1998年11月24日経営リリース
フッ素樹脂事業合弁会社を100%子会社化
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、フッ素樹脂事業に関しICI社(本社:英国ロンドン、社長:C.M.スミス)と折半出資で共同運営してきた合弁会社「旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)」(AIF社)の株式の内、ICI社の保有する株式(全株式の50%)をすべて買収することで基本的に合意し、11月17日に覚書を締結しました。買収完了後、AIF社は旭硝子の100%子会社となります。
当社は1981年、ICI社との間でPTFE(四フッ化エチレン)樹脂事業に関し、AIF社を設立しました。PTFE樹脂はその優れた耐薬品性・耐熱性などによりフッ素樹脂の中でも最も広範に使用されている樹脂であり、その需要は全世界で年間約5万トン強、日本国内でも同8千トンに達し、全フッ素樹脂使用量の約6割を占めています。
用途としては、シート、チューブ、テープ等に加工され、半導体製造関連・自動車部品を始めさまざまな産業分野から家電・厨房用品まで幅広く使用されます。また、今後も他の材料にはない特性を持つ高機能材料として、需要の拡大が期待されています。
当社は、フッ素化学事業拡大施策の一環として、ICI社保有のAIF社全株式を買収すべくICI社と交渉してきました。このたび、当社の意向とICI社の事業再編方針が一致し、基本合意に達して覚書を締結したもので、99年早々の買収完了を目標としています。なお、買収完了後、社名を変更する予定ですが、新社名は現時点では決まっていません。
AIF社の完全子会社化により、当社は、PTFE樹脂事業と当社が従来から独自で製造・販売しているフッ素樹脂・フッ素ゴム事業をはじめとしたフッ素化学品事業と完全に一体化した事業運営が可能になります。今後、当社はPTFE樹脂事業をフッ素樹脂事業の中核とし、積極的に事業拡大を図って行く所存です。
以 上
《ご参考》
1.旭アイシーアイフロロポリマーズ株式会社の概要
(1)本社所在地 | 東京都品川区東品川二丁目2番20号 (天王洲郵船ビル14階) |
(2)工場所在地 | 千葉県市原市五井海岸10番地 (旭硝子千葉工場内) |
(3)社 長 | 武居 克幸(旭硝子社員) |
(4)資 本 金 | 12億円 |
(5)株 主 | 旭硝子 (50%)、ICI (50%) |
(6)売 上 高 | 68億円 (1997年度) |
(7)営業品目 | フッ素樹脂の製造 |
(8)設立年月日 | 1981年11月 |
(9)従業員数 | 61名 |
2.英国ICI社の概要
(1)社 名 | Imperial Chemical Industries PLC |
(2)本社所在地 | 英国 ロンドン |
(3)社 長 | C.M.スミス |
(4)資 本 金 | 727百万ポンド (1997年12月31日現在) |
(5)営業品目 | 塗料・素材・工業薬品など |
(6)売 上 高 | 11,062百万ポンド (1997年度) |
(7)従業員数 | 67,500人 (1997年12月31日現在) |