商品開発研究所

マーケット視点に立ち、
新商品の創出と技術課題解決に挑む

技術の進化・深化を目指す先端技術研究所に対して、商品開発研究所はその名の通り、新商品の開発が目的だ。そのために「マーケットと開発をつなぐ」というアプローチをとる。まず技術ありきではなく、マーケット視点から技術に向き合う開発集団だ。

マーケットが待望する「商品」の創出を

どんなに優れた製品も世の中にニーズがなければ受け入れられない。商品開発研究所が「製品」ではなく、「商品」を名乗る理由はそこにある。マーケットニーズに応える付加価値を備えた「商品」を創出するのだ、という意気込みを持ってネーミングされたのだ。あくまでもマーケット視点で、多様な技術を融合しながら新商品を創出し、既存商品の技術課題を解決していくこと。それが商品開発研究所の使命だ。

マーケットと開発をつなぐ

マーケットは今、何を求めているのか、そのニーズに応えるにはどんな技術が必要なのか――マーケット起点の発想で商品開発研究所では4つのグループが開発にあたる。すなわち、1)価値創造グループ、2)事業創出グループ、3)新商品第1グループ(機能ガラス・先進ガラス)、4)新商品第2グループ(ケミカルズ・エレクトロニクス)の4グループだ。概ね1)→2)を経て、技術の特徴をふまえて3)または4)という流れで商品・事業の具体化が進んでいく。
起点となる価値創造グループでは、事業を展開する各カンパニーのその先にあるマーケットが何を求めているかを第一に考えて新商品の開発テーマを探索・創出し、それが事業化できるかどうかを検討する。ゼロからテーマを生み出して、そこから事業化するまでのシナリオを構築していくのだ。そのため社内外のネットワークから情報、ヒントを得て、シナリオの実現可能性を吟味する。実験室にこもっていたのではなし得ないミッションだ。

  • 世界中の人々の暮らしを支える独自の素材・ソリューションを開発し、提供する

モビリティ・エレクトロニクス・ライフサイエンス分野に挑戦

モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンス──AGCの3つの戦略事業分野は、商品開発研究所にとって最もホットな開発フィールドだ。

モビリティ分野 自動車産業では今、「自動運転」というパラダイムシフトが起こりつつある。いうまでもなくAGCは自動車ガラスを供給するサプライヤーだ。ウィンドシールドは自動車の表面積の多くを占める「一等地」。これまでも紫外線カットや超撥水ガラス、内蔵アンテナなど高付加価値化でガラスの機能を高めてきたが、「自動運転」では新次元の機能がガラスに求められる。自動車の内と外を隔てる透明材料としてのパッシブな存在から、ドライバーに必要な情報を表示・提供するサイネージとしてのアクティブな存在へ。安全走行に積極的な役割を果たすことに加え、移動手段から快適空間を演出する重要コンポーネントとして進化発展が期待されているのだ。自動車のみならず、世界の産業、そして社会をも変えうる革命ともいわれている「自動運転」に、AGCは積極的に関与していく。
エレクトロニクス分野 IoTが社会を大きく変えようとしている。あらゆるものがインターネットに接続され、情報交換することで新たな価値が生まれる。ガラスも例外ではない。どこにでも存在するガラス素材がIoTと組み合わさることで、コニュニケーションの場となり、どんなモノやサービスが生まれるのか、あるいは生み出していくべきなのか。商品開発研究所はマーケティング力と技術力を結集し、開発を加速している。
ライフサイエンス分野 医療・医薬品の世界では、バイオ医薬、再生医療、予防・診断へと急速なトレンドの真っただ中にある。バイオ医薬分野の酵母を利用した組み換えタンパク質では国内最大級の培養器を有し、受託製造事業を進めてきているが、今後の再生医療や予防診断で必要となる種々の技術を保有しており、それらを組み合わせることで画期的な製品・サービスの提供が可能となる。例えば、ガラスはさまざまな診断キットのベース素材となり得る潜在力を有している。ガラスにコーティング、膜設計、微細加工などの技術を駆使することで、診断手法の拡大や診断精度の向上を目指している。

“知のるつぼ”が新規ビジネス・商品を創出する

従来の技術・手法の延長線上に「解」が求めにくい「非連続な成長」の時代には、ものの見方や行動、さらには組織構造までを、新しい視点から考え直すことが必要だ。商品開発研究所では、異なる分野のスペシャリストが交流し、それぞれの技術や知見を融合させる「知のるつぼ」化によって、イノベーションを生み出そうとしている。
そのため商品開発研究所では、「協創」をキーワードに外へ向かうことを奨励している。指示を受けることなく若手社員が社内のみならず、自ら外部企業の研究所や機関を訪れ、異分野のスペシャリストと触れ合うことで刺激を得て、新規ビジネスの発想や技術のブレークスルーを促そうというものだ。
ビジネスチャンスをタイムリーに捉えるため、商品開発研究所では社外の大手メーカーの技術部門との交流にも積極的に取り組んでいる。互いの得意とする技術を組み合わせるだけではなく、マーケット起点でまず新規ビジネスの大きなデッサンを描き、その構想のなかで必要な技術を洗い出し、2社で足りなければ第3、第4の企業の参加も求めて、アライアンスを構築していく。そんな共同プロジェクトを起こし、牽引していくことも商品開発研究所の役割だ。

ゼロを1にする創造的開発を目指して

AGCが挑む戦略事業分野は今後、成長が見込まれるだけに競争が激しく、技術の進展が速いため商品サイクルが短いものも多い。先手を打って事業化し、業界標準をつくりあげた者のみが市場の勝者となる。ゼロを1にする創造的な開発で世の中を変えたいという人財にとって、商品開発研究所にはベンチャーにも通じる未知の可能性が広がっているといえるだろう。自身が心血を注げる分野で一番手になりたい、第一人者を目指したいという若者にとってチャンスあふれる環境であることは間違いない。

社内もつなぐ

社内もつなぐ

マーケットと開発をつなぐためには、社内もつなぐことが必要。“ATEX”と呼ぶ社内向け展示会や、研究員がアイデアを直接カンパニーへ提案する“ゴングショー”などを開催し、つなぐ機会を創り出している。

研究開発のマネジメント

商品開発研究所での研究開発テーマはステージゲート法によりマネジメントされており、テーマの進捗状況に合わせたメリハリのある判断ができ、アイデア段階のテーマ創出を活性化し、独創的な提案が出せるような仕組みになっている。同時に、外部から取り入れるべき技術なども明確化されるため、リサーチ・コラボレーション、留学、派遣、投資などの手法を用いたコラボレーションも活性化されている。
さらに、ステージゲート法を用いることにより、それぞれの開発ステージにおける判断基準が共通言語化されるため、各カンパニーや事業部とのコミュニケーションがスムーズになり、研究開発テーマへの人財、資金、物的資源の投入タイミングを適切に判断することが可能となっている。

  • 研究開発のマネジメント