にはカーペット、紙分野などの周辺用途開発を継続的に行い、多くのお客様にご使用頂いている。
 一方、近年、加工剤の用途拡大や加工地域のグローバル化に伴い、加工剤の使用環境は多様化し、更には加工対象素材の拡大、加工品の差別化のための処方の複雑化、あるいは加工の低コスト化などを理由に様々な条件で使用されるようになった。

 このような使用状況に幅広く対応するために加工剤には性能のみならずそれが加工に供される際の使い易さ、さらには環境面、安全面も満たすことがより厳しく要求されるようになった。
 今回、我々は、このようなニーズに対応した加工剤をポリマー構造・乳化重合処方まで遡って材料設計・商品設計を行い、より使い易さを向上させたアサヒガード(R)AG - 7000 として開発した。本稿では、AG - 7000 の開発コンセプトや新たに導入したラテックスの評価方法を交えながら本製品の特長を紹介する。


1.2 加工剤の特性と課題
1.2.1 加工中の挙動と使い易さ
 アサヒガード(R) は、フルオロアルキルアクリレート- アルキルアクリレート共重合体を主体とした水系分散体、いわゆる水性ラテックスとして提供されている。乳化重合で製造されたラテックス粒子の粒子径は100nm〜200nm であり、外観は乳白色ないし淡黄の乳液状であって固形分濃度(有効成分濃度)は、製品によって異なるが一般には10 〜30%である。
 これらアサヒガード(R) は、加工場においてFig.1 に示したような連続浸漬法で布帛に加工が行われている。
 本法は、布帛が加工浴に浸漬、絞られる「パディング工程」、一次乾燥が行われる「乾燥工程」、更に熱処理の「キュア工程」からなる。また、このマクロな加工過程は、Fig.2 に示したようなミクロな過程に分けて考えることができる。
 即ち、パディング工程においては、
  1.加工浴に浸漬された布帛への加工液の浸透
  2.加工浴中に分散するラテックス粒子の繊維表面への均一な吸着
 続く乾燥、キュア工程では、
  3.繊維表面上のラテックス粒子の造膜による連続被膜形成
 という一連の過程がスムーズに実現されることにより優れた性能の付与が達成される。
 一方、こうした加工工程において、お客様からの多くの要望が寄せられる。これらの改善要望を詳細に解析した結果、パディング工程に起因すると推定される浸透ムラによる性能不良やラテックス粒子の破壊、凝集によるガムアップトラブル等、加工性に対する部分が大きな部分を占めていることが明らかになった。つまり、この過程における加工剤の挙動を先に述べたミクロな視点から解析し、制御することが使い易さにつながると考えた。


1.2.2 加工剤の浸透性
 布帛にはつ水はつ油などの機能を付与するためには、布帛を構成する繊維表面を加工剤のポリマーで被覆することが必要である。加工剤のポリマーの布帛への必要十分な付着のためには、布帛に対する加工液の浸透性と濡れが重要である。特に近年、加工スピードの高速化や極細繊維や高密度の布帛等の普及によって浸透し難くかつ濡れ難い加工対象が増加している。しかし、連続加工の際にはいかなる場合においても加工液が短時間のうちに速やかに、しかもムラなく布帛組織中に浸透しなければ、ラテックス粒子は繊維表面に吸着することができない(Fig.2-1)。この浸透性のコントロールには、従来から浸透剤としてイソプロピルアルコール(IPA )などの低級アルコールやある種の界面活性剤の併用などが行われている。しかし、IPA など低級アルコールの使用は、引火性や作業環境への悪影響が問題であった。また、界面活性剤の併用は、はっ水はつ油性能の低下や加工浴の起泡性増大の問題などが生じるために使用が限られていた。従って、これらを併用せずに速やかな浸透が実現できる加工剤の実現を目指した。


