AGCが長年培ってきたファインガラス・ファインケミカル・ファインセラミックスの技術・研究開発をもとに製造しました。日進月歩の半導体プロセスに適し、さまざまな光学部材などに使われている高純度・高品質・高機能ガラスです。

使用用途

  • 半導体露光用レンズ
  • 液晶露光用レンズ
  • フォトマスク基板
  • 光学部材
  • ガラスウェハ

AQシリーズの製造方法と特長

AGCの合成石英ガラス AQシリーズは、VAD法(間接法)にて製造されております。VAD法によりSi-OH濃度の低減を実現し、それによって、下記のような特色のある合成石英ガラスをご提供可能です。

特徴

  • i線からKrF, ArF, Xeエキシマランプといった200nmを切る深紫外から、赤外線に至る幅広い波長の光に対する高透過率*1
  • 低コンパクション・レアファクション特性、低複屈折率*2
  • およそ1000℃の高耐熱性*3
  • 高エネルギーレーザーに対する優れた耐久性
  • 通常ガラスの1/10以下の低熱膨張率
  • 高均質性、超高純度、極低金属不純物含有
  • 低OH基含有率
  • 高耐薬品性
  • 低誘電損失
  • *Si-OHの電子遷移による深紫外線吸収、およびSi-OHの分子振動に由来する赤外線吸収が、それぞれ抑制されます。
  • *Si-OHが低い硝材ではレアファクションが発生しません。またコンパクションおよび偏光誘起複屈折率も抑制されることがArFエキシマレーザー照射評価から確認されております。当社では、4kHz ArFエキシマレーザー装置などを用い、合成石英への長期にわたる照射実験を行っております。このような実験を通じて合成石英の光学特性挙動の解明、特性改善を継続的に行っており、豊富なデータ、知見を保有しています。
  • *Si-OH濃度の低減によりSi-O-Si結合ネットワーク構造が強固となり、粘性が増大することによって耐熱性が向上します。

代表的諸特性

化学組成 SiO2 wt(%) 100
熱的特性 熱膨張係数 ppm/K (50~200℃) 0.6
軟化点 1,600
徐冷点 1,120
歪点 1,060
光学的特性 屈折率 nD 1.46
化学的特性 耐酸性 mg/cm2 0.000
耐アルカリ性 mg/cm2 0.032
機械的特性 密度 g/cm3 2.20
ヤング率 GPa 74
ヌープ硬度 kg/mm2 540
電気的特性 体積抵抗率 log(Ω・cm) at 200℃ 12.5
誘電率 at 1MH,R.T. 4.0
  • データは参考値であり、保証値ではありません。

最適波長

深紫外域での透過率

  • データは参考値であり、保証値ではありません。

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製品カタログ
品目 特徴、主な用途
AQ AGCの合成石英ガラス スタンダードグレード
用途例:KrF用フォトマスク基板、ガラスウエハ、i線(365nm)
用照明光学系部材、バイオチップ用基板、UV-LED用
AQ3 AQに、屈折率均質性を付加したグレード
用途例:i線(365nm)用投影光学系部材
QJ AQの高純度低不純物含有グレード 金属不純物含有量を保証
用途例:高温プロセスにて使用されるガラスウエハ、HTPS、バイオチップ用基板
AQ2 真空紫外(VUV)、近紫外(NIR)の範囲において高透過率を有するグレード
用途例:Xeエキシマランプ(172nm)用光学部材
AQT 深紫外エキシマレーザーに対して高い耐久性を有し、かつ屈折率均質性に優れるグレード
用途例:ArFエキシマレーザー(193nm)用投影光学系部材
AQR 深紫外エキシマレーザーに対して、極めて高い耐久性を有するグレード
用途例:ArFエキシマレーザー(193nm)用照明光学系部材
QC‐i 深紫外エキシマレーザーに対し高透過率を有し、かつ低複屈折を有するグレード
用途例:ArF液浸スキャナ用フォトマスク基板
AQ4 UV~DUVの範囲において高い耐久性と高い透過率を有するグレード
用途例:Low-k配線装置用窓材など