今や省エネは社会的な課題となっており、スーパーマーケットやコンビニなどへの節電要請が高まっています。一般的には、スーパーでの消費電力の30%~50%程度が冷蔵・冷凍用のショーケースの電力として使われていると言われています。今回は、節電活動に一役を担っているAGCの製品をご紹介します。
ギモンその1冷蔵・冷凍用のショーケースって?
「冷蔵・冷凍用のショーケース」とは、スーパーやコンビニで食品や飲料、アイスや冷凍食品などを冷やして陳列するためのケースのことを言います。
一般的に、「オープン型」と「クローズ型」に分けられ、用途によって使い分けられています。
用途:チルド品、乳製品、菓子類など
メリット:商品を取り出しやすい。
冷凍食品でもオープン型を使用。日本では主流。

用途:冷凍食品など
メリット:外気の影響を受けにくく、電力消費が少ない
冷凍食品の消費量が多いアメリカで主流。

商業施設の省エネ要請に応じてクローズ型の需要が高まっており、AGCはこのクローズ型の扉を作っています。
ギモンその2ショーケース用ガラスドアはどうして曇らないの?
冬の時期、暖かい部屋にいると窓が曇りますよね?室内と室外の温度差が大きい時に起きる現象です。ショーケース用ガラスドアも同様に、ドアの内側と外側で温度差が大いため、普通のガラスだと曇って中の商品が見えなくなってしまいます。ですが、実際のショーケースのガラスは曇っていません。
ではなぜ曇らないのでしょうか?ショーケース用ガラスドアは特殊な「複層ガラス」を用いているからです。一般の「複層ガラス」は2枚もしくは3枚のガラスの間に中空層があるガラスですが、ショーケース用には外側のガラスに電気を通し温めることができるガラスを使用しています。これにより、大きな温度差がある場合でも曇りを防ぐことができます。ただし温めるために電力を消費するため環境への負荷が高くなってしまうという一面もあります。そこで内外の温度差が比較的小さい冷蔵用ショーケース用には、外側に電気を通さないタイプもありました。
しかし冷凍用は温度差が大きいためこれまでは通電タイプのみでしたが、AGCは2011年に日本初の無通電タイプの冷凍用ショーケース用ガラスドア「ウィンドア®」 を販売開始しました。


ギモンその3AGCのショーケース用ガラスドア「ウィンドア®」の特長ってなに?
複層ガラスの構造で空気層を作ることに加えて、ドアに特殊コーティングガラスを使用し、断熱性能を格段に高め電気を流さずにドアの曇りや結露を防ぎます。また、通電タイプのドアと比較して約74%の消費電力を削減し、環境にも優しい省エネなショーケース用ガラスドアが実現しました。

今日の日本国内のスーパーやコンビニで、使われているショーケース用ガラスドアの半数以上が無通電タイプになります。特に営業時間の長いコンビニでは電気使用量を抑えるために、無通電タイプのショーケース用ガラスドアの導入が進んでいます。
AGCは、身近なところで環境に優しい製品を作っているのです。
