宿主(分裂酵母)

分裂酵母(S. pombe)について

宿主・分裂酵母 Schizosaccharomyces pombe (S.pombe) の由来

分裂酵母 Schizosaccharomyces pombe (S. pombe) は、子嚢菌類に属する単細胞真核生物で、その起源は相当に古いと推定されますが、世の中に知られるようになったのは1890年代に東アフリカのミレット・ビール(スワヒリ語で pombe)から単離され、欧州に報告されてからになります。その名前の頭のSchizo-は「分裂」を意味し、よく知られているSaccharomyces cerevisiae (S. cerevisiae) 等の一般的な酵母が「出芽」と呼ばれる細胞増殖を行うのに対して、動植物と同様の「分裂」方式によってその細胞数を増やします。すでに遺伝的解析がよく進んだ酵母でもあり、その分裂の様子等が高等生物と類似していることから、細胞分裂のモデルとして分子遺伝学、細胞生物学の分野で盛んに研究用に用いられています。分裂酵母 S. pombe のゲノムの塩基配列は、2002年に6つめの真核生物としてほぼ完全に解読されました。その3本の染色体からなるゲノムの長さは合計約14 Mbであり、遺伝子の総数は約5,000個と予想されています。これは、出芽酵母 S. cerevisiae に比べ1000個ほど少なく、特にヒトの疾患に関連するとされている遺伝子のうち約50の遺伝子が S. pombeにも存在するとして、注目を浴びています。また、S. pombe を用いた細胞周期の開始を制御する cdc2 遺伝子研究でPaul Nurse博士が2001年にノーベル医学・生理学賞を受賞しています

  • 【分裂の連続写真】動画 (8秒 mpeg形式 432kB)

撮影・ご提供:(独) 情報通信研究機構 未来ICT研究所 平岡泰博士

S. pombe の主な特徴
  • 1) cdc2 をはじめ、哺乳類の細胞周期に関与する遺伝子をよく相補する。
  • 2) ほかの子嚢菌類に比べ、早い時期に進化系統的に別の道を歩んできた。
  • 3) hCMVやSV40等の哺乳動物プロモーターが機能する。
  • 4) 高等動物に類似した転写機構を持つ。
  • 5) 遺伝子に含まれるイントロンの頻度が高く、 40%以上の遺伝子に見られる。
  • 6) 細胞内情報伝達系やレセプター機能研究のよいモデルとなっている。
  • 7) ガラクトースや酸性の糖鎖附加を含め、ユニークな翻訳後修飾が可能である。

上述の事実は、 S. pombe が他の酵母と異なり、高等動物由来遺伝子の組換え発現に特に高いポテンシャルを持っていることを示唆しています。

分裂酵母の安全性

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)において、 S.pombe は認定宿主ベクター系として示されており、安全確保のための基本的要件を満たしています。また、微生物安全情報データ(2002年3月29日現在、5,816件)の長期利用微生物参考データにもSchizosaccharomyces pombe が子嚢菌酵母で果実類(リンゴ、ブドウ)・食品(グレープジュース、パームワイン、サトウキビ、シロップ)などに利用されていることが示されています。

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