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−Technical Report−
Paper12. Development of Multi-layer Tube Using Adhesive
ETFE for Automotive Fuel Lines |
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西 栄一*・淀川正英*・胡桃澤 健*・佐々木 徹*
NaoakiFujita and TakayukiHirai |
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We have developed conductive fuel tube of multi
- layer construction using reactive
adhesive of Ethylene - Tetra FluoroEthylene
(ETFE). The new fuel tube can reduce fuel
evaporative emission compared with current fuel tube of the same inner
layer wall
thickness because ETFE (inner layer) itself has less fuel permeation,
and in addition,
bonding layer formed with the reactive adhesive also functions as
a barrier against fuel permeation. The new adhesive has excellent
adhesive strength between ETFE and
Polyamide12. This paper describes the material characteristics, tube
performances,
processability of the tube and bonding mechanism. *化学品カンパニー技術開発本部開発部加工技術センター |
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| 1. 緒 言 |
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1.1 背 景
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(以下ETFE と略記)は、フッ素ポリマーの中で耐薬品性、非粘着性、成形性、コストパフォーマンス等に優れたバランスの良い材料である。また、エチレン等のハイドロカーボン系モノマーが共重合されている事により力学特性、接着特性、成形性等を改良する事が他のパーフルロフッ素ポリマーより比較的容易である。
そこで我々は、これら上記特性の中でも特に“接着性”に着目し“溶融接着可能なETFE ”を開発した。また、その応用としてETFE 系の多層ホースである自動車用燃料ホースへの開発を行った。
また、各国において自動車の増加に伴い、排出ガスの規制が一段と強化されつつある。この排出ガス規制の一つとしてガソリン蒸散ガス規制(通称エバポ規制)がある。ガソリン蒸散ガスは炭化水素により構成され、大気中のNOxと光化学反応をすることにより光化学スモッグを引き起こす。このため米国では1995
年に、また欧州、日本では、2000 年に上述の規制が一段と強化された。また米国では2004年にさらに規制の強化が決定している(Fig.1)。こういった背景を受けて、燃料ホースからのガソリン蒸散ガスを低減する技術も常に進歩が期待されている。規制対応及び市場より求められる耐ガソリン蒸散性、層間接着性、成形性に優れた導電性多層樹脂燃料ホースを開発したので本稿に概要を報告する。
1.2 樹脂燃料ホースの現状と課題
過去には、ガソリン蒸散ガス規制対応の燃料ホースは内層にフッ素ゴム(以下FKM と略記)を利用したゴムホースが主流だった。しかし、樹脂ホースはゴムホースよりも耐ガソリン蒸散性、生産性に優れること及びクイックコネクターという締結部品を用いワンタッチで組みつけ可能なことより、樹脂製ホースへと移り変ってきた。Fig.2
に示すように樹脂燃料ホースの種類としては、燃料バリヤー材(内層材)で分類すると、エチレンビニルアルコール共重合体(以下EVOH と略記)、ポリビニリデンフルオライド(以下PVdFと略記)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオライド3
元系共重合体(以下THV と略記)、ETFEが使用されている。しかし、EVOH は接着性力が弱い、PVdF は耐寒性、燃料バリヤー性が不十分、THV
は耐燃料添加剤性(耐アミン性)、燃料バリヤー性が不十分で、日本市場ではETFEの多層ホースが主流となっている(Table
