電子部材事業

グループビジョン“Look Beyond”を実現するうえで、成長が期待されている電子部材事業。AGCグループの次代の稼ぎ頭となる新規事業を創出し、確立していくことがミッションだ。「エレクトロニクス業界の発展を支えていくのは我々の製品であり、サービスである」という強い使命感のもと、製造・販売・開発すべてにわたりチャレンジを続けている。

製造・生産技術

多様な基盤技術から、次世代を担う新製品を創出

フォトマスク等に使われる合成石英ガラスフォトマスク等に使われる合成石英ガラス

携帯電話やデジタルカメラなどに使用されている非球面ガラスレンズ携帯電話やデジタルカメラなどに使用されている非球面ガラスレンズ

ダイナミックに変化するエレクトロニクス市場。その目まぐるしい動きにあわせて、技術革新も加速している。そんな世界で、次代を担う高機能部材・部品を次々と求められているのが電子部材事業だ。現在の取扱品は、高純度炭化珪素、合成石英などの半導体プロセス部材や、CMOSイメージセンサー用光学フィルターなどの光部品、プラスチック光ファイバ、光ピックアップ用素子など。多様な領域に多彩な製品を供給することで、その使命を果たしている。それらの製品に共通するのは、ガラスや化学、セラミックスで培ったさまざまな基盤技術だ。

たとえば、半導体プロセス分野では、AGC旭硝子独自のエンジニアリングセラミックスが、その強みを発揮している。半導体の製造に不可欠な熱処理工程において、高品質のシリコンカーバイド(高純度炭化珪素)を導入しているのが特徴だ。また、材料合成技術をベースとした光学部材も半導体の高性能化を支える重要な部材として機能している。回路の設計がより細密になるにつれて、ステッパー用の光源は短波長化させる必要があるが、ここで威力を発揮するのが、純度の高い合成石英ガラスで造られたレンズやフォトマスクの基板なのである。

市場・販売体制

技術シーズと市場ニーズを結び製販・開発一貫した体制で競争力を高める

デジタルカメラ用光学フィルターデジタルカメラ用光学フィルター

半導体、オプトエレクトロニクス、光通信などの分野で、AGCグループが製品を供給し、事業を着実に拡大してきたのは、強みとする素材づくりの技術を活かしてきたからに他ならない。技術革新がハイピッチで進むエレクトロニクス業界では、そうした技術を駆使して市場ニーズに対応する力や、その前提となる情報感度が求められる。そのなかで、電子部材事業では製造・販売・開発の一貫した体制を構築し、競争力の向上に努めている。

すなわち、営業部門は、その使命として開発・生産技術部門にユーザーニーズを迅速に伝えていく。開発・生産技術部門はさまざまな制約のなか、開発・生産技術を駆使してニーズの具現化に努める。その意を受けた製造部門は、ものづくりの世界でそれらニーズを製品につくり込んでいく。まさに製造・販売・開発の一体化で、現場では当たり前のことを当たり前に進めていくことが求められる。

ただし、既存サプライチェーンの中だけで製品やものづくりを考えていたのでは、ビジネスは拡大していかない。そこで営業やマーケティングが一段高い視点からシーズとニーズを結びつける働きをする。一眼レフのデジタルカメラ用光学フィルターを、市場が急拡大する車載カメラに応用するといった事例のように、今後はお客様の業界の垣根を越えたビジネス展開が広がっていくだろう。

将来展望

スピードと変化を推進力として事業拡大を加速させていく

電子部材事業では、市場の変化をいち早くキャッチアップするため、製品開発を加速している。たとえば、微細化が進む半導体製造プロセスに対応したCMPスラリーやEUVブランクスなど。また優れた省エネ性能で急激に需要が拡大しているLED照明だが、高出力化・高輝度化・長寿命化といった新たなニーズを受けて開発されたのが、ガラスセラミックス基板「GCHP®」(ジーチップ)であり、新規事業・新技術を開拓する事業開拓部と連携して事業化を推進している。こうした製品は、ダイナミックに変化していくお客様のニーズに「スピード重視」で応えてきた成果といえるだろう。これからも電子部材事業は市場ニーズの変化を敏感に捉え、スピード感をもって製品を開発、事業化を推進していく。

ガラス技術とセラミックス技術の融合により生まれたガラスセラミックス基板「GCHP®」

省エネ効果の高いLED照明の利用分野は、出力の低い携帯電話、ノートパソコン向けから、液晶テレビ、室内照明、さらには3Dテレビ、屋外用照明など、より明るさが必要とされる高出力製品へと拡大している。しかし、高出力化にともない発熱量が増大するため、LEDには高耐久性も要求される。
そこで誕生したのが、ガラスセラミックス基板「GCHP®」(ジーチップ)だ。既存の樹脂基板やアルミナ基板よりも放熱性・耐熱性に優れているため、LEDチップの熱を逃し温度上昇を抑えることができる。さらに、アルミナ基板に比べ20~30%も反射率が高いため、より効率的に輝度を高めることが可能だ。
「GCHP®」のように、AGC旭硝子のガラス技術とセラミックス技術の融合から生まれた新製品が、今後も電子部材事業から続々と上市されることだろう。

民生用で世界最速のプラスチック光ファイバ「FONTEX®」を供給開始

2011年7月から、新しいフッ素系プラスチック光ファイバ「FONTEX®」(由来:光の泉)の販売がスタートした。
「FONTEX®」は、10ギガビット/秒(Gbps)の大容量データ通信ができ、また既存の石英ファイバでは成し得なかった小さく折り曲げた状態での通信が可能な、世界初の光ファイバである。踏みつけたり、折り曲げるなどの取扱いをすることが想定される家庭内でも、気軽に安全に安心して使用できるのがメリットだ。
今後ますます大容量データの高速伝送が必要になるなか、パソコンと周辺機器との接続やサーバーやストレージなど機器間の光配線、さらには電磁ノイズが発生しない特長が活かせる医療分野や、素材の軽量化が求められる自動車分野などさまざまな分野で採用が検討されている。
こうした民生用(社会インフラ系を除く)の光配線の需要は今後、急速に立ち上がるものと予想されており、AGC旭硝子はその新市場の一角に切り込む有力な新製品を獲得したといえるだろう。

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