1.2.3 ラテックス粒子の基材への吸着特性
 良好な性能発現には、繊維表面に達した加工液中からラテックス粒子が均一に表面に吸着することが重要である(Fig.2-2)。ラテックス粒子の吸着は、粒子と繊維表面のζ(ゼータ)電位で制御できることが知られている。
 一般に繊維表面のζ電位は、pH が弱酸性から中性付近の水溶液中においては、天然繊維、合成繊維にかかわらず通常は、マイナスの電位を有している。しかし、低pH領域ではいずれもプラス方向に電位が変化する傾向がある(Fig.3)。従って、ラテックス粒子の電位が適度にプラス(カチオン)である場合は、広いpH領域で繊維表面に安定した吸着が行われ、安定した性能を発現する。反対に、アニオン性のラテックス粒子の場合、マイナスに帯電した繊維とは反発により均一な吸着が困難である。一方、ラテックスのプラス電位が大き過ぎる場合には、マイナス電位を有する繊維表面に一度に多くのラテックス粒子が吸着して性能が安定しない現象(選択吸着)や、低pH領域の繊維がプラス電位を有する領域では、反発によってラテックス粒子の均一な吸着が阻害されるために性能が低下する場合がある(Fig.4)。
 つまり、加工に供される繊維種や条件を想定してラテックス粒子表面の電位を適切な範囲に制御することも安定した加工性を得るという観点から重要なポイントとなる。


1.2.4 ラテックス安定性
 実際の加工ではアサヒガード(R) のラテックス自体が安定であることが、凝集沈降、ガムアップに伴う布汚れなどの加工トラブルを起こさないために必要である。ラテックスの安定性は、機械的安定性および化学的安定性の二つの側面が考えられる。
  1 )機械的安定性:現場加工においては布帛が加工浴中を高速に移動することやマングルで絞られること、さらにマングルからの絞り液が浴内に落下することなどでラテックスに対してせん断力のような様々な機械的な力がかかる。このような機械的な力によってラテックス粒子が破壊され、凝集することにより加工トラブルとなる。
  2 )化学的安定性:連続加工では染色など前工程で使用された染料や薬剤などが夾雑物となり、加工浴内に持ち込まれて蓄積する。これらの夾雑物の多くが、親水性のアニオン性物質であるために、ラテックスの凝集沈降によるトラブルやはっ水はつ油性能の低下を引き起こす場合がある。さらに、加工目的、加工対象に対応して種々の併用薬剤を併用する場合が近年非常に多くなってきている実態からも、ラテックスの他の併用薬剤に対する相溶性、即ち、化学的安定性が優れた方が一般に使い易い。
 従って、様々な条件で凝集、沈降やガムアップのない安定なラテックスが使い易い加工剤に必要であると考えられる。


1.2.5 加工浴の起泡特性
 連続浸漬法におけるパディング工程では、常に布帛が加工浴を通過しているために泡が立ち易い状態にある。泡が多い加工剤の場合には、泡に起因する“輪染み様”の布帛汚れが生じることやガムアップの原因となることがある。また、泡は追液センサーの誤動作を引き起こすなど加工に影響を与える。加工トラブルにつながる泡の発生が少ない乳化系の選定が必要である。


1.2.6 AG - 7000 開発方針
 AG - 7000 の開発に当たっては、性能発現とこれまで述べてきた使い易さ、更に製品の環境負荷低減、安全性の向上および各種規制への対応を考慮し、下記のような加工剤の開発を目指し、乳化系、配合処方の見直しを行った。
  <開発方針>
  対象繊維: 合成繊維、天然繊維
  ポリマー: 高耐久型フッ素系アクリル共重合体
  乳化系 : ノニオン性
  環境対応: 非アルキルフェノールエトキシレート、低VOC (揮発性有機溶剤)
  規制対応: PRTR 非該当, 消防法(非危険物)
 
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2.実 験
2.1 表面張力測定
 表面張力(静的表面張力・平衡表面張力)は、Wilhelmy 法により測定した。測定には、協和科学社製 表面張力計 ESB - V 型を用い、各ラテックス水溶液をイオン交換水で濃度調整して測定を行った。
  動的表面張力は、最大泡圧法(1)−(2)により測定した。 測定には、協和界面科学社製 BP - D3 型を用い、同様にイオン交換水で濃度調整したサンプルにて測定を行った。