1 )。
現行のETFE の多層ホースは、内層にETFE 、外層にポリアミド12 (以下PA12 と略記)という構成が主流である。中間・接着材層であるPA12とETFEのアロイ樹脂はETFE
並みに高価であり、燃料バリヤー性能がETFEよりも劣る。また、ETFE とPA12 との層間の接着力は不十分であり、なおかつホース生産速度も遅いという欠点を有している。そこで、上述の欠点である燃料バリヤー性、接着性、生産性を解消した新たなETFEの多層ホースを開発することとした。 |
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| 2.実 験 |
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2.1 ガス透過理論
理想状態で均一物質の場合には、透過は溶解、拡散、透過の過程で成り立ち(Fig.3)、透過量Qは、(1)で表され、圧力差P1
―P2、面積A、時間tに比例し厚さL
に反比例する。また透過係数Pはアレニウスタイプの式(2)に従うので絶対温度tの逆数の指数関数となる。さらに式(3)に示すように、透過係数は溶解係数Sと拡散係数D
との積である。 |
| ここで、Q :透過量、P :透過係数、A :面積、t
:時間、P1 ―P2
:膜を通した圧力差、L :厚さ、P0
:定数、Ep :活性化エネルギー(定数)、R
:ガス定数、T :絶対温度、D :拡散温度である。 |
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以上のように、透過量は材料の厚さに反比例し、溶解係数、拡散係数に比例する。したがって、チューブ内層に使用する材料は、対象となる液体(今回の場合燃料)に対する溶解係数、拡散係数の低い(すなわち透過係数の低い)物を選択し、許容される限り厚く使用すればよい。
2.2 燃料透過測定方法
JIS Z −0208 に準じたステンレス製容器(直径60mm 、高さ28.6mm )に燃料を容器の半分の量に満たし、厚さ0.1mm
のフィルム状サンプルを用いて、ポリテトラフルオロ製O リングをかませて容器にふたをし、ねじ圧力にて締め付けた。試験サンプルの透過面積は、28.26cm2、燃料透過時の環境温度を60℃に設定し、240
時間後の燃料の重量損失を測定し燃料透過性を求めた。燃料透過に用いた燃料の種類は、Fuel −C (イソオクタン:トルエン=50vol%:50vol%)及びこのFuel
−C にエタノール10vol を加えたCE10 を用いた。 2.3体積固有抵抗測定方法
圧縮成形にて厚さ1mm のシートを作製し、体積固有抵抗機(機器名:Hiresta IP ;三菱化学製)を用いて室温にて測定した。測定時の荷電圧及び荷電時間はそれぞれ10(v)、10
(sec)である。 2.4 接着強度の測定方法(燃料ホースの作製)
外層の単軸押出機(機器名:FS - 50 、池貝(株)製、シリンダー径:50mm φ、L/D:32
)にPA12 (商品名:UBESTA 3030JI12L :宇部興産(株)製)ペレットを投入し、中間接着層の単軸押出機(機器名:VA
- 30 :田辺プラスチック製、シリンダー径:30mmφ、L/D:24 )にペレット状の接着剤を投入した。また、内層の単軸押出機(機器名:VA
- 40 :田辺プラスチック製、シリンダー径:30mmφ、L/D:24 )に静電気防止機能のETFE 系のペレットを投入し、三層ダイを用いて多層燃料ホースを作製した。このようにして得られた燃料ホースの各層の厚みは、それぞれ0.75
、0.10 、0.15mm である。次に得られたホースの燃料ホースをホース断面に対して垂直に(半円状に)切断し、テンシロンを用いてT型剥離強度を測定した。 |
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| 3. 結果及び考察 |
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3.1 内層材料の選定
内層材を選定するにあたり、各種燃料バリヤー性能に優れた(燃料透過係数が低い)材料を比較検討した。Table
2 にその検討例を示す。基本的にはフッ素系樹脂が燃料バリヤー性能に優れている。その中で、他材料(外層材料:PA12)との加工性、低温機械特性及び疲労特性等を考慮し、低融点ETFE
である“フルオンTM LM −730AP ”を選定した。 3.2 静電気防止機能
樹脂燃料ホースは、内部を液体のガソリンが高速で流動するため樹脂チューブ内壁とガソリンが接触し、摩擦により静電気を発生する。この静電気は、近傍に金属などの良導体が存在するとスパークを起こし、火災やラジオノイズなどの静電気障害を発生する恐れがある。したがって、カーボンブラック(以下CBと記す)などの導電材を混入し、静電気を常に逃す工夫が必要となる。ETFE
にCB を混入した際のCB 量と電気抵抗率の関係をFig.4
