AGCグループが歩んできた110年の歴史。各時代に提供した価値と未来への挑戦

Chapter 1

1907-1945

近代国家へ変貌を遂げる日本に、国産の板ガラスを

1907年、岩崎俊彌は板ガラスの国産化を決意し、旭硝子株式会社を設立。苦難の末、アジア最大の板ガラスメーカーへと成長させた。また、板ガラス生産に不可欠なソーダ灰や耐火煉瓦の製造へと事業を拡大。創業当時から「不屈のチャレンジスピリット」で様々な価値を提供してきた。

1907-1909

板ガラス国産化を実現させた

(上)始業当時の鶴見工場の職員
(背景)ラバース式時代の鶴見工場
旭硝子株式会社 設立

各社が板ガラス国産化に失敗するなか、兵庫県尼崎に板ガラス工場を建設。1909年から板ガラスの国産化が始まった。

ヒストリー ヒストリー

1916

国内基幹産業の発展に貢献

ニューマチック・ランマー法による大形煉瓦の成形
耐火煉瓦事業進出

ガラス熔解槽窯には輸入の耐火煉瓦が使われていたが、安定的に板ガラスを製造するため、自給体制を確立。新規に立ち上がった耐火煉瓦事業が加わり、鉄鋼やセメントなどの日本の基幹産業の発展を支えた。

AGCセラミックス株式会社

1917

化学製品の自給生産へ。
人々の食生活にも浸透

「促肥素」の広告看板
日本初のソーダ灰生産に挑む

第一次世界大戦により、化学製品の輸入が困難に。板ガラスの原料であるソーダ灰の製造方法を独自開発し、事業化。ソーダ灰の副製品である飲料用重曹や野菜の促成栽培に効果がある「促肥素」などを販売し、日常生活の一部を支えていく。

化学品事業サイト

1933

80年以上も続く、社会貢献活動の原点

財団法人旭化学工業奨励会設立

創立25周年を記念し、財団法人旭化学工業奨励会(現・旭硝子財団)を設立。日本の化学工業分野発展のため、当時から現在まで研究費の補助・助成を実施。

公益財団法人旭硝子財団

Chapter 2

1946-1973

戦後復興、そして高度経済成長のなかで

第二次世界大戦の終結後、高度経済成長期には、高層ビル、自動車、カラーテレビなどの急激な需要成長に応えた。一方で、高度成長のひずみにより発生した公害問題に対する防止策を推進するなど、環境配慮への取り組みも一早く行った。

1950

テレビから自動車まで、
国民生活の一部を担うことに

(上)旭特殊硝子製造の管球ガラス
新事業へ進出

1950年代、街頭テレビでは力道山の試合が観戦され、NHKの本放送が開始。マイカーブーム、テレビブームに先立ち、自動車用ガラス、ブラウン管テレビ用ガラスなどの新事業へ本格参入。一家団欒のシーンに登場し、新時代のライフスタイルを支えた。

製品情報 製品情報

1956

インド経済の発展にも寄与

インド旭硝子(インド)
戦後初の海外生産拠点はインドに

インド政府から地場企業救済の要請を受け、他の日本企業に先駆けてインドに生産拠点を設置。インド経済の発展に寄与した。

グループ企業

1964

撥水スプレーから農業用ハウスまで、もっと便利に暮らせる商品を提供

(左)撥水撥油剤「アサヒガード®」スプレー缶
(右)フッ素樹脂フィルム「エフクリーン®」(「アフレックス®」)
フッ素化学品事業を展開

クロロメタンやフロン製造を皮切りに、フッ素化学品事業を開始。撥水撥油剤「アサヒガード®」やフッ素樹脂フィルム「エフクリーン®」などのヒット商品も生み出した。

化学品事業サイト

1966

ビル、住宅、自動車、鉄道車両など、
いつもの場所に、豊かな日常を提供

(上)フロートガラス大板の検査
(背景)鶴見工場のフロートガラス徐冷ライン
新技術 フロート法の導入

大型ビルの建設ラッシュや個人住宅の建設活発化により、板ガラスの需要が拡大。フロート法により、幅3m、高さ10m超の大型板ガラス生産も可能に。建築様式の多様化へ対応した。

建築用ガラス 建築用ガラス

トヨタ・カローラの大ヒットと共に、人々のカーライフをサポート

サイドガラスに4mmの曲げ強化ガラスを採用したカローラ
業界初のガス炉導入で、自動車用強化ガラスの大量生産が可能に

大衆車時代の幕開けを象徴した車種のひとつとなった、トヨタ自動車のカローラ。そのデザイン性の高いサイドガラスを生産できたのは業界初でガス炉を導入した川崎工場だけだった。

自動車用ガラス

Chapter 3

1974-1990

企業体質の強化と多様化・国際化への道

第一次石油危機による物不足や燃料費高騰に対応し、生産の合理化や効率化を推進。再び日本経済が上昇した1980年代には、自動車生産、エレクトロニクス産業、フッ素樹脂製品など、様々なニーズに応え更なる成長を果たした。

1981

ガラス王国ベルギーの伝統を継承し、中・東欧市場にもAGCの価値を提供

(上)グラバーベル社に現存する往時の作業風景の写真
(背景)グラバーベル社のムスティ工場(ベルギー)
グラバーベル社買収

ガラス製造技術の師というべき存在だったベルギー・グラバーベル社を買収。常に世界市場を視野に入れる伝統的な経営精神を受け継ぎ、西欧のみならず中欧や東欧への拠点展開。グラバーベル社の更なる成長にも貢献し、市場を活発化させた。

