CEOメッセージ

代表取締役・社長執行役員CEO 平井 良典

長期的視点での人づくり、素材・ソリューションの提供を通じて、
世の中のサステナビリティに貢献します。

代表取締役兼社長執行役員CEO
平井 良典

2025年8月

私たちAGCグループは2025年、従来「グループビジョン」としていた“Look Beyond”を新たに「企業理念」として再定義するとともに、時代に合わせてアップデートする形で内容を改定しました。新たな価値観には、Innovation & Operational Excellence、Sustainability for a Blue Planet、One Team with Diversity、Integrity & Trustを掲げており、最後のIntegrity & Trustは、これまでの「誠実(Integrity)」にTrust、すなわち「信頼」を加えたものです。環境・安全・品質・コンプライアンスは事業の前提であり、最も重要なのは、この「誠実」をベースに社会やお客様から「信頼」をいただくことです。これをあらためて心に刻むため、Integrity & Trustを「私たちの価値観」としました。

中期経営計画AGC plus-2026では、サステナビリティ経営の深化に向け、当社の製品・技術で創出する社会的価値を「Blue planet」、「Innovation」、「Well-being」の3つに定義しました。さらにこれらと、「環境負荷抑制に関わる温室効果ガス排出量削減」、「人的資本に関わる従業員エンゲージメントスコア向上」を合わせ、計7つのKPIを設定しています。これらの進捗を着実にフォローしていく方針です。

私たちは長期経営戦略「2030年のありたい姿」で、サステナブルな社会の実現に貢献しながら、継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーを目指すことを掲げています。当社の製品やサービスは「素材」を中心としており、研究開発から事業化までに長い年月を要します。会社の方針が短期間で揺らいでしまっては、素材で世の中に貢献することはかないません。それだけ長期間かかるということは、携わる人も何代かにわたって引き継がれる必要があるため、素材を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するには、長期的な視野を持ち、それを長期的に運営できる体制と人づくりが欠かせないと考えます。「風通しの良さ」「チャレンジを奨励」「主体性を重視」という3つの企業文化のもとで多様な人財の強み・個性を引き出し、主体的な学びと成長を支援することで、エンゲージメントの高い組織を作り、知の化学反応と現場力の強化を通じて企業価値の向上につなげていく――という考えを端的に表した言葉が「人財のAGC」です。

 

「人件費は投資であってコストではない」との思いはCEO就任時から変わりません。国内外の現場で対話会を重ね、長期的な視点で多様な人財の強み・個性を引き出すさまざまな取り組みを推進してきました。人財を積極的に活用することで、AGCグループはこれからも継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーを目指していきます。社会の皆様とのコミュニケーションを通じて信頼構築に努め、AGCグループが「いつも世界の大事な一部」であり続けられるよう継続的な成長・進化を目指してまいります。ステークホルダーの皆様には、これまでと変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

企業理念 "Look Beyond" はこちら
中期経営計画 AGC plus-2026 はこちら

サステナビリティ推進部長メッセージ

営企画本部 サステナビリティ推進部長 井原 有紀

サステナビリティの目標実現に向けた施策を着実に進めています。

経営企画本部 サステナビリティ推進部長
井原 有紀

2025年8月

営企画本部 サステナビリティ推進部長 井原 有紀

AGCグループは創業以来、それぞれの時代に求められる製品を提供し、独自の素材・ソリューションで世界中の人々の暮らしを支えてきました。社会に貢献する製品、すなわち社会的価値を創出することで生み出した経済的価値を成長の糧として、新たな研究開発や設備、そして人財に再投資することで、価値創造の好循環を続けてきました。世の中のサステナビリティに貢献し企業価値を向上させていく、これが私たちのサステナビリティ経営です。

サステナビリティKPIを設定し、施策を着実に実行

長期的な社会課題の動向とAGCグループの事業特性を踏まえて特定したAGCグループの「重要リスク」と「重要機会」のうち、特に「重要機会」に着目し、私たちが製品や技術で創出したい3つの社会的価値「Blue planet(持続可能な地球環境の実現)」「Innovation(革新的な未来社会の創造)」「Well-being(安心安全な暮らしへの貢献)」を導出しました。これらの社会的価値の提供を通して経済的価値を創出することで、企業価値を向上させることを目指しています。長期経営戦略「2030年のありたい姿」実現のため、中期経営計画 AGC plus-2026 では、これら3つの領域でサステナビリティ視点での事業成長を測る5つのKPIと、経営基盤のサステナビリティを測る2つのKPI「GHG(Scope1+2)排出量」「従業員エンゲージメントスコア」、計7つのサステナビリティKPIを設定しています。これらを確実にモニタリングすることで、サステナビリティ経営の深化を図っています。

GHG排出量削減に関しては、2050年に「カーボン・ネットゼロ(Scope1+2)」を達成することを目指しています。目標実現に向けた施策の一例として、フランスに本社のあるサンゴバン社と共に板ガラス製造時のCO2排出を削減する技術の実証実験を開始しました。このほか、水素やアンモニアなどのグリーンエネルギー利用技術開発やCCS/CCUSの導入検討を進めています。このように、自社での取り組みにとどまらず、外部組織との連携を強化することで、持続可能な地球環境の実現に貢献してまいります。「人財のAGC」を目指す中、3年ごとの大規模なエンゲージメント調査に基づくアクションを実施し、その効果を年一度のパルスサーベイで確認して、傾向や課題を把握しています。多様な人財の強みと個性が発揮され、企業価値向上を実現する組織づくりのために、各組織において主体的な取り組みが行われています。また、経営陣が現場に足を運び、従業員との対話を重ねています。

社会の、そしてAGCグループのサステナビリティに向けて

2024年は、人権に関する苦情処理窓口を拡充し、従業員やステークホルダーからの声に迅速かつ適切に対応する体制を強化しました。また、グループ全体のガバナンス体制を見直すことで、透明性の高い経営の実現を図っています。サステナビリティ委員会のもとに設置した環境対応会議では、気候変動に関する議論を中心に据えつつ、その他の環境課題についてもテーマに取り上げ、幅広く議論しています。

AGCグループは2025年初めに、企業理念 “Look Beyond” の「私たちの価値観」を時代に即した形で刷新しました。AGCグループの全員があらゆる行動の基礎として共有する重要な考え方としてInnovation & Operational Excellence、Sustainability for a Blue Planet、One Team with Diversity、Integrity & Trustの4項目を掲げ、AGCグループのありたい姿の実現へのコミットメントをより明確にしました。

AGCグループはこれからもサステナビリティ経営の深化に向けて多様な施策を進め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。ステークホルダーの皆様には、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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