2018年08月30日製品リリース

5G高速高周波プリント基板用材料フッ素樹脂Fluon+ EA-2000の生産能力を大幅増強

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)は、主に5G*1高速高周波向けプリント基板用材料として使用可能な、フッ素樹脂Fluon+(フルオンプラス) EA-2000専用製造設備導入による生産能力の大幅増強を決定しました。2020年の5G本格実用化に向け今後見込まれる需要の大幅増加に対応するため、供給体制を新たに当社千葉工場に構築し、2019年9月より稼働を開始します。
あらゆるモノがインターネットに接続するIoTの時代を迎え、2020年を目途に5Gの運用が開始される見込みです。高周波帯を利用する5G向けプリント基板用材料であるCCL*2には、伝送損失*3の低い材料が求められています。 AGCのフッ素樹脂Fluon+ EA-2000は、耐熱性、電気特性などフッ素樹脂の優れた特性を維持しつつ、接着性・分散性をプラスした製品です。本製品を用いたプリント基板を使用した場合、既存材料に比べて伝送損失を30%以上低減することができます(28GHz帯で比較)。更に優れた接着性・分散性を持つため、お客様の加工形態によらずフッ素樹脂の優れた低伝損特性を活かすことが可能です。
EA-2000を用いた5G高速高周波プリント基板 EA-2000を用いた5G高速高周波プリント基板
出典:「日経エレクトロニクス2017年8月号」を元に当社が編集 出典:「日経エレクトロニクス2017年8月号」を元に当社が編集
またEA-2000の優れた低伝損特性は、フレキシブルCCL、リジットCCL共に適用が可能なため、スマートフォンなどのモバイル機器をはじめ、基地局、サーバー、車載用など様々なプリント基板に展開可能です。今後5G実用化に伴い需要の大幅な増加が見込まれることから、この度EA-2000の生産能力を大幅に増強します。

AGCグループは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」において、モビリティ及びエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付けており、中でも5Gを大きな事業機会と捉えています。今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化させ、次世代高速通信技術の発展に貢献すると共に、この分野で積極的に事業を拡大していきます。

■注釈
*1: 5G: 第五世代移動通信システム。「高速大容量」「超高信頼性・低遅延」「超大量接続」が要求特性。
*2: CCL: 銅張積層板のこと。(Copper Clad Laminate)
*3: 伝送損失: 通信線路上を流れる電気信号の劣化度合いのこと。

ご参考

■AGCのフッ素樹脂事業に関して■
AGCのフッ素樹脂事業は、Fluon®ブランドの下ETFE、PTFE、PFAをラインアップし、お客様の要求特性、加工条件に合わせて様々な要望にお応えしてきました。2018年7月1日より「当社のフッ素樹脂Fluonの製品と技術を用いてフッ素プラスアルファの価値と機能を提案します」を新たな方針として、Fluon+ブランドを立ち上げました。EA-2000は、Fluon+ ADHESIVEの一つとして、プリント基板用材料以外にも、コーティング・ライニング用材料やコンポジット材料として使用可能です。Fluon+ブランドのラインアップは以下の通りです。
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:北野
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com