建築用ガラス事業

建築物を構成する高機能部材としてのガラスの役割は、近年ますます重要性を増している。省エネ効果に優れた複層ガラスや防音、防犯、防災などの付加価値を高めたガラスが普及してきただけでなく、BIPV(建材一体型太陽電池)・通信用アンテナといった用途で使用される新たな商品への注目も高まっている。高機能ガラスの分野で、今後いかに国際競争力を高めていくのか──ガラス産業の発展をリードしてきたAGCの積極果敢な挑戦は、すでに始まっている。

製造・生産技術

高機能ガラスで市場ニーズに応え、
生産の全プロセスで環境対応を徹底

ガラスは「素材としての透明な板」から「機能を持った建材」へと変化を遂げてきた。かつての透明性のみの機能要求から、遮熱、断熱、安全、防犯、防音……など、多様化かつ高度化する機能要求に応え、通常の板ガラスから複層ガラス、安全ガラス、特殊金属膜コートガラスなど付加価値を高めた高機能ガラスへと製品領域を広げてきたのだ。

こうした高機能ガラスの進化を支えているのが、スパッタリングと呼ばれる表面処理技術だ。この分野での豊富な技術蓄積と開発力で、AGCは世界のガラス産業をリードしている。光の干渉による可視光線と熱線の選択透過機能や表面反射の低減機能など、高度な機能で差別化した新製品を、最先端の技術によって生み出しているのだ。

とりわけ近年、市場の高い期待を集め需要が伸びているのが、遮熱性・断熱性を高め、建築物の省エネルギー化に貢献する省エネガラスだ。また、建築物でのエネルギーの創出という観点で、ビルの窓やアトリウムの屋根といった場所に設置するBIPV(建材一体型太陽電池)も多くの注目を集めている。建築用ガラス事業でも、エネルギー問題・環境問題への貢献といった観点から、環境貢献型商品を最重点商品として位置づけてきた。

そして、単に省エネ/創エネに寄与する環境貢献型の製品を供給するだけでなく、それらを生産する全プロセスを環境保全の視点から見直すことや、サプライチェーンのなかでガラスをこれまで以上にリサイクルしていくことの検討、といったことも進めている。AGCは長い歴史のなかで培ってきたガラスの溶解成形における知見と技術を生かしながら、たゆまざる技術革新により、生み出す製品はもとより、ものづくりのあらゆる領域で環境対応を徹底している。それこそが世界トップ企業の果たすべき責任だと信じているからだ。

  • 内装壁面用カラーガラス

    内装壁面用カラーガラス

  • 遮熱性・断熱性に優れたLow-E複層ガラス

    遮熱性・断熱性に優れたLow-E複層ガラス

市場・営業体制

技術に精通した担当者が、
提案営業でソリューションを提供

安全性、省エネルギー、創エネルギーなど、ガラスが多彩で高度な機能を獲得する一方で、ガラスで大空間を構成するような建築物が求められる時代。複雑・高度化するニーズに、求められる以上のソリューションで応えるために重要となるのが、製品や工法についての広範な技術知識にもとづく提案営業だ。AGCでは、大手の都市開発デベロッパー、住宅メーカー、サッシメーカー、大手ゼネコンといった大口需要家に対して、技術に精通した営業担当者がキーマンとなり、顧客ニーズと製品とを結びつける提案営業を積極的に進めている。

ネットワークで情報共有しながら、
技術シーズと市場ニーズを直結

営業担当者の役割は、技術、製品、マーケット情報を適切かつタイムリーに結びつけ、AGCの多様なリソースを生かし、お客さまの要望を実現することで価値を提供していくことだ。それは、AGCの固有技術とお客さまニーズをマッチングさせるビジネスを構想し、仕掛けていくことでもある。合わせガラスを防犯ガラスとして大手住宅メーカーに提案したり、官公庁に対して防災ガラスとして提案したり。営業の発想次第で、お客さま、ひいては社会への貢献に結びついていくのだ。こうした営業担当者一人ひとりの思考力や行動力を組織として結集させることが、熾烈な競争に打ち勝つ強さの源泉となる。

ブラジルにおける最新鋭の環境配慮型工場

ブラジルにおける最新鋭の環境配慮型工場

将来展望

グローバルにビジネスを展開、
多様な価値観・文化を尊重しながら、
新興地域の発展にも貢献する

建築ガラス アジアカンパニー/欧米カンパニーでは、地域特性に合わせた商品開発・生産・営業活動を展開している。世界14ヵ国にフロート板ガラス溶解窯を保有し、フロート板ガラスで世界屈指のシェアを確保している。この地位に安住することなく、将来にわたって世界トップクラスの地位を維持・向上していくために、各部署/各地域が一体となって、競争力を日々強化してきた。そのなかで欧州、日本・アジアなどの地域間の技術交流もますます活発になっている。

一方で、急速に経済発展を遂げる新興国での生産能力拡大・市場参入にも力を注いできた。2013年に参入したブラジルの市場では2019年にフロートガラスの生産能力を倍増。また、建築ガラス用コーティング設備においては2016年にサウジアラビア、2018年にはインドネシア・ブラジルにおいて新設備の稼働が始まっており、高機能ガラスの普及が進む新興国においてもビジネスを成長させていくことにチャレンジしている。
市場開拓にあたってはそれまでの慣習にとらわれない多様な発想とともに、地域ごとで異なるニーズへのきめ細かな対応が求められる。現地スタッフと協力しながら、多様な価値観・文化を持ったチームの一員として成果を出すことが、技術者や営業担当者の喜びになるだろう。

AGCは今後も、豊富な経験と最新技術を生かし、環境貢献型商品も含む高付加価値商品の提供を通じ、新興地域の発展に寄与していく。