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社員紹介

化学品事業

20世紀初頭、板ガラスの原料であるソーダ灰の自給を目的にスタートした化学品事業。 ほぼ1世紀を経た現在、その事業は大きく花開いた。クロールアルカリ・ウレタン、フッ素・スペシャリティの2分野を中心に、基礎化学品から高機能製品、医農薬原体まで、さまざまな製品を市場に送り出し、「安全・安心」「快適」「環境保全」を求める社会のニーズに迅速に対応している。

化学の力で時代が求める多様なニーズを実現する

AGCグループは、化学品事業をコア技術のひとつにもつ。化学製品は世の中のあらゆる分野・市場で用いられているだけに、多様なビジネスチャンスに恵まれている。それゆえ、化学品カンパニーは、化学の力を最大限活用し、他社には真似のできない新たな価値、新たなビジネスを創出することが期待されている。化学品事業は、クロールアルカリ・ウレタン、フッ素・スペシャリティの2つの事業を中心に構成されている。クロールアルカリ分野では東南アジアにおいてトップメーカーの座におり、今後GDPの成長が見込まれるアジア地域において生産設備の増強を進めている。また、フッ素樹脂は世界マーケットにおいてすでにトップシェアを得ており、その地位を確固たるものとしている。

製造・生産技術


クロールアルカリ・フッ素化学の技術をベースにした独創的で付加価値の高い製品群

化学品事業は、ガラスの主原料であるソーダ灰(炭酸ナトリウム)の自給生産と、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)と併産する塩素の誘導品を起点とし幅広く展開してきた。下図のように、クロールアルカリ等の基礎化学品から、フッ素化学品等の高機能製品まで一貫製造しているのが特徴だ。そのため、原料から末端製品までのすべてのプロセスで行き届いた安全・品質管理と環境への配慮が可能となり、今日、数多くの分野で世界トップレベルの製品を生み出している。

特筆すべき技術として挙げられるのが塩素誘導品の有機合成技術に端を発したフッ素化学の技術である。精密合成技術を駆使し、これまでの樹脂にはない高耐熱性・耐薬品性・耐候性を付与したフッ素樹脂、塗料用フッ素樹脂、フッ素ゴムを開発。これらは高度に機能化が進んでいる自動車・航空機等の分野で急速に需要が拡大している。

フッ素化学の技術は燃料電池用フッ素ポリマーなどのエネルギー事業にも活用され、AGCグループ全体のコア技術となっている。また、医薬品・農薬分野へも応用され、フッ素系医農薬中間体を生産している。このため、医薬品製造基準(cGMP)に対応した設備があり、高次中間体から原体の受託製造も行っている。

フッ素樹脂製品の多くは1970~80年代にかけて開発され、それが今日まで四半世紀以上にわたって主力製品の座にある。その意味では、現在の研究開発は四半世紀先を見越して、「化学品の未来を創る」という気概をもって進められており、そこにこそ化学系技術者のやりがいがあるといえる。なお、化学品事業は本社と工場にエンジニアリング部門を擁し、プラントの建設から日々のメンテナンスまでの、すべてにおいて自社技術をベースにこなしているのも特徴だ。

市場・販売体制


欧米市場に加えてアジアでも次世代市場での競争優位を目指す

基幹分野であるクロールアルカリ事業は、成長が続くアジア地域の旺盛な需要を支え続けている。タイでは2011年、インドネシアでも2012年及び2016年に、基礎化学品である苛性ソーダの増産を実施した。さらにコスト競争力を強化するために、2018年にはインドネシアにて石炭火力発電所を新設し、電解に必要な電力を自給することが決まっている。苛性ソーダは紙パルプや化学繊維などの生産に不可欠な素材であり、同時に発生する塩素も、塩化ビニール樹脂やポリカーボネートの原料となり、経済成長にともない需要が拡大する化学品である。また、苛性ソーダの誘導品である重曹は、腎臓疾病患者向けの透析薬剤に欠かせない原料であり、国内シェアトップである。今後も同事業では東南アジアの成長に応じた増産体制を築き、地域No.1の地位を盤石なものにしていく。

一方、フッ素化学・スペシャリティ事業においては、環境、エネルギー、半導体、ディスプレイ、光関連、メディアなどの次世代市場で、高度フッ素設計技術・加工・ポリマー技術と独自の提案力を付加価値としてお客様に提供することにより、ソリューション型ビジネスを展開。世界初の透明フッ素樹脂「サイトップ®」は光学、半導体の画期的な新素材として優れた性能が注目されている。さらに、高機能フッ素樹脂フィルムや、液晶材料等も市場競争力のある製品を次々と送り出している。また、世界で初めての溶剤可溶型塗料用フッ素樹脂「ルミフロン®」、フッ素系撥水撥油防汚加工剤「アサヒガード®」、フッ素系医農薬中間体・原体など多様な製品を創出している。

化学品の事業領域は、化学・食品・電機・自動車・医薬等々をはじめとする幅広い産業分野にわたり、各産業で新しい素材ソリューションを提供しつづけている。営業部門は、こうした広範囲の製品群の展開にともない、若いうちから担当製品を任され、国内のみならず欧米・中国・東南アジアなど世界の様々な業種のお客様とコミュニケーションを取りながらニーズをしっかり掴みマーケティングや営業活動を続けている。また、柔軟性と創造性をフル活用することで新規事業など新しいビジネスの担い手になれるチャンスもあり、現在も若手の営業担当がグローバルに活躍している。

将来展望


“Chemistry for a Blue Planet”を掲げ、環境・エネルギー分野に注力する

これまで化学は、快適で便利な暮らしに役立ってきたが、同時に環境に負荷をかけてきたことも事実である。世の中が環境問題に直面してきた1960年代後半から、AGC旭硝子の化学品事業は、環境を切り口にした技術革新を続けている。

1973年、当時の通商産業省は、水俣病の発生を契機に日本の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の製造法を、水銀を用いた水銀法から水銀を使わない製法へ転換することを求めた。「イオン交換膜法による製塩プラント開発の経験を、イオン交換膜による苛性ソーダの製法に応用できないだろうか。この技術ができれば、低エネルギー(低電力)で、環境に優しく、さらに高品質・高濃度の苛性ソーダを作ることができる」。 この熱き想いは、やがて1975年、世界で初めてのイオン交換膜による食塩電解パイロットプラントの運転成功につながった。翌1976年には、千葉工場での商業生産がスタート。今日では、世界の苛性ソーダ生産の3/4が、イオン交換膜に変わった。

現在世界に約10億台以上存在する自動車のほとんどが、化石燃料を燃やし、CO₂を排出している。HV車やEV車の普及が進んできたが、究極の自動車駆動システムは、燃料電池と言われて久しい。既に、自動車メーカーでは、コンセプトカーの生産実績も増え始めている。この燃料電池技術の中核は、なんと上述したイオン交換膜の技術なのだ。燃料電池技術のポイントは、選択的に電子を移動させることにある。その技術は、40年前に開発した高耐久性のフッ素樹脂からできたイオン交換膜の技術が使われている。

そして今、AGC旭硝子の化学品事業は、“Chemistry for a Blue Planet”をメッセージとして発信している。「私たちは化学の力を通じて、安全、安心、快適で、環境に優しい世の中を創造します」。この言葉を胸に、化学事業は化学のさらなる可能性を探求し、今後も「環境とエネルギー分野」に力を発揮していく。

日本、中国、ドイツ、ブラジルetc 世界の都市で活躍する
AGC旭硝子の化学製品

世界で最も高い電波塔だけに頻繁にメンテナンスすることが難しい「東京スカイツリー®」(634m)。そこで外装の塗料に採用されたのが「ルミフロン®」だ。商品化以来、20年間以上のメンテナンスフリー実績を持ち、長期視点に立つとVOC*排出量も削減できるメリットが評価された。

また、2010年の上海国際博覧会で日本館に採用された高機能フッ素樹脂「アフレックス®」は高耐熱性・耐薬品性・耐候性・非粘着性・電気特性・透明性等の優れた特長をもつ。その生産・販売量ではAGC旭硝子が世界NO.1で、2006年のドイツに続き2014年ブラジルで開催された世界的なサッカーイベントのメインスタジアムに使用されている。近年は太陽電池関連の環境商品としても採用されており、表面材や裏面材に使用することで長期耐久性や信頼性向上に寄与している。さらにノートパソコンや携帯電話での利用が期待されるフレキシブル太陽電池の発電層(特殊なシリコン)をカバーする素材としても活用され、その用途は広がるばかりだ。*揮発性有機化合物。環境汚染や健康被害を招く原因になり得る。