基本的な考え⽅

年々深刻化する地球温暖化問題に対し、産業革命当時からの地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えるために2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにするカーボン・ネットゼロを目指す機運が世界的に高まっています。
2015年に採択されたパリ協定を大きな契機として、世界各国で地球温暖化に対する関心が高まる中、国や政府だけでなく、企業が果たすべき役割や取り組みに対するステークホルダーの期待も大きくなっています。
そのような背景のもと、AGCグループは2021年2月、自社の事業活動に伴うGHG排出量ネットゼロを目指すとともに、製品・技術を活かして世界のカーボン・ネットゼロ実現に貢献していくことを2050年に向けた長期目標として掲げました。
気候変動対応はサステナビリティ経営における特に重要な課題(マテリアリティ)としてサステナビリティ委員会で重点的に議論を行い、AGCグループの企業活動を低炭素・脱炭素の方向へ導くための方策について積極的に検討しています。
経営・事業戦略を策定する上で重要な要素となる気候変動が及ぼす影響に関して、2050年カーボン・ネットゼロ実現へ向けて世界が大きく変化していくことを視野に入れつつ、顕在化し得るリスクと機会を特定し、評価しています。

気候変動リスクおよび機会の具体例

種別 内容内容
移行リスク 政策・法規制 炭素税等のカーボンプライシング導入やGHG排出に関する各種規制拡大によるコスト増加
技術 化石燃料に依存しない製造方法の確立など、低炭素技術への移行のためのコスト増加
マーケット 消費者選好の変化による既存製品の需要減少
物理リスク 短期 豪雨や洪水、渇水などの自然災害による操業や物流への影響
長期 平均気温上昇による長期的な海面上昇、高潮や台風などで浸水することによる操業や物流への影響
平均気温上昇による暑熱職場における熱中症の発生
機会 資源効率 より効率的な鉱物資源や水資源の利用によるコスト低減
ガラスカレットや回収蛍石などの再生資源活用による原料の選択肢の多様化
製品 エコガラス、地球温暖化係数が低い代替フロン、飲料水の製造や水の再利用に寄与するイオン交換膜など、気候変動の緩和と適応に貢献する製品の開発・拡販
マーケット 保有技術の強みを活かした新しいマーケットへのアクセス

目標

2021年からスタートした新中期経営計画において、AGCグループにとって重要となる社会的価値の創出に向けたサステナビリティ目標を導入しました。
サステナビリティ目標は、AGCグループの強みを発揮できる幅広い領域で設定し、地球・社会の持続的発展とAGCグループの持続的成長を両立するサステナビリティ経営を一層推進するための基軸となります。
GHG排出(量)削減はサステナビリティ経営推進において特に重要性の高い課題であるとの認識のもと、次の4つの領域で2030年に向けた目標を策定しています。

  • 自社事業活動のGHG排出(量)削減(Scope 1+2)
    • GHG総排出量:2019年比30%削減
    • GHG排出量売上高原単位:2019年比50%削減
  • サプライチェーンのGHG排出(量)削減
    • 主要なサプライヤーとの多様な協働事例の拡充
  • GHG排出(量)削減に貢献する製品・技術
    • カーボン・ネットゼロに貢献する製品や技術の普及・拡充
  • GHG排出(量)削減に貢献する事業モデル
    • 事業アセットを活かした多様な実践事例の拡充

具体的な取り組み

上記目標の達成に向けた取り組みをグループ一丸となって強化するとともに、各目標の引き上げや具体化について検討しています。
具体的には、2030年に向けた目標実現のためのアクションプランの策定や生産におけるGHG排出量削減のための重要技術開発などに着手しています。また、気候変動に伴うリスクと機会をより詳細に分析するため、TCFDの枠組みを活用してシナリオ分析を実施しました。
その結果、主要リスク項目の一つである炭素価格による影響が特に大きいことが確認されたため、GHG排出削減に向けた長期目標の策定(2021年2月に発表)、各事業部門における削減目標の設定、新たな生産技術・プロセスの開発、CCU(CO₂回収・再利用)技術の探索・試行、インターナルカーボンプライシングの導入、気候変動リスクの投資指標への組み込みによる低炭素投資の推進などを進めています。

商品による貢献

【建築用省エネガラス】省エネ製品:地球温暖化への対応

・エコガラス(Low-E 複層ガラス) 「Glass Plaza」サイトへ

優れた断熱性と遮熱性を持ち暖冷房効率を上げる省エネガラス
建築物のエネルギー効率改善に貢献し、暖冷房使用によるCO₂排出を削減

Low-E 複層ガラス〈サンバランス〉断面図

・リフォーム向け省エネガラス

ぺヤプラス®改修用高性能Low-E 複層ガラス まどまど®二重窓(既存のサッシ・ガラスはそのままに、内側にもう1枚の窓を加えることで窓の機能を高める) アトッチ®現場施工型後付けLow-Eガラス

・真空断熱ガラス「FINEO」

2枚のガラスの間を真空封止することで、優れた断熱性能と薄さ(総厚6.7mm~)を両立させた*真空断熱ガラス

総厚 約4cmのアルゴンガス入りトリプルガラスと同等の性能
パナソニック株式会社と共同開発・協業

真空断熱ガラス「FINEO」

【太陽光発電システム】創エネ製品:地球温暖化への対応

・採光型太陽光発電モジュール「サンジュール®

合わせガラスタイプを基本とした採光型・大型のモジュールによる太陽光発電システム

JR高輪ゲートウェイ駅 設計:株式会社JR東日本建築設計
JR高輪ゲートウェイ駅
設計:株式会社JR東日本建築設計

【自動車用ガラス】省エネ製品:地球温暖化への対応

・自動車用省エネガラス「クールベール®

・「UVベールPremium Cool on®

・「UVベールPremium Privashield

ドライバーと地球環境に配慮した自動車用赤外線&紫外線カットガラス
ドライバーと地球環境に配慮した自動車用赤外線&紫外線カットガラス

【フッ素化学品(フィルム)】

・施設園芸用フッ素樹脂フィルム「エフクリーン®

施設園芸に求められる機能(流滴性、UVカット等)を備え、高い光線透過性能と耐候性を併せ持ち、長寿命で廃プラスチックの排出抑制に貢献できるフッ素樹脂フィルム

エフクリーン®の農業用温室への展張例
エフクリーン®の農業用温室への展張例