透明性を有し、表面が平滑で平坦、耐熱性にも優れているため、テレビ、PC、スマートフォン、タブレット端末や自動車用など、多彩なディスプレイ用の基板として活用されています。フロート法で開発されたアルカリ分を含まないアルミノ珪酸塩ガラスです。

使用用途

  • TFT液晶ディスプレイ用基板
  • 有機ELディスプレイ用基板

厳しい条件が求められるTFT液晶ディスプレイ用ガラス

テレビの大型化を可能にし、支えているのが、AGCのTFT液晶ディスプレイ用ガラス。鮮やかで美しい映像を生み出すテレビの基幹部材として利用されています。
TFT液晶ディスプレイ用ガラスには、いくつもの厳しい条件が求められます。まず、通常のガラスと異なりアルカリを含むことが許されません。アルカリが含まれていると、液晶材料を汚染するだけではなく、トランジスタ特性に悪影響を及ぼしてしまうのです。また、0.3~0.7mmという薄さでも大きなたわみが許されず、さらに、精密加工のために高熱を加えても、伸びたり縮んだりして形が変化しないよう、耐熱性が必要になってきます。加えて、薬品を使った加工の際にも、成分が溶け出してしまわないような性質を持っていなければならないのです。
有害物質であるヒ素を含んでいないことも特長です。そのため、環境に優しいガラスとしても高い評価を受けています。
「薄型化」「大型化」「環境対応」を、AGCの技術が支えています。

鮮明にくっきり見える画面の秘密

液晶ディスプレイは、二枚のガラスの間に「液晶」を挟み込んだ構造になっています。液晶は、液体と固体の両方の光学的な性質を併せ持っているのが大きな特長です。その液晶層に電圧を加えることで液晶の中に含まれる分子はいろいろと向きを変えます。バックライトが発する光の量を、向きを変えた液晶分子が調節しながら、赤・青・緑のカラーフィルターを通って、さまざまな像が表示されるというわけです。

液晶ディスプレイのなかでも、現在多く使われているのが「TFT液晶」と呼ばれるもの。これは液晶層へ電圧を加える装置として、電気信号を変化させるトランジスタの薄い膜を使ったもので、高精細・高速応答がメリットです。
近年この高精細化がますます進み、4K、8Kテレビなど大画面でも繊細でくっきり見える画面が開発されています。これらの高精細テレビを支えているのが、独自のガラス精密加工技術により製品化されたAGCのディスプレイ用ガラス基板です。

さまざまな生活シーンで活躍する液晶ディスプレイ

今や生活必需品とも呼べるスマートフォンやタブレットですが、なかでも、もっとも目にする部分、それが液晶ディスプレイ。液晶ディスプレイがなくては、メールを送ることも、カメラ機能を使って撮影した画像を見ることもできません。
更に液晶ディスプレイは、車載機器としてのナビゲーションシステムやセンターインフォメーションディスプレイ、デジタルサイネージなど、実にさまざまな場面で活躍しています。
AGCでは、進化する液晶ディスプレイの重要な構成素材となる液晶ディスプレイ用ガラス基板事業を手がけており、グループの技術力を結集し便利で快適な生活をサポートしています。