公正で安全な職場から
新たな価値を生む

〜公正・安全な働く場の創出〜

AGCの使命を実現しているのは世界中で働く多様な人財です。一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮し、個々人の総和が強い組織をつくり出すことで事業戦略が実現され、人財が成長し、AGCの永続的な価値創造につながります。AGCは、あらゆる価値創造の原動力である人財が安心して働けるよう、公正・安全な働く場の創出に努めています。

公正・安全な働く場の創出

経営者と従業員が一体となり公正で安全な職場をつくる

サステナブルな企業であるためには、働く人が身体的・心理的に安全であることはもちろん、多様性を尊重し、活かすことが不可欠です。すべての働く人が性別、年齢、人種や国籍、ハンディキャップの有無、性的指向・性自認、宗教・信条、価値観などにかかわらず、公平に認められ、評価されることが求められています。

そのため、女性管理職の比率を高めるほか、様々な国籍や経験を持つ人財の採用を積極的に進め、チャレンジを推奨する企業文化を育みながら、多様な視点や考え方を積極的に取り入れています。

世界中でAGCの価値創造に貢献している多様な人財が安心して働けるよう、経営者と従業員が一体となって公正で安全な職場をつくることに挑戦しています。例えば、安全衛生管理活動の一環として、新潟大学と製造現場の安全管理向上を目指した産学連携活動などを行っています。

AGC(単体)では、性別に関係なく優秀な人財が活躍し、社会に価値を提供していくことを目的に、2030年までに女性役員(取締役・監査役)比率30%、女性執行役員比率20%の実現を目指しています。また、役員だけではなく、女性管理職比率についても8%程度まで引き上げることを目標にしています。

取組事例01

新潟大学との製造現場の安全管理向上を目指した産学連携活動

AGCグループでは、「職場の安全文化」を醸成すべく、第三者専門機関の診断により組織の弱点を顕在化し、優先的に改善を進めています。また、AGCは、国立大学法人新潟大学と製造現場の安全管理向上を目指した産学連携活動を行っています。

新潟大学では「企業の製造現場における事故防止は、個人の努力だけではなく、それが発生しにくい仕組みの確立が不可欠である」との考えから、安全文化診断※手法および診断を活用した組織改善の研究を行っています。この研究に着目したAGCは、製造現場の安全実現を目指し、2020年6月に新潟大学 東瀬朗准教授(工学部工学科協創経営プログラム/大学院自然科学研究科材料生産システム専攻社会システム工学コース)と共同研究契約を締結し、自社の安全文化をモニタリングする手段として安全文化診断を採用しました。

この共同研究は、AGCグループの日本・アジアにおける21事業所、6,000人の従業員を対象としてスタート。対象範囲拡大により現在は39事業所、21,000人の規模(2022年6月時点)で診断を進めており、診断結果に基づく改善活動を推進しています。

※石油・化学産業等を中心とした、大規模設備を有する事業所の安全文化を評価・可視化できる診断手法の開発を目指し、2009年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 高野研一教授(現・同研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所顧問)、新潟大学工学部 東瀬朗准教授を中心としたチームで開発された安全文化の診断手法です。安全文化の8軸モデルに基づいて作成されたアンケートを、製造拠点の現場従業員に実施し、その回答結果を業界平均と比較、各製造拠点の強み・弱みを網羅的に把握し、安全文化の改善につなげることを目的としています。本連携活動では、新潟大学が独立した立場としてアンケートを実施し、回答者の匿名性を守りながら、製造拠点の安全文化の実態を調査します。AGCは、フィードバックされた回答結果をもとに、安全文化を改善する取り組みを行っています。

安全文化の8軸モデル

ダイバーシティ・インタビュー

AGCグループは、意欲ある多様な人財が活躍できる組織の実現を目指しています。AGCおよび社会の女性活躍推進とともにキャリアを歩んできた当社執行役員に、自身の挑戦の経験とダイバーシティのあり方について話を聞きました。

