2018年11月13日製品リリースその他リリース

紫外線による劣化を抑え、自己修復性を持つポリカーボネートシート「CARBOGLASS®LF」を開発

―高耐候性フッ素樹脂ルミフロン®コート付き―

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)は、高い耐候性と自己修復性を持つポリカーボネートシート「CARBOGLASS®LF」を開発しました。今後、本製品を遮音壁やフェンスなどの屋外設置物件向けに販売し、2019年より量産を開始する予定です。

ポリカーボネート(以下、ポリカ)は、透明かつ耐衝撃性に優れることから防護フェンスや道路の遮音壁などに使われる一方で、紫外線を浴びると劣化(耐衝撃性の低下、変色)するという短所があります。表面に紫外線吸収剤を添加させて保護層とした耐候グレード品も販売されていますが、これらの製品は紫外線を長時間浴びると保護層が低分子量化し、紫外線がポリカに到達して劣化してしまいます。

今回開発した「CARBOGLASS®LF」は、当社の開発した、被塗物の寿命を延ばす高耐候性フッ素樹脂ルミフロン®※1をコート樹脂※2に用いており、
 ・  紫外線を長時間浴びても保護層の紫外線吸収能力が落ちないため、耐衝撃性と透明度を長期間維持できる
 ・  時間の経過とともに微小な傷は自然消滅する“自己修復機能”をもつ
 ・  熱曲げしても表面にクラックが生じないため、より自由な形状デザインを可能にする
といった特長を持ちます。
熱曲げした「CARBOGLASS(R) LF」 熱曲げした「CARBOGLASS(R) LF」
本製品は2018年12月5日(水)~7日(金)に幕張メッセで開催される「第9回高機能フィルム展」に出展予定です。 (ブース番号は 4ホール16-48)
■詳細:http://www.filmtech.jp/

―注釈―

※1  AGCが開発した高耐候性塗料用フッ素樹脂で、被塗物を屋外環境から保護し、耐久性の向上に貢献します。1982年の上市以来、世界中の建築構造物に採用されています。

※2  AGCと塗料メーカーで共同開発したコート液。

― ご参考―

■耐衝撃性 【図1】
高出力の水銀ランプの光(紫外線)を3時間照射した際の耐衝撃性(衝撃吸収エネルギー)の変化をみると、ポリカシート単体(CARBOGLASS®クリア)や共押し品の耐衝撃性は照射前と比較して30%低下するのに対し、「CARBOGLASS®LF」の耐衝撃性は同条件の照射で10%程度しか低下しません。
■自己修復機能 【図2】
スチールウールでポリカのコート面に傷をつけた後、室温で放置すると傷が徐々になだらかになります。
(1μm以下の傷で実証済みですが、傷の種類によっては消えない場合もあります)
【図1】 紫外線照射による耐衝撃性(衝撃吸収エネルギー)の変化 【図1】 紫外線照射による耐衝撃性(衝撃吸収エネルギー)の変化
【図2】室温で放置(1分、10分)した際の傷の修復度比較 【図2】室温で放置(1分、10分)した際の傷の修復度比較
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:太田
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com