戦略事業は、自社の強みを活かし、AGCグループの将来の柱となる高収益事業を創出・拡大することを目指す事業です。現在は、エレクトロニクス、モビリティ、ライフサイエンス、パフォーマンスケミカルズの4領域を戦略事業として位置付け、より付加価値の高いソリューションを提供していくとともに、素材・ソリューションを通じて社会課題解決に貢献していきます。高成長分野であり、世界の大きな進化につながるこの4つの領域へのチャレンジが、AGCを新しい姿にしていきます。

エレクトロニクス
エレクトロニクスの進化に不可欠な
製品を数多く提供
社会のデジタル化が急速に進展する中で、電子機器の高機能化に対する要請はますます高まっています。それに応えるために、半導体チップの回路パターンの微細化により高集積化することで、計算処理の高速化、データの大容量化を図る必要があります。その微細化を実現する技術の一つがEUV露光技術です。AGCでは、この技術に用いられる部材である、EUV露光用フォトマスクブランクスの技術開発に成功し、2017年から生産を開始しています。また、スマートフォンやデジタルカメラ向けのカメラ用赤外線吸収ガラスフィルターなどのオプトエレクトロニクス用部材を中心とした事業も展開。2018年にPark Electrochemical社(米国)、2019年にTaconic社(米国)から取得したプリント基板材料事業等については、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)や5Gなどの高性能用途として高い成長が見込まれるCCL(Copper Clad Laminate:銅張積層板)市場での事業拡大を目指しています。
主要製品
オプトエレクトロニクス用部材
半導体プロセス関連部材
プリント基板材料
こんな社会の実現に
貢献していきます
スマートフォンのカメラの進化
半導体の微細化によるデジタル化の推進
5Gによる高速通信の実現
スマートフォンカメラ用赤外線吸収ガラスフィルターは、私たちが普段利用しているスマートフォンカメラの高画質化に貢献しています。また、2000年代前半から14年をかけて開発に取り組んできたEUV露光用フォトマスクブランクスは、より膨大なデータのストレージや処理を可能にする半導体のさらなる微細化を可能にし、デジタル社会の加速に貢献します。半導体の微細化は、電子機器、ひいては社会全体のエネルギー消費の低減にもつながります。AGCは、半導体をはじめ、さまざまなデバイスやシステムになくてはならない素材を提供することで、サステナブルな社会にも貢献します。
5G通信、自動運転、ロボティクス、スマートシティなど、デジタル社会をつくるさまざまなシステムやサービスは、より微細な次世代の半導体がなくては実現できません。拡大する需要に確実に対応するための供給体制を整えるとともに、次世代品の開発を加速することにより、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材の着実な事業成長を図っていきます。AGCはビジネスや暮らしを大きく変えるデジタル社会に貢献する素材・ソリューションの提供を続けます。

モビリティ
大きな変化が起きている「モビリティ」の分野で次世代の自動車づくりを支える
自動車業界には、CASEという変革の波が押し寄せ、その変化はさらに加速しています。この機会を捉えるべく、AGCグループの強みを発揮できる分野(ディスプレイ・アンテナ・センサー)でビジネスを推進し、競争力を引き上げ、効率的なビジネスへの転換を図っています。
自動車のIT化に対応するため、車載用のタッチパネルディスプレイには、大型化・複雑形状化・高機能化が求められています。AGCグループが世界で初めて開発した3D・複雑形状の車載ディスプレイ用カバーガラスは、ガラス素材が持つ高い意匠性や自動車用内装材として必要な安全性を確保しながらも、それらの要求に応える製品として、欧州高級車を中心に高い市場シェアを獲得しています。
※CASEとは…C(Connected):自動車のIoT、A(Autonomous):自動運転、S(Shared & Services):所有から共有へ、E(Electric):電気自動車、の略
主要製品
車載ディスプレイ用カバーガラス
ガラス一体型5Gアンテナ
センシングデバイスのための窓設計
こんな社会の実現に
貢献していきます
より快適で安全なカーライフの実現
新たな機能や価値により、
さらにデザイン性のある車内空間へ
モビリティ業界の大変革に貢献
戦略事業モビリティでは、車載ディスプレイ用カバーガラスや、5G対応自動車用ガラスアンテナ、センシングデバイスのための窓設計など、素材開発からソリューション提供まで、部材総合サプライヤーとして技術開発を進めています。自動車部材としての高い安全性とデザイン性を兼ね備えた独自の部材は、モビリティ業界の“100年に一度の大変革期”に貢献していきます。
電気自動車への移行、自動運転・コネクティビティ技術の進化など、自動車業界はさらに変化していく業界といえます。戦略事業のモビリティ領域では、主に車載ディスプレイ用カバーガラスにおいて、高度なコーティング、ガラス加工技術で世界をリードしています。さらなる市場拡大が見込まれる車載ディスプレイ用カバーガラスのグローバル供給体制を構築するため、中国新拠点も設置。日本や世界の活力あるモビリティ社会に貢献するため、さらなる挑戦を続けていきます。

ライフサイエンス
AGCは医薬品・農薬メーカーや創薬ベンチャーのパートナーとして、薬の有効成分である「原薬」「原体」や、その手前の物質の「中間体」について、プロセス開発や製造を受託しています。こうした企業はCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)と呼ばれます。近年では、医療の高度化・医薬品の構造の複雑化などを背景に、医薬品・農薬メーカーは新薬を生み出す研究にリソースを集め、研究後の開発・製造については信頼のおけるCDMOとの分業を進める動きが加速しています。新たな医薬品・農薬の開発を加速させ、その安定的な市場への供給を実現するために、CDMOが大きな役割を果たしているのです。
AGCのCDMO事業では、フッ素事業で培った有機合成技術をベースとした合成医薬品・農薬はもちろんのこと、近年は世界的に需要拡大が進むバイオ医薬品、最先端分野である遺伝子・細胞治療薬にも注力。戦略事業として積極的な買収・設備投資を行い、日米欧に広がるグローバルネットワークと多様な技術基盤を築いてきました。現在は、その基盤を活かし、世界中のお客様の開発・製造を支えるCDMOとして、技術力・品質・サービスのさらなる向上に取り組んでいます。
主要製品
医薬品開発製造受託
(バイオ医薬品・合成医薬品中間体・原薬)
農薬開発製造受託
(農薬中間体・原体)
こんな社会の実現に
貢献していきます
健康・長寿命社会への対応
食糧問題への対処
高齢者の人口増加や医薬品の研究開発の複雑性・難易度が高まる中、製薬会社・創薬ベンチャーによる新薬開発を加速させるためには、CDMOの存在は大きな役割を持ちます。また、世界人口の増加に伴い耕地面積の不足が懸念される中、持続的な食糧供給を実現するためには農業の生産性向上は重要な社会課題であり、新しい農薬の果たす役割も大きくなっていきます。AGCはCDMO事業を通して高品質な医薬品・農薬を市場に提供し、世界の人々の健康と安心・快適な暮らしに貢献していきます。
世界のCDMO市場は今後も中長期的に成長を続ける見込みです。こうした市場環境のもと、AGCはCDMOとしての実績とお客様からの信頼を重ね、さらに事業を拡大していきます。日米欧3極に構築したグローバルな事業基盤において、お客様のニーズに柔軟に対応できる開発・製造体制づくりにより一層注力するとともに、すでに取り組みを開始している遺伝子・細胞治療や開発黎明期にあるその他の新技術にも引き続き挑戦していきます。
また、事業の成長を支えるため、人財の採用・育成にも取り組んでいます。CDMOは、開発・製造・品質保証・営業から調達に至るさまざまなメンバーが相互に連携を取ってビジネスを進めます。化学・バイオの技術者だけでなく、さまざまな専門性やバックグラウンドを持つ従業員が、ライフサイエンスという成長分野で経験を広げながら活躍できる環境があります。多様な人財がOne Teamとして連携し、それぞれの強みを活かし合いながら、人々の健康に貢献するための挑戦を続けていきます。

パフォーマンスケミカルズ
パフォーマンスケミカルズ事業では、フッ素樹脂をはじめとした、さまざまな高機能製品を提供しています。
耐熱性、耐薬品性、撥水撥油性等、極めて有用な物理的、化学的な特性を持っているフッ素系製品は、自動車、航空機、半導体、建築、エレクトロニクス、空調設備など幅広い産業分野にわたり、いずれの素材・製品も安全で快適な社会インフラや都市・住宅空間の実現に欠かせない存在となっています。
また、空調・冷凍冷蔵分野で使われる冷媒や産業洗浄・コーティング分野等で使われる溶剤も取り扱っています。オゾン層破壊・地球温暖化・気候変動問題などの環境問題を背景に定められた環境規制に対応した製品を開発・提供。これまでの規制対応で培ったノウハウを活かし、環境負荷低減につながる製品の創出に努めています。
主要製品
高機能フッ素樹脂 Fluon®
フッ素樹脂フィルム アフレックス®
分離機能製品群FORBLUE™ ファミリー
【ガス】AMOLEA®
【溶剤】AMOLEA®
溶剤可溶型フッ素樹脂 ルミフロン®
こんな社会の実現に
貢献していきます
デザイン性の高い建造物の実現
橋梁、鉄塔、航空機などの長寿命化
オゾン層破壊・地球温暖化などの
環境負荷低減
世界トップシェアのフッ素樹脂「Fluon® ETFE」はその特性からさまざまな製品に利用されています。その「Fluon® ETFE」を原料とし、優れた特性を持つフッ素樹脂フィルム「アフレックス®」は、海外のスタジアムやビルなど、デザイン性の高い建造物に加え、半導体製造プロセスで使用される離型フィルム用途にも採用されています。AGCの高度な重合技術により開発された「ルミフロン®」は橋梁、航空機など、塗装物の長寿命化に貢献する塗料用フッ素樹脂で、過酷な屋外環境で活躍しています。
製品、および製造プロセスでの化学物質の管理、代替、回収リサイクル等の技術開発を進めるとともに、お客様がご使用後の製品等のリサイクルの仕組みづくりにも積極的に取り組み、安全、安心、有用なフッ素化学品を提供することで健全・安心な社会の維持に貢献していきます。
AGCのパフォーマンスケミカルズ事業は、優れた物理的・化学的特性を持つフッ素化合物を活かした高機能製品を提供し、航空機や半導体、建築、自動車分野で重要な役割を果たしています。特に今後は半導体産業における需要の成長を見据え、ビジネスのさらなる拡大にも取り組んでいきます。
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