2017年10月23日製品リリース

地球温暖化を抑制する環境対応型新冷媒「AMOLEA® 1224yd」の国際認証を取得

AGC旭硝子(旭硝子株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)が事業化を進めている環境対応型新冷媒「AMOLEA® 1224yd」が、2017年10月に米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE) *1 の承認を取得しました。日本企業として初めての、新規化学物質での承認取得となります。当社は2018年初頭に「AMOLEA® 1224yd」の商業生産を開始予定で、今後も継続して需要伸長に応じた供給体制を構築していきます。

「AMOLEA® 1224yd」は、ターボ式冷凍機・バイナリー発電機・排熱回収ヒートポンプ等を主要用途とした、不燃性の環境対応型新冷媒です。従来冷媒HFC-245faの代替製品として、同等以上の冷媒性能や安定性を持ちながら、地球温暖化係数GWP*2を1000分の1となる「1未満」まで抑えました。新規機器への適用はもちろんのこと、既存機器でも仕様によっては大幅な改修なく、冷媒を「AMOLEA® 1224yd」へ交換可能であり、地球温暖化抑制に貢献する環境技術を簡易に導入いただけます。

ASHRAEは、暖房・冷房・空調・冷凍などに関わる国際的な学会で、新規冷媒の場合、ASHRAEにより安全性(燃焼性や毒性)が承認されていることが採用決定の前提の1つとなっています。「AMOLEA® 1224yd」は、国内外の多くの空調機器メーカー様から性能を高く評価されており、その一社として荏原冷熱システム株式会社様が、既に次期ターボ式冷凍機への採用を決定されています。今般のASHRAE承認を契機に、各種機器への採用が加速することを見込んでいます。

AGCグループは、経営方針AGC plusの下、地球温暖化を抑制する冷媒の開発や、環境問題に先進的に取組まれている機器メーカー様と実用化に向けた取組みを加速し、地球にやさしい冷凍・冷蔵・空調機器の早期実現に貢献していきます。


  • *暖房・冷凍・空等・冷凍等に関する米国の学会で、関連機器や冷媒等の性能や安全性等の規格を制定し、承認等の運用も担っている。 ホームページ: https://www.ashrae.org/home
  • *地球温暖化への影響を示す係数。自然冷媒の一種である二酸化炭素を基準にして、他の温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるかを表した数字のこと。

<ご参考>

■AMOLEA®シリーズとは■

現在、空調機器や自動車などの冷媒に使用されているハイドロフルオロカーボン(HFC)はGWPが高く、環境負荷が大きいことから、世界的に使用が見直されています。2016年11月には、HFCの生産、使用を段階的に削減する国際的に合意がなされました。AGC旭硝子が開発したAMOLEA®は、『冷媒や溶剤としての性能はそのままに、GWPを大幅に低減』をコンセプトとする次世代冷媒・溶剤ブランドです。

AMOLEAロゴ 冷媒や溶剤としての性能はそのままに、GWPを大幅に低減

■冷媒物性比較

  従来の冷媒
HFC-245fa
当社の新冷媒
AMOLEA®1224yd
オゾン破壊係数 ODP ゼロ 実質ゼロ*
地球温暖化係数GWP 1030 1未満*

*印:国立研究開発法人 産業技術総合研究所による測定値

■AMOLEA®シリーズ製品群について

一般名 製品名 用途
環境対応型新冷媒 AMOLEA®1224yd ターボ式冷凍機用冷媒
バイナリー発電機用作動流体
排熱回収ヒートポンプ用作動流体
環境対応型新冷媒 AMOLEA®1234yf 自動車空調用冷媒
環境対応型新冷媒 AMOLEA®X,Yシリーズ 家庭用エアコン、業務用エアコン用冷媒
環境対応型フッ素系溶剤 AMOLEA®ATシリーズ 各種洗浄剤、溶媒
本件に関するお問い合わせ先
AGC旭硝子 経営企画部 広報・IR室長 玉城 和美
担当:北野
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com