Interview荒木 直子

執行役員 監査部長

女性初の総合職、男女雇用機会均等法第一世代としての葛藤の日々

私は女性初の総合職として1987年に当社へ入社し、総務部に配属されました。そこでの最初の仕事は、社長印を押す書類のチェックに加え、朝の机拭きとお茶出しでした。何かおかしいとは感じましたが、まずは一通り受け入れてみようと思いました。それがキャリアのスタートです。私たちは、いわゆる男女雇用機会均等法第一世代でした。

男女平等に働くと言っても社会的にまだまだ準備が整っていない時代ですから、ライフステージが変化するたびに今では考えられない様々なことが起こります。結婚を報告したとき、直属の上司から当然のように退職の意思を尋ねられました。結婚した女性は退職して家庭に入る。当時はそういう人も多かったのです。

初めての妊娠時にはひどいつわりが続きましたが、「普通の担当者の仕事を平気な顔でこなす」よう心がけました。子供が生まれ、できたばかりの育児休職制度を使ってしばらく休めたことは良かったのですが、復帰後は、延長保育のある保育園の近くへの転居、残業や病気のときのベビーシッター代などを合わせると、月々の出費が私のお給料を超えていた時期もありました。

このように肉体的、精神的、経済的に厳しいと感じることもありました。それでも続けてこられたのは「この仕事を頑張りたい、AGCで働き続けたい」という強い気持ちがあったからです。

周囲のサポートと仕事に対する考え方の変化によって訪れた転機

2人目の子供が生まれ育児休暇から復帰したとき体力が限界に達し、有給休暇を使い果たしました。このままでは会社だけでなく家庭での役割も果たすことができないと思い、会社を辞めると申し出ました。当時の上司は厳しい人でしたが、「本当に辞めたいのか」と尋ね、「辞めたくありません」と答えると、「いくらでも休め。誰だって大変なときはある。みんな応援しようと思っているんだから」と言ってくれました。会議室で思わず泣いてしまいました。それがひとつの転機です。

自分の健康を最優先に、子供と仕事に関するタスクを同軸に並べ、優先順位をつけてこなす。勤務時間にとらわれず、やれる時間にやれることをする。家族や友人を含め借りられる力は全部借りて毎日をマネージする。どれも今のママたちが当たり前にやっていることかもしれませんが、当時の仕事最優先の「普通の担当者」としてはとんでもない発想でした。職場で評価されることは諦め、辞めさせられないギリギリのところにいればいいと思うことにしたのです。

しかし、不思議なことに仕事の仕方を変えても特に評価が下がることはなく、しばらくして4人ほどの小さなチームのリーダーに指名されました。その頃は残業しないチームリーダーなんてあり得ず、「無理です」と断りましたが押し切られました。やってみて発見したのは、リーダーの仕事は上下左右あらゆる人の力を借りながらチームメンバーを活かすという意味で、子育ての毎日のマネジメントとよく似ているということでした。

以来、2人の子供は成長の過程で代わる代わる問題や課題をつきつけてくるので(人が育つというのは本当に大変なことです)、地域や学校、様々な関係者を巻き込んでそれらに向き合い、会社では少しずつステップを上がり、多くの部下を持つ機会をもらい、それぞれの場面でマネジメントやコミュニケーションの力を高めて、何とか両方を乗り切ってきたという気がします。

女性活躍が目立つ時代になっても、まだ残る課題

2000年頃から、日本の企業は本格的に女性総合職の採用に取り組むようになり、女性の定着を支援する制度を整備し始めます。AGCもしっかりとその流れに沿って進み、育児休職制度や時短勤務制度の内容を充実させるとともに、管理職に対してもこれらの制度への理解を促す教育を行いました。その結果、女性たちは堂々と育休を取り、時短勤務をすることができるようになりました。女性が社