長期経営戦略2030年のありたい姿

AGCグループは、2021年2月に長期経営戦略「2030年のありたい姿」を新たに設定し、「独自の素材・ソリューションの提供を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに、継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーでありたい」としました。この「2030年のありたい姿」に向けて、コア事業と戦略事業を両輪とする“両利きの経営”の推進により、市況変動に強く、資産効率・成長性・炭素効率の高い事業ポートフォリオへの転換を図り、社会的価値の創出を通じ経済的価値を創出し、企業価値の向上のスパイラルを実現します。

2030年のありたい姿

2030年のありたい姿
Q1. 長期経営戦略「2030年のありたい姿」における財務目標を教えて下さい。
A1. 経済的価値の創出を目指して、以下の財務目標を設定しています。

2030年までに営業利益を3,000億円以上(過去最高益更新)とし、安定的にROE10%以上を確保できるようになることを財務目標としています。

Q2. 戦略の柱となる「事業ポートフォリオ変革」の取り組み方針を教えて下さい。
A2. コア事業の深化と戦略事業の探索による「両利きの経営」を実践します。

市況変動に強く、資産効率・炭素効率ともに高い戦略事業ついては、2024年よりパフォーマンスケミカルズを新たに組み込み、モビリティについてはこれまでコア事業のオートモーティブに含まれていた Low-E ガラスや調光ガラスなどCASE向けの高付加価値製品を新たに組み入れました。

AGCグループの「両利きの経営」

以上の戦略事業・コア事業の取り組みにより、2030年度に全社営業利益3,000億円を達成し、炭素効率・資産効率の高い戦略事業の割合を60%超とすることを目指します。

営業利益構成 推移(億円)

Q3. 「サステナビリティ経営の推進」における気候変動への対応に関する方針を教えて下さい。
A3. 事業活動でのネットゼロを目指すとともに、世の中のネットゼロ実現に貢献します。

AGCグループは、2050年までのカーボン・ネットゼロ実現、その中間地点としての2030年マイルストーン目標として、Scope 1及びScope 2のGHG排出量30%削減、GHG排出量売上高原単位*50%削減(いずれも2019年比)、さらにScope 3**におけるGHG排出量30%削減を掲げています。
* GHG 排出量売上高原単位=GHG 排出量/売上高
** Scope3排出量のうち、カテゴリ1、1、11、12の合計

製造工程におけるGHG排出量削減に関しては、業界リーダーとして世界トップレベルの省エネガラス製造技術の開発・導入を進めています。酸素燃焼や電気ブースター等の既存技術・設備の計画的な導入を順次進めていることに加え、将来的に大きなインパクトを生み出す革新的技術開発にも取り組んでいます。

また、製品・技術による地球温暖化抑止への貢献を一層拡大します。コア事業と戦略事業の両方において環境・エネルギー領域での技術開発や事業展開を戦略方針に掲げています。

カーボン・ネットゼロ目標(2050年)

Q4. 「サステナビリティ経営の推進」における人財に関する取り組みを教えて下さい。
A4. 「ダイバーシティの推進」「個の強化」「エンゲージメントの向上施策」を軸に取り組みを強化します。

「人財のAGC」を掲げ、従業員1人ひとりが、持てる能力を最大限に発揮し、個々人の総和が強い組織をつくりだし、事業戦略や組織目標が実現され、会社と個々人の成長を生み出している状態を目指し、これまでに以下の人事諸制度を整備してきました。
これからも「ダイバーシティの推進」「個の強化」「エンゲージメントの向上施策」を軸として、様々な取り組みを推進します。

ダイバーシティの推進・人財育成

Q5. 「オープンイノベーション」の強化方針を教えて下さい。
A5. 外部との連携に加え、グループ内での連携も促進します。

社会課題が複雑化し、求められるスピードが速まる中、AGCグループ単独での課題解決が難しくなっています。そこで、将来を予見した顧客企業と価値創出の取り組みを行い、大学・研究機関やベンチャー企業などの外部パートナーと、技術の探索、補完などを行う、協創活動が重要となっています。これらの活動をもとに、社会の変革・発展に貢献し、継続的な成長を実現します。

AGCのオープンイノベーション