九州を周遊する日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州(以下、ななつ星)」。
総工費約30億円をかけて製作された豪華寝台列車には、多くのAGC製品が使用されています。
ギモンその1ななつ星って?
ななつ星のコンセプトは、「九州一周を旅する豪華寝台列車」。そして、名前の由来は九州の七つの県(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県)と、九州の主な7つの観光素材(自然、食、温泉、歴史文化、パワースポット、人情、列車)、そして7両編成の客車を表現しています。

ギモンその2ななつ星の内装のこだわりって?
ななつ星の競争相手は、ヨーロッパの豪華寝台列車である「オリエントエクスプレス」や、世界各地のホテル、リゾート地です。「懐かしくて新しい」というデザインコンセプトのもと、ななつ星は作られ、見た目はクラシックでありながら、それを支える技術は最先端でなければならないという使命が与えられました。
そこで使われたのがAGCのガラス製品。透明感や質感、重なった時の連続する美しさが、高級感の表現やドラマチックな光景の演出に貢献しています。
その中でも、エッチングガラスは車内各所に使われ、「懐かしくて新しい」をかもし出すことに一役かっています。

ギモンその3ななつ星のどこにAGCの製品が使われているの?
列車の各所で、エッチングガラスが使用されています。その中のいくつかをご紹介いたします。
内装
列車内の各所内装にエッチングガラスが使用されています。透明感や重なった時の奥行き感が列車内をドラマチックなものとしています。
客室入口
客室の入口の扉にもエッチングガラスが使用されています。扉にガラスを用いることで、客室の外を見渡せることができ、客室の中にいながら両側の景色を楽しむことができます。さらに、客室を広く感じさせる効果もあります。
列車内の扉
全ての扉ひとつひとつにデザインの異なるエッチングガラスが使われているので、車内の端から端を見て楽しむことができます。
側面窓
列車の側面窓にはLow-Eペアガラスが使用されています。Low-Eペアガラスは、夏場は太陽からの熱をさえぎり、冬場は室内の熱を逃がさないので、車内の室温を一定に保つ効果があります。車窓を楽しむ時に、欠かせないガラスです。
ギモンその4エッチングガラスって?
エッチングとは、一般的に薬品による腐食作用を利用した表面加工方法です。
エッチングガラスの場合は、サンドブラスト※1で自由な形にガラス表面を削った後、フッ化水素酸※2で後処理をします。これによって、きめ細やかな装飾を施したり、光をやわらかくコントロールすることができるガラスが作られます。
エッチングガラスは一般に、幾何学模様や彫刻的な模様を主体とした、装飾ガラスとして使われます。ななつ星では、特殊な加工を施すことで、きらびやかな模様を作り上げています。
※1 サンドブラスト:砂状の研磨剤をガラス表面に吹き付け、ガラス表面をすりガラス状に削っていく技法
※2 フッ化水素酸:ガラスを溶かす性能のある毒性の強い液体。

他にも運転席やラウンジなど、色々なところにAGCのガラスが使われています。
AGCのガラス製品が、ななつ星の豪華で快適な車内空間作りに貢献しています。