先進機能ガラス事業

2018年1月から電子カンパニーの一員となった先進機能ガラス事業は、スマートフォン・タブレット端末の電子機器用カバーガラス、太陽電池用ガラス基板など、先進的・機能的なガラスの分野での成長が期待されている。

製造・生産技術

電子・ガラス・化学、多様な知見にアクセスし、
ガラスの新たな可能性を切り拓く

現在の主力製品は、大きく2つの製品群に分かれる。まずはスマートフォン・タブレット端末のカバーガラス、タッチパネル用ガラス、TN-STN液晶ディスプレイ用ガラスなどの電子用ガラス分野。そしてもう一つの製品群は、太陽光発電用ガラス、太陽熱発電用ガラスなどのソーラーガラス分野だ。開発は日本で行い、製造は日本、中国、タイなど国内外に拠点を構えている。さまざまな組成を大量生産できるフロート窯を有しており、そこから今後も先進性と機能性に磨きをかけた多種多様な製品群が生み出されていくことになる。

AGCグループの強みは、100年以上にわたる事業活動を通じて蓄積した、ガラス、化学など多様な事業領域にわたる技術・ノウハウと、建材、自動車、エレクトロニクスなど幅広い産業界にグローバルなアクセスチャネルを有していることだ。こうした多様性に富んだ「アセット」(資産)と「マーケット」を自在に組み合わせてガラスの新たな可能性を切り拓いていくことが、先進機能ガラス事業の重要な使命である。

その使命を果たすため、同事業は必要に応じてAGC全グループと協業していく。例えば特殊ガラスの表面加工で化学的な知見が必要となれば、化学品カンパニーとも連携することになる。ガラス・電子・化学品という多様な関連部署や研究所に自由にアクセスしつつ、イノベーションを生み出していく。それが先進機能ガラス事業本部という「柔らかい組織」なのである。

ブラジルにおける最新鋭の環境配慮型工場

市場・販売体制

「人」と「技術・ビジネス」を
自由な発想で結びつける

先進機能ガラス事業が世に送り出している製品は、スマートフォン・タブレット端末向けの表面保護用のカバーガラス、高強度・軽量のソーラーガラスなどの化学強化用特殊ガラス、タッチパネル用ガラス基板、薄膜太陽電池基板……など、高付加価値の特殊ガラスだ。開発・製造・販売まで一貫して自らが受け持つ製品もあれば、素材供給だけにとどめて他の事業部門で製造する製品もある。製品によって、あるいはビジネスによって、どこまで関与するかは異なる。既存のマーケットや製品群に縛られることなく、市場調査・開発・製造・営業の各部署が活動し、ビジネスを探索・創出・展開していく。そこに、先進機能ガラス事業のユニークさがあるといえるだろう。

したがって仕事の醍醐味も、社内外の情報・人財・アセットに幅広くアクセスして、新しいガラス製品を生み出す活動に携わることができる点にあるといえる。自らが製品開発のプロジェクトを提案して、必要に応じて自動車、化学品、建築など他部門の関連部署や研究所を巻き込んでプロジェクトチームを組織し、ビジネス化までの全プロセスをハンドリングしていく。そこで求められるのは、専門分野の深い知識に加えて広範な分野の素養を併せ持つ能力だ。また、多方面の部署とコラボレートして事業創出を行うには、「人」と「技術・ビジネス」を結びつける発想力、コミュニケーション能力や交渉力などの資質も重要になってくる。

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将来展望

「薄く、軽く、強いガラス」で
幅広い産業にソリューションを提案する

今後の事業の柱となるのは、スマートフォンやタブレットPCに使われるカバーガラス向けの化学強化ガラス「Dragontrail®(ドラゴントレイル)」、薄膜太陽電池基板……など。先進機能ガラス事業では、これらの製品をさらに大きく育てていく計画だ。ただし、スマートフォン・タブレット業界は市場の変化が激しく、ニーズも多様化している。単に「割れにくい硬いガラス」というだけではなく、アンチグレア(防眩)などの表面処理、3Dカバーガラスなど、デザイントレンドを踏まえたガラス加工性など、顧客の課題にソリューションを提供できる技術開発も進めている。一方、先進機能ガラス事業では顧客ニーズを超えて、さらにマーケットの先を見ながら開発に挑んでいる。既存の市場・用途に新たな製品・技術・サービスを提供していくだけでなく、新たな市場・用途を開拓していくことも先進機能ガラス事業の目指すところだからだ。キーワードは「薄く、軽く、強いガラス」。これまでにない特殊ガラスの開発・製造・販売を通じて、人びとのライフスタイルを大きく変革する製品群を創出していく。「薄く」ということでいえば0.2mm、0.3mmといったモバイル電子機器のタッチセンサー用途の薄板ガラスまで量産している。こうした高度な技術の数々が、新たな市場、新たなビジネスに活用されはじめている。

先進機能ガラス事業は、今後もさまざまな技術・知見を組み合わせ、自由な発想ができる柔らかい構造の組織という強みを生かして、建築や自動車、ディスプレイや電子機器、社会インフラなど幅広い産業に、ガラス・素材メーカーならではのソリューションを提供していく。顧客の課題や社会課題にまっすぐ向き合うことでビジネスチャンスを見出し、新たな価値が創造できることを、先進機能ガラス事業はこれからも証明していくことだろう。