価値創造の歴史

産業・社会の進化と発展を支える
独自の素材・ソリューションを提供してきたAGCの価値創造の歴史

1900s
近代国家へと変貌する日本で巻き起こる建設ラッシュ

1900年代初頭、日本が近代国家へと変貌を遂げるなか、各地で建設ラッシュが巻き起こった。西洋建築の普及拡大を背景に建設材料として「板ガラス」の需要が拡大したが、当時の日本は、その大半を輸入に依存。

1907年
旭硝子株式会社を創立。国産の板ガラス製造を開始

創業者 岩崎俊彌は、高まる板ガラス需要を見据えてその国産化を決意し、旭硝子株式会社(現AGC)を設立。兵庫県尼崎市に板ガラス工場を建設し、1909年から板ガラスの製造を開始。また、板ガラス生産に不可欠なソーダ灰や耐火煉瓦の製造へと事業を拡大。

1950s
「テレビの時代」の到来

1950年代、街頭テレビではプロレスの試合が観戦され、NHKの本放送が開始されるようになり、「テレビの時代」が到来。その後高度経済成長の進展を背景に、テレビは、冷蔵庫、洗濯機と並んで“三種の神器”の一つとして位置付けられ、家庭へのテレビ普及が急速に拡大。

1955年
テレビのブラウン管用ガラスバルブの生産を開始

急速に拡大するテレビ需要に応えるため、旭硝子は1955年よりテレビのブラウン管用ガラスバルブの生産を開始。ブラウン管用ガラスバルブの安定供給を通じて、家電メーカーの生産を支え、「テレビのある家庭」の実現に貢献。

「モータリゼーション」の開花

戦後復興期を経て、1950年代半ばから日本は高度経済成長期に突入。こうしたなか、道路網整備の進展を背景に「モータリゼーション」が開花。家庭への自動車の普及が進展し、自動車の需要は飛躍的に伸長した。

1956年
自動車ガラスの製造を開始

急速に高まる自動車需要に応え、日本のモータリゼーションを支えるために、旭硝子は1956年より、自動車用加工ガラス事業に本格進出。それ以来、日本の基幹産業として成長してきた自動車産業の発展を支えるために、高品質な製品の安定供給を図るべく、業界初のガス炉を導入するなど、生産技術革新に取り組むとともに、生産体制の増強を図った。

1970s
「公害問題」の深刻化

1950年代半ばから1970年代初頭にかけて、日本経済は高度経済成長を遂げた。その一方で、1960年代後半からは、大気汚染や水質汚濁、自然破壊、騒音・振動などさまざまな公害問題が日本各地で顕在化。水俣病などの水銀公害問題をはじめ、その深刻度を増した。その後1967年に「公害対策基本法」が施行され、公害対策が本格化。

1975年
イオン交換膜「フレミオン®」電解法を開発

当時、苛性ソーダ製造における食塩電解技術には「水銀法」が用いられていたが、水銀公害問題の深刻化を背景にその代替技術が求められていた。旭硝子は1975年に苛性ソーダ製造用のイオン交換膜「フレミオン®」電解法を開発。水銀公害問題を克服するとともに、消費エネルギーの節減など環境負荷を低減する新技術として注目を集めた。

1990s
顕在化する「地球環境問題」

1985年、南極上空で巨大なオゾンホールが発見され、フロン類などによるオゾン層破壊が問題化した。また1990年代からは、地球温暖化問題が顕在化するなど、地球規模の環境問題への注目が高まった。国際社会において「持続可能な開発」は人類の現在および将来における基本的な課題として、共通認識が形成され、国際的な枠組みの中で対策が講じられるようになっていった。

1991年
代替フロン AK-225の製造を開始

旭硝子は地球環境問題に対する国際的な枠組みなどを踏まえて、環境配慮型製品の開発に注力し、新たな製品を次々と開発。オゾン層破壊物質として規制されたフロンの代替製品となる「アサヒクリンAK-225」の製造を開始。顕在化する環境問題に対する素材ソリューションを開発・提供。

2000s
「スマートフォン」の爆発的な普及

1990年代にそのコンセプトが登場した「スマートフォン」は、2000年代後半から、全世界的に爆発的な普及を遂げた。加速度的に進化するインターネット技術・サービスと連関しながら、スマートフォンは今なお、進化・発展し続けている。

2011年
スマートフォン用化学強化ガラス事業を開始

旭硝子は2011年よりスマートフォン用化学強化ガラス事業を開始。スマートフォン・タブレット向けガラス「Dragontrail®」を全世界に向けて販売を開始し、スマートフォンの進化と発展に貢献。

2010s
医薬品開発・製造の新時代へ

医薬品分野の技術の高度化によりライフサイエンス市場の規模は拡大の一途を辿っている。しかし、新薬を開発するには莫大な資金が必要なため、製薬会社は経営資源を創薬や臨床開発などに集中し、製造技術の開発・医薬品原体の製造(CDMO・医薬品開発受託製造)は別企業が行う水平分業が進んでいる。

2016年
グローバルCDMO企業を買収

旭硝子は1980年代にライフサイエンス事業を立ち上げ、近年合成医農薬やバイオ医薬品のCDMO事業に参入。2016年にグローバルCDMO企業である独Biomeva GmbH社を買収。また翌2017年には動物細胞を主体としたグローバルCDMO企業、CMC Biologics社も買収。さらに2018年1月からはAGC Biologics社としてグローバル一体運営を開始。

AGCBiologics社ドイツ拠点
AGCBiologics社米国拠点
2020s
「5G時代」の到来

ありとあらゆるデバイスがインターネットに接続するIoT社会の進化を支えているのは、通信システム。2020年3月にサービスを開始した「第5世代移動通信システム(5G)」は4Gよりも高い周波数が用いられる。そのため、これに対応する新たな素材の需要が高まっている。

2020年
窓を基地局化する「ガラスアンテナ」を開発

AGCは、2020年に世界で初めて窓を基地局化するガラスアンテナ「WAVEATTOCH®」を開発。建物の窓(室内側)にこの製品を貼り付けることで、屋外を移動通信サービスエリア化。