DESIGNART TOKYO 2021​
井村一登 at サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店 “opticalverse”​
素材/技術協力 UNOU JUKU by AGC株式会社​

UNOU JUKUはクリエイティブな思考を共に学ぶAGCの社内コミュニティです。コラボレーション企画として​DESIGNART TOKYO 2021で、アーティストの井村一登氏とサルヴァトーレ フェラガモ銀座本店のショーウィンドウの展示を行いました。テクノロジーを基軸にアートの視点を取り入れながら左脳と右脳の両側面から素材の新たな価値を探求しています。地球環境を考慮し、AGCグループの廃材を用いながら人々に感動を与え心の豊かさに通じる価値を生み出す、ガラスのアップサイクルに挑戦しました。クリエイティブな思考が素材の可能性を拡張し、サステナブルな社会につながる素材の未来を表現しています。​

開催情報

<タイトル>
DESIGNAT TOKYO 2021 井村一登 at サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店 “opticalverse”​
<日時>
2021年10月22日(金)~2021年11月15日(月)​
営業時間:12:00~20:00​
<会場>
サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店​
〒104-0061 東京都中央区銀座7-8-2​
<クリエイター>
井村一登​
1990年京都市生まれ。2017年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。​
2021年に個展「井村一登 展 mirrorrim」 (日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー)。同年、NONIO ART WAVE AWARD 2021 審査員特別賞名和晃平賞受賞。ハーフミラー、球体鏡、LED などを用いて視覚や認識にかかわる光学的作品を手がける。近年は、鏡の歴史とルッキズムに関心を寄せ、鏡の素材・技法を再構成し「自分が映らない」鏡を制作している。​
<コミュニティ>
UNOU JUKU​
クリエイティブな情報交換で右脳を活性化し、思考をアップデートするAGCの社内コミュニティです。価値観が多様化しVUCAと言われる混沌とした時代の今、正解のない課題を解くには右脳すなわちクリエイティブな視点が重要性を増しています。そこで、UNOU JUKUではクリエイターとの対話やものづくりを通じて多様な価値観に触れ、モノの価値について改めて考える機会を社内外に提供しています。​
<イベント>​
DESIGNART TOKYO(デザイナートトーキョー)とは、世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に、世界中から集まったアート、デザイン、インテリア、ファッションなどが多彩なプレゼンテーションを開催する、⽇本最⼤級のデザイン&アートフェスティバル。東京の街全体がミュージアムとなる10日間、街歩きしながら楽しめる分散回遊型イベントです。​
<インスタレーション>
展示|opticalverse​
自分が映らない鏡。​
無限に続く鏡。​
サルヴァトーレ フェラガモが提示するAutumn Winter 2021 コレクションテーマ FUTURE POSITIVE。​
これらが共鳴するオプティカルな宇宙をご覧ください。​
作品|window-ordered​
素材|3D曲面ミラー、ミラー(廃材)​
鏡は自分を映すものという固定観念を取り除いたとき、どんな新たな価値を見出せるでしょうか。井村一登氏の作品はハーフミラーとミラーの合わせ鏡によって光を多重反射させて空間に余白を感じさせます。その価値を最大化しようとしたとき、これまでにない3D曲面ミラーが生まれました。従来の凸面ミラーを使った作品に比べ、連続的な局面の折り重なりが妖艶な表現を生み出しています。使用しているミラーは微小な欠点を含む廃材であり、空間演出の用途に対しては大きな問題となりません。本作品は鏡の価値を改めて問い直すきっかけを与えます。​
作品|mirror in the rough​
素材|プライバシーガラス(廃材)​
1600℃で溶融したガラスを支える窯は徐々に劣化します。寿命が見えてきた窯は火を落とし、新しい窯を作るとともに最新の設備を導入し生産性を向上させます(冷修)。定常運転時に出るガラスカレットは原料として再利用されますが、冷修時に窯の底に溜まったガラスは一部が廃棄さることとなります。本来廃棄されるはずだったガラスの塊に特殊なミラー加工を施すことでアート作品に生まれ変わりました。主に自動車のプライバシー保護として用いられるダークグレーのガラスが重厚な印象を与えます。​
作品|momentite​
素材|光散乱ガラス、*Brightorb:3Dプリンタ用セラミックス(廃材を再資源化した原料)​
本展示に用いた新規開発素材の光散乱ガラスは、AGC特有の素材制御技術によりガラスの中に屈折率の異なるナノオーダーの粒子を均一に分散させることで作られます。この特殊な技術加工により、太陽光に見立てた白色光を当てたとき、光の波長よりも小さい粒子によって短波長の光(主に青色)が選択的に散乱されます。この現象が自然界でいう赤い夕陽や青空を作り出し人の心を癒します。​
* Brightorb:3Dプリンタ用セラミックスの一種。 今回は鋳型として光散乱ガラスを隕石に模した有機的な形状の制作に挑戦しました。なお、Brightorbの原料はガラスの窯に用いられる耐火煉瓦の廃材を再資源化した材料が使われています。​

DESIGNART TOKYO 2021オフィシャルサイト

https://designart.jp/designarttokyo2021/exhibitions/266/

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