2018年02月05日経営リリース

EUV露光用フォトマスクブランクス供給体制を大幅増強 

AGC旭硝子(旭硝子株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)は、EUV露光用フォトマスクブランクスの供給体制を、グループ会社であるAGCエレクトロニクス (本社:福島県郡山市、社長:落合克成)において、本年より大幅に増強することを決定しました。

電子機器の高機能・小型化が進むにつれ、半導体チップの計算処理の高速化、データの大容量化、高集積化が求められています。そのためには半導体チップの回路パターンを微細にする必要がありますが、現行の光リソグラフィ技術*注1では、「7nm世代」と呼ばれる半導体デバイスの微細なパターン形成は、理論上難しくなっています。この微細なパターン形成の最有力とされているのが、EUV*注2露光技術です。

AGCはEUV露光技術で用いられるフォトマスクブランクス(以下EUVマスクブランクス)の研究開発を、2003年に開始しました。AGCの保有するガラス材料技術、ガラス加工技術、コーティング技術などを統合し、現在では「ガラス材料」から「膜材料」までを一貫して手掛けることができる、世界で唯一のEUVマスクブランクスメーカーとなっています。今後主流になるEUV露光技術の拡大を見据え、EUVマスクブランクスの供給体制を、グループ会社であるAGCエレクトロニクス社において、本年より大幅に増強することを決定しました。

AGCグループは、経営方針 AGC plus の下、エレクトロニクス事業を戦略事業のひとつと位置付けています。今後も大きな需要の伸びが見込まれるEUVマスクブランクス事業に対し積極的な設備投資を実施し、半導体産業の発展に貢献していきます。


*注釈
1) 光リソグラフィ技術:KrF(フッ化クリプトン)やArF(フッ化アルゴン)光源を用いて、LSI回路パターンをシリコンウエハ等に転写するプロセスのこと。
2) EUV:波長13.5nmの極端紫外線のこと。

<ご参考>

■AGCエレクトロニクス社について■

社名 AGCエレクトロニクス株式会社
資本金 300百万円
代表 落合 克成
本社所在地 福島県 郡山市
従業員数 600名(2017年12月末現在)
主な事業内容 半導体関連部材事業
光デバイス事業など
AGCエレクトロニクス社ビル

■EUVマスクブランクスについて■

EUVマスクブランクスとは、低膨張ガラス基板の表面に複数の組成から成る膜を積層した、「フォトマスク」の原版です。回路の微細化に伴い、EUVマスクブランクスに対する
・非常に小さなサイズの欠陥を限りなくゼロに近づけること
・非常に高い平坦度であること
といった要求水準は、更に高くなっています。

EUVマスクブランクス EUVマスクブランクス
EUV露光装置の概観図
本件に関するお問い合わせ先
AGC旭硝子 広報・IR部長 玉城 和美
担当:北野
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com