に示す。導電性CB を増量するとETFE の抵抗率は低くなるが、MFR (メルトフローレート)が低くなり押出し性が悪化する(Fig.5)。それゆえCB量は、低く抑えるのが好ましいが静電気は逃す必要があり、そのバランスをとって抵抗率が1
×102〜3Ωcm未満になるようにCB
量を決定する。 3.3 外層材の選定
外層には低価格で耐燃料性、柔軟性、耐候性、耐熱性、耐寒性がバランスがとれている従来から採用されているPA12 を採用した。特にETFEとの接着性に影響を与える末端基のバランス、可塑剤含有量及びその種類等を考慮して、宇部興産製PA12(UBESTA
3030JLX2)を選定した。PA11 もPA12と同等材料性能を有しており、技術上は成立するが、PA11 は世界で1 社のみの生産であり、入手性の観点から4社で生産されているPA12
を選定した。 3.4 中間接着材の構造及び接着機械
選定したETFE 内層材を外層材のPA12 とを強固に接着させるため、従来のようなETFE 表面への高エネルギー表面処理による接着性官能基の付与や物理接着をめざしたアロイ材ではなく、ETFEに官能基をグラフト共重合したETFE
系反応性接着材は、過酸化物などをグラフト重合しETFE に炭素―炭素間二重結合を形成させたものである。組成の98%以上がETFE で、SP
値(溶解度パラメータ)が7.1 でETFE と同じであり、ETFE と強固に接合するとともにPA12 の有するアミノ基と強固に化学反応し接着する(4)〜(6)。したがって、層間剥離強度はFig.6に示すように35N/cm
以上であり、内層(ETFE )の材料破断となる。開発接着材のPA12 との反応例をFig.7
に、赤外スペクトルによる官能基の生成の様子をFig.8に示す。
3.5 中間接着材接着性の燃料バリヤー性
ETFE 系反応性接着材は組成の98 %以上がETFEで、ETFE と同等の燃料バリヤー性能を有しているため接着材も燃料バリヤー層となる。一方、従来のアロイ接着材はPA12とETFE
のブレンド物で、燃料バリヤー性に劣る(Fig.9)。それゆえ開発燃料チューブは、従来燃料チューブと内層(ETFE
)厚さが同じでも燃料バリヤー性能が優れたチューブにすることが可能である。また設定する燃料バリヤー性能によっては、内層のバリヤー層である高価なETFEを薄くして節約したり省略したりして、接着材層で燃料蒸散性能をカバーすることも可能である。
3.6多層ホースとしての成形性
開発した接着材は、多層チューブを成形する際(Fig.10)、押出し速度が速くてもETFEとPA12
間を強固に接着できるため、チューブ生産性を高めることができる。従来のアロイ接着材に対する押出し成形速度の比較をFig.11に示す。
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| 4. 総 括 |
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ETFE に官能基を付加したETFE 系反応性接着材を開発し、その応用展開として自動車用導電性多層樹脂燃料チューブを開発した。開発燃料チューブは従来燃料チューブに比較し、最内層のETFE層だけでなく接着材層も燃料バリヤー層となるため、燃料蒸散性のより優れたチューブとなる。また接着材は、組成の98
%以上がETFE であるのでSP値が同等であるためETFE (内層)と接着し、またカルボキシル基等を有するためPA12 (外層)の有するアミノ基とアミド結合を形成し接着する。それゆえ、接着力の向上が困難であったETFEとPA12
間の接着力をETFE 層の材料破断まで向上することができた。また三層チューブの押出し成形速度が速いため生産工程での時間短縮により従来品に比較しコスト低減を図ることができた。この開発燃料チューブは2000年初頭の新型車に採用された。
−参考文献− |
| (1) |
California Air Resources Board : Proposed Amendments
to California Exhaust and Evaporative Emission Standards and
Test Procedures for Passenger Cars, Light -
Duty Trucks and Medium - Duty Vehicles
“LEV ・”(1998 ). |
| (2) |
平野克典:ゴム配合のたて方第4 集(透過と配合),日本ゴム協会,p.51 -
66(1993). |
| (3) |
占部誠亮:ゴム膜の透水機構, ポリマーダイジェスト, Vol. 43, No. 9, p. 99
- 113(1991) |
| (4) |
旭硝子:特開平8 - 169538 |
| (5) |
旭硝子:US5736610 |
| (6) |
旭硝子:US5965275 |
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