グループ企業 グループ企業

1985

表示端末のデジタル化のニーズに対応

(左上から)液晶(電卓)、溶融石英ガラス、フリットペースト
(左下から)TFT液晶用ガラス基板「AN 100」、IC厚膜印刷製品、ガラスディレーライン
エレクトロニクス事業の開花

1980年代に革新的な熔解技術の開発をめざし、専門チームを組成。現在のスマートフォンや高精細ディスプレイ用のガラスを生み出す起点となった。

電子部材

1986

オハイオ州にも経済効果をもたらした

(写真)APテクノグラス オハイオ工場(アメリカ)
北米市場の開拓

アメリカ最大の板ガラスメーカーと合弁で、オハイオ州ベルフォンテンにてAPテクノグラス社を設立。自動車用ガラス生産を通じ地域発展に貢献し、市長から表彰された。

(写真)APテクノグラス オハイオ工場(アメリカ)
グループ企業 グループ企業

1989

世界を驚かせた新技術で、
オゾン層と地球を守る

代替フロン開発

1985年、南極上陸で巨大なオゾンホールが発見され地球環境問題が深刻化。それを受け、代替フロン「アサヒクリンAK-225」開発し世界各国で高い評価を獲得。

化学品事業サイト

Chapter 4

1991-2007

真のグローバル企業への躍進を目指して

バブル崩壊後、本格的にグローバル企業としての躍進を目指す。一方、地球環境国際賞「ブループラネット賞」の創設や代替フロン製品の生産など、環境問題に積極的に取り組む。

1991

未来の地球に対してできることを

(左)受賞者には賞状・トロフィーならびに副賞賞金5,000万円を贈呈
(右)美しい地球の“水と大気”をテーマに製作されたトロフィー
旭硝子財団 ブループラネット賞創設

1992年、地球環境問題の解決に向けて貢献した個人・組織に対し、その業績を称える地球環境国際賞「ブループラネット賞」を創設。長年に渡り、地球環境問題解決に取り組む人々を応援し続けている。

旭硝子財団 ブループラネット賞 旭硝子財団 ブループラネット賞

1996

新技術のテレビを通じ、
新たな感動を届けた

ソニー製のWEGA
大型平面ブラウン管パネル開発

テレビ大型化時代の突入に伴い、世界初となる大型平面ブラウン管パネル「トリプレッド」を開発。ソニーのWEGAに採用され、消費者のテレビライフがより華やかに。

2000

たんぱく質から環境対策まで
もっと豊かな世界を目指す

(左上から)「ルキナ」ケーブル、「新型電気二重層キャパシタ」、定置式DPF「エコセーフ」
(左下から)「定置式ディーゼルエンジン用黒煙除去用セラミックフィルター」、ビスマス系エルビウム添加光ファイバー増幅特性評価、「アスペックス」(酵母)
21世紀に向けた新規事業

光エレクトロニクス、ライフサイエンス、環境、エネルギーなど、未来への可能性を秘めた新分野の素材ソリューションを提供。変化し続ける日常を一緒に築いている。

Chapter 5

2008-2017

多様化する世界の暮らしに貢献するため

常に変化する生活スタイルに合わせ、デジタルデバイス向けガラスなど新製品を開発。2015年、様々なステークホルダーにプラスの価値を提供する経営方針AGC plusを策定。2016年から、コア事業と戦略事業の強化・拡大により“2025年のありたい姿”の実現を目指す。

2011

毎日使うスマホやデバイスを、
傷や衝撃から守ることができた

強度試験(3点曲げ試験:ガラス板厚1.1mm)
化学強化用ガラス「Dragontrail®」を販売

電子機器用カバーガラスとして、薄く、強く、軽い化学強化用特殊ガラス「Dragontrail®」の販売を開始。スマホなどのモバイルデバイスのカバーガラスを通し、現代人のライフスタイルを支えている。

Dragontrail®

ドライバーを紫外線から守る

「UVベール Premium Cool on®」を販売

世界初となる、肌に優しい自動車ドア用強化ガラスが誕生。紫外線を約99%カットし、運転中の日焼けを気にする女性の肌を守っている。

99%UVカットガラス 99%UVカットガラス

2013-2015

身の回りのものが全てディスプレイに、の実現に貢献

東京・新丸の内ビルディングに採用。55インチの液晶ディスプレイを貼り付け、広告宣伝映像を配信している。デジタルサイネージアワード2015「技術・ハード部門」を受賞
ガラスサイネージ「infoverre®」「Glascene®」を販売

ガラスに直接貼合が可能で、狭いスペースにも設置できる「infoverre®」や、プロジェクターの映像を表示できるガラス製透明スクリーン「Glascene®」を開発。様々な場所に点在するガラスが、情報を発信するインターフェイスとして新たな役割を担うことに。

新規事業開拓

2017

タッチパネルやガラスが、快適に使えるように

SURECOロゴ
SURECO®
高機能フッ素系コーティング剤「SURECO®」のグローバル販売

薄膜ながら高い摩耗耐久性を持ち、指紋ふき取り性にも優れているSURECO®。タッチパネルのカバーガラスやレンズ、鏡などに加え、樹脂、金属へのコーティングにより、汚れを防ぎ、人々の利便性を高めている。

化学品事業サイト

FOR THE FUTURE

FOR
THE FUTURE

時代の変化と人々のニーズに応え、様々な価値を創造してきたAGC。今この時も、未来における新たなベネフィットを生むため「不屈のチャレンジスピリット」で挑戦を続けています。

2030年のありたい姿
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