2.2 ラテックス安定性評価
 機械的安定性評価は、所定濃度、温度のラテックス水溶液をホモミキサー(特殊機化社製 TK ホモミクサーMkII )にて5分間、2500rpmで攪拌後、発生した凝集物を濃色布帛でろ過し、布帛上の凝集残渣の状態を目視で下記の段階評価する方法で行った(Fig.5)。
  <機械的安定性評価基準>
  5 級: ろ布上に観察される凝集残渣が皆無。ラテックスの安定性が良好であることを示している。
  4 級: ろ布上の極一部に極少量の凝集残渣が観察される状態。
  3 級: ろ布上の一部に凝集残渣が観察される状態。
  2 級: ろ布上のほぼ全面に、凝集残渣が観察される状態。ラテックス安定性が不良で、これ以下では通常の使用が難しいことを示している。
  1 級: ろ布上の全面に凝集残渣がある状態。
 化学的安定性は、所定濃度のラテックス水溶液に想定されるフィックス剤、アニオン性染料等、夾雑物や併用薬剤を混和したのち30分静置後の加工液の外観を観察することで評価した。


2.3 ζ電位測定
 大塚電子社製 ELS - 800 電気泳動式ゼータ電位計を用いて測定した。 各ラテックス水溶液は10mmol/l濃度のKCl 水溶液で濃度調製して測定に供した。


2.4 起泡性測定
 起泡性は、一般にRoss - miles 法と呼ばれるJIS K3362 :1990 8.5 に規定される方法を用いた。
 これは、発生する泡の高さにより、起泡性と泡安定度を評価する方法で、数値が低いほど繊維加工剤として好ましい。


2.5 はっ水はつ油性測定
 評価用試料布は、所定の処方に調整された加工浴に一回浸漬後、マングルで所定の絞り率(Wet pickup )に絞った後にテンター型乾燥機にて110℃で90秒乾燥し、引き続き170 ℃で60 秒間熱処理して調製した。
 撥水性の評価は、JIS L 1092 :1998 6.2 はっ水試験(スプレー試験)に準じて行った。評価は下記の5段階による。数字が大きいほどはっ水性が良好なことを示している。
  <はっ水性評価基準>
  1: 表面全体に潤滑を示すもの。
  2: 表面の半分に潤滑を示し、小さな個々の潤滑。
  3: 表面に小さな個々の水滴状の潤滑を示すもの。
  4: 表面に潤滑しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
  5: 表面に潤滑や水滴の付着がないもの。
 はつ油性は、AATCC Test Method 118 - 1997 に準じて行った。評価は、下記の9 段階からなっており、表面張力の異なる8種類の炭化水素系溶媒の布に対する濡れ性を基準としている。数字が大きいほどはつ油性が良好なことを示している。
  <はつ油性評価基準>
  0: None (Fails Kaydol)
  1: Kaydol
  2: 65:35 Kaydol : n - hexadecane by volume : n - hexadecane
  3: n - tetradecane
  4: n - dodecane
  5:  
  6: n - decane
  7: n - octane
  8: n - heptane
  洗濯耐久試験は、JIS L 1092:1998 5.2 a )3 )C 法に準じて洗濯を行った。評価には大栄科学精器社製AWS - 30自動洗濯試験装置を用いた。洗剤には花王社製粉末洗剤「アタック」を使用した。HL - 5, HL - 20はそれぞれ家庭洗濯5 回相当、20回相当を示している。また、綿ブロード布、EC ブロード布については洗濯後に90 ℃、3分の熱処理を行った後に評価に供した。
 
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3.新規開発品AG - 7000 の特長
3.1 浸透性の向上
 一般に固体表面に対する液体の濡れ性は、固体表面が同じ場合、液体の表面張力が小さいほど濡れ易い。布帛表面に対する濡れ性およびその布帛組織への浸透性も同様に考えられる。従って、これら濡れ性と浸透性を改良するためには加工液の表面張力が小さいことが必要である。一方、実際の連続浸漬法における加工浴の挙動を考えた場合、布帛が加工浴中に浸漬している時間は数百ミリ秒から数秒であり、短時間で完全に浸透することが必要である。つまり表面張力と時間をパラメータとした動的な挙動として考えることも必要である。そこで本検討においては通常の表面張力(静的表面張力・平衡表面張力)に加えて現実の加工で浸透性の尺度となる動的表面張力を指標に開発検討を行った。動的表面張力の評価には各種の方法が知られているが、本検討では比較的速い時間変化における動的表面張力測定が可能である最大泡圧法を用い、短時間で表面張力を下げることが可能な乳化重合系を探索した。
 従来製品であるカチオン性のアサヒガード(R) AG - 925 、ノニオン性のアサヒガードLS - 317 および、本検討での開発品であるノニオン性のAG - 7000 と静的表
面張力と動的表面張力の比較を行った結果をTable1Fig.6 に示す。また、加工場にて難浸透性布帛を加工する際に、よく使用される浸透剤であるIPAの効果も比較するためにLS - 317 にIPA を併用した系についても測定を行った。
 いずれの加工剤も静的表面張力は、40mN/m 程度を示しており、純水(72mN/m )に較べ布帛に対してある程度の液浸透が期待できる。しかしながら表面張力の時間変化を含む動的表面張力では加工剤間で大きな差異が認められた。特に、LS - 317 は、静的表面張力は47mN/m であるが、動的表面張力で見た場合、1200msで63mN/m であり、より速い動きに相当する300msでは68mN/mで、水の表面張力72mN/m からの低下が小さい。つまり、速い速度で加工浴に導入される布帛に対しては、水の表面張力とほとんど同じで大きな浸透効果は期待できないことを示している。
 また、AG - 925 の場合も、静的表面張力は38mN/mであって、これはLS - 317 にIPA を添加した場合と同程度であるが、動的表面張力は時間が長い場合には低下するものの短時間の300msでは63mN/m と比較的低下が小さいので高速加工での浸透性が十分ではない。
 一方、多くの加工場で浸透性の低い布帛を加工する際に使用されているIPA 併用処方の場合、300msでも53mN/m 程度の低い動的表面張力を示す。
 AG - 7000 は、Fig.6 に示したように300ms における動的表面張力においてその低下能はIPA を併用した場合に匹敵する。即ち、加工剤の浸透性の観点からは、IPAの如き引火性薬剤を併用する必要はない。


3.2 加工浴安定性の向上
 先に述べたように実際のアサヒガード(R) の加工では、機械的安定性と化学的安定性が使い易さの重要な因子になる。例えば、従来品LS - 317 は、ノニオン性タイプの商品であるので併用薬剤との相溶性など化学的安定性には優れているが強いせん断力下の機械的安定性が十分ではないためにトラブルが発生する場合があった。また、カチオン性の製品であるAG - 925 はその単独の機械的安定性は優れるが、前工程からの加工剤残渣や併用薬剤にアニオン性夾雑物などが存在した場合には性能低下や凝集によるガムアップなどのトラブルを生じることがあった。
 一般に、ラテックスの安定性は、主としてノニオン性乳化剤に由来する水和層と主としてイオン性乳化剤に由来する電荷によって保たれている。
 はっ水はつ油防汚加工剤の場合、安定性の確保のためにノニオン性乳化剤によって水和層を増やすことは、性能低下をもたらすのでノニオン性乳化剤のみでの安定性確保は困難である。一方、イオン性乳化剤は、上述の例の通り、他のイオン性薬剤との相溶性、あるいは夾雑物に対する安定性の観点から好ましくない。
 AG - 7000 の開発においては併用薬剤との相溶性の面で有利な、ノニオン性の乳化剤を複数組み合わせることにより、ノニオン性乳化剤のみでありながらラテックス安定性に優れ、しかも浸透性および性能の両立を達成した。Table 2 にホモミキサー法で評価した機械的安定性の評価結果ならびに化学的安定性評価結果を示した。


3.3 使い易さに関連するその他の物性
 本製品開発では、各種加工薬剤との相溶性の観点から、乳化剤としてノニオン性乳化剤のみを使用している。このためにイオン性乳化剤を用いたラテックスへの電荷の付与はできない。そこでイオン性の付与には、重合開始剤末端を利用することとし、その種類、使用量を最適化することによって電荷を調節した。ζ電位計で測定したAG - 7000 、LS - 317 、AG - 925 のラテックスの電位はそれぞれ15mV 、10mV 、45mV である。
 AG - 7000 は適度なプラス電荷を有しており、広いpH 領域で繊維への均一な吸着が起こり易く、そのため様々な加工条件で安定したはっ水はつ油性能の付与が可能であると同時にラテックスの機械的および化学的安定性にも優れている。
 起泡性についても乳化剤選定時に合わせて考慮し、可能な限り低泡性タイプの乳化剤を選択した
Table4)。


3.4 一般はっ水はつ油性能評価
 Table 56 には、AG - 7000 の一般物性として各種の布帛に対するはっ水はつ油性能およびその洗濯耐久性能を示した。AG - 7000 においては合成繊維、および天然繊維である綿においても従来品同等以上の性能を付与することが可能である。
 
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4.AG - 7000 シリーズの展開
4.1 環境安全性への配慮
 アサヒガード(R) AG - 7000 の開発においては、先にも述べたように、製品の環境負荷低減、製品安全性の向上および各地域の各種規制への対応をも考慮した。
  以下に具体的な対応例を示した。
  1. 消防法の危険物に非該当、引火点≧100 ℃。
  2. PRTR 法の指定物質を不含。
  3. 内分泌かく乱物質として認定されたノニルフェノールの誘導体ならびにオクチルフェノールの誘導体不含。
  4. VOC 該当物質(EU 基準)を不含。
  5. ドイツの水質危害規定(VwVwS )Class1 。
 このようにAG - 7000 は、環境・安全面でも問題点の少ないお客様にとって使い易い加工剤である。


4.2 AG - 7000 シリーズラインナップ
 今回開発した技術をもとにお客様のニーズに合わせた、以下の製品のラインアップを展開している。
  以下に具体的な対応例を示した。
  AG - 7000 高耐久型はっ水はつ油防汚加工剤
  AG - 7005 AG - 7000 の高濃度品。
  AG - 7105 一般・耐久型はっ水はつ油防汚加工剤。高浸透性。
  AG - 7600 柔軟耐久型はっ水はつ油防汚加工剤。
 製品仕様をTable 7 に示した。
 AG - 7000 シリーズは既に、日本をはじめアメリカ、アジア、ヨーロッパの各市場においてお客様にご使用を頂き、性能のみならず、浸透剤の使用中止による処方の簡略化、コストダウン、作業環境の改善、加工の安定化、併用薬剤の選択の幅が広がることによる応用拡大など使い易さの向上に貢献して好評を得ている。
 
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5.総 括
 本稿では、「基本性能」に加えて「使い易さ」を加味したフッ素系はっ水はつ油防汚加工剤アサヒ
ガード(R) AG - 7000 の開発、およびその商品シリーズについて概説した。特に、フッ素系はっ水はつ油防汚加工剤の「使い易さ」においてはお客様における様々な加工条件での性能発現、操業安定性が重要である。AG - 7000 シリーズの開発においては、動的表面張力、ラテックス粒子のζ電位、さらに、加工実態に即した各種安定性の評価方法を導入しながら開発を進めた。加えて、AG - 7000 シリーズは近年の環境・安全性に関する事項を十分配慮して開発されており、これまで以上に総合的に「使い易さ」の向上した製品となっている。
 今後、AG - 7000 シリーズがお客様の工程安定化や品質改善に寄与するとともに、新しい処方開発に応用されることを期待している。また、フッ素系はっ水はつ油防汚加工剤は、更に高機能化、用途拡大および環境・安全性への対応が必要になってくると考えている。

−参考文献−
(1) Karol J. Mysels, Colloid and Surfaces, 43, 241 (1990).
(2) Cynthia D. Holcomb, John A. Zollweg, J. Colloid Interface Sci. 133, 51 (1992).
 
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