ガラス製造は典型的な装置産業である。それは旭硝子がもつ世界最大のガラス製造プラントをわずか数名でオペレーションしていることでも明らかだ。 旭硝子の製品が設備によって大きく左右されることは否めない。 そこで旭硝子が世界で勝ち残っていくための競争力の源泉となるのは、“差別化された自前の設備技術”と“独自の生産設備”である。 設備を購入して製品をつくっても、他社と同じモノを同じコストでつくるだけ。競争力にはならない。 ここでは、プロフェッショナル集団として旭硝子の生産設備を担う、ガラスプラント設備技術部門を紹介していく。
旭硝子のガラスプラント設備技術部門は、エンジニアリングセンター、各工場の設備技術部門、関係会社のAGCテクノロジーソリューションズ(株)の3つのグループから構成されており、化学品を除く建築用ガラスから、電子部材までの幅広い事業分野を設備面からサポートしている。具体的には、設備開発、生産設備設計、海外プラント建設などのプロジェクト執行、各工場にある既存設備の生産性向上や設備メンテナンス、当社独自技術の外販などを行っている。その他、生産技術センターにおける新プロセスの設備開発も担当している。 これらガラスプラント設備技術部門の業務は、いわゆるエンジニアリング会社の業務内容とは大きく異なる。それは、旭硝子の各カンパニーと共に事業計画の段階から深く関わり、事業の一端を担っているからである。各カンパニーの研究所や中央研究所が新製品を開発したとしても、事業として立ち上げて量産するためには、採算がとれる量産体制づくりが不可欠だ。ガラスプラント設備技術部門では、ガラスプラント設備のプロフェッショナル集団として、この量産体制づくりに深く関与していくのである。 ガラスプラント設備技術部門には、現在、旭硝子単体の総合職エンジニアの約1割に当たるおよそ350名の設備系エンジニアが所属。メーカーの中で、社内にこれほどの規模のエンジニアリング部門をもつ会社は稀有であり、いかに旭硝子がガラスプラント設備技術に力を注いでいるかがわかるだろう。
ガラスプラント設備技術部門の業務の特徴として挙げられるのは、分業化していないことである。一人のエンジニアが計画から設計、設備調達、据付工事、試験運転、引き渡し、メンテナンスまで一貫して担当し、さらに一連の流れの中で、生産設備を開発する必要があれば、その設備の開発まで手掛けていく。各カンパニーの要望に応え、プロフェッショナルとしていかに生産設備をつくりあげていくか。ここにエンジニアリングの存在価値がある。 これが大規模になったものが工場建設である。この場合、土地の選定から始まり、インフラ整備、建設、設備据付に至るまで総合的に工場建設を担っていく。ここでは、工場をつくるための総合的なマネジメント能力、エンジニアリング能力が求められる。 旭硝子全体の仕事量に対し、エンジニアはあくまでも少数精鋭。したがって、一人のエンジニアが担当する仕事は非常に幅広く、権限も大きい。新人エンジニアたちは、入社数年で早くも数億円という仕事を任され、自由闊達に、かつ試行錯誤しながら仕事を覚えていく。そのなかで「進化したモノづくり集団」としての自覚が自然に育まれていくのだ。
生産現場においては、より高品質、より低コストを追求して、日々改善活動が行われている。そのような中で設備産業である旭硝子の各事業においては、設備のプロフェッショナルたるガラスプラント設備技術部門の役割は非常に大きい。現場で起きているいろいろな生産課題を、理論的に解析し、そこから種々のソリューションを提供していくことが、ガラスプラント設備技術部門には求められている。そこにはコストや納期、信頼性など様々な制約条件が横たわっている。ただ一方で1つの課題解決が、すぐに数百万、数千万の利益を生み出すこともあり、これが全世界にあっという間に伝播していくのは、グローバルトップの旭硝子ならではの醍醐味といえよう。 ガラス製造で培ったノウハウを活かしながら先進的な設備をつくり、また蓄積した技術力をもってまったく新しい事業分野にも積極的にチャレンジしていく。それが、現在のガラスプラント設備技術部門の姿である。ガラスプラント設備技術部門はいま、視野の広い仕事、あるいは、これまでとは異なる分野の仕事にチャレンジしていくエンジニアを求めている。そのためには、「技術バラシ」や「オフサイト活動」など先輩たちと自由に討議できる場も欠かせない。内外の情報を集めながら、それらを目的をもった一つのプロセスのなかに組み立てていける。そんな人材を期待しているのだ。
ガラスプラント設備技術部門で仕事を進めていくためには、機械、電気・電子、情報通信さらには化学、物理、建築に至るまで、幅広く、しかも高度な知識が必要だ。そのため充実した育成体制と独自のキャリアアップシステムを用意している。 まず入社後1年間は、工場の設備を見ながらエンジニアリングに必要な知識・技術を修得。その後、それぞれの配属先で、生産設備の開発・設計、プロジェクトの執行、生産技術の改善などを一通り経験し、エンジニアとしての基礎をつくる。ガラスプラント設備技術部門では、役職者になる前までの期間を「エレメンタリー技術者」と定義し、自分自身の適性を把握し、判断する期間としても位置づけている。 中堅エンジニア以降に関しては、自分の得意分野に応じて、設備開発、プロジェクト、工場の設備管理・改善、特定分野でのスペシャリストなど多彩なステージが用意されており、自分でキャリアを思い描き、それに向かって努力する者にとってガラスプラント設備技術部門は魅力的なものになる事だろう。