価値創出戦略

AGCの長期経営戦略と価値創出戦略

AGCグループは長期経営戦略「2030年のありたい姿」として、「独自の素材・ソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献すると共に継続的に成長・進化する」を目標として掲げ、その実現に向け、コーポレート・トランスフォーメーション(CX)を加速しています。
そのためには製品・技術の提供やさまざまな企業活動を通じて社会的価値を創出しながら、ビジネスモデル変革や新事業創出等により資本効率を高めて経済的価値を創出することが必要です。そのための一つ目の主要戦略が「事業ポートフォリオ変革」です。市況変動に強く、資産効率・成長性・炭素効率の高い事業ポートフォリオを構築するため、コア事業の事業構造やビジネスモデルの変革、戦略事業の拡充と成長の加速に、「両利きの経営」で取り組んでいます。主要戦略の二つ目は「サステナビリティ経営の推進」です。事業活動を通じて「3つの社会的価値」を創出するとともに、安定的にROE10%以上を実現することを目指します。

価値創出のための戦略と施策

この全社戦略に沿って、AGCでは、事業シーズ探索から、技術開発、事業化までを、関係各部署が連携して取り組むことで、企業価値の向上を実現していきます。

【技術開発】
技術開発においては、マクロトレンドや市場の分析から、AGCの「事業ポートフォリオ変革」の方向性に沿って、技術開発の注力分野を定めロードマップを策定します。具体的な開発テーマ探索・選定においては、「3つの社会的価値」が前提となります。Blue planet(持続可能な地球環境の実現)、Innovation(革新的な未来社会の創造)、Well-being(安心安全な暮らしへの貢献)に貢献するテーマを、市場性、社会課題、AGCの強みなどの観点から抽出・選定していきます。
これらの選定されたテーマは、仮説指向計画法(DDP:Discovery-Driven Planning)を活用し、「何をやめるのか、何は継続強化するのか、新たに何を始めるのか」を定めながら技術開発を進めていきます。早期に事業部門と協働し、事業インキュベーションすることにより、事業化の成功確率や収益性向上が期待できます。

【知的財産】
技術開発を行う中では、差別化を生み出したり、他社に大きな影響を与えることのできる、知財ポートフォリオの構築が重要です。AGCでは、知財情報や非知財情報を活用した解析を行っています。事業環境分析、お客様分析、競合分析などに基づいた戦略策定・実行を通して、知財ポートフォリオのあるべき姿の実現を目指しています。また、開発者が他社に影響を与える発明に取り組み、特許権の取得を奨励するため、インセンティブとして発明報奨制度を採用しています。

【標準化】
AGCでは、自社に有利なビジネスを進めることを目的として、標準化においても積極的に取り組んでいます。技術開発の早い段階から、標準化戦略を策定し、ルール形成活動に取り組むことで、競争優位なルール形成が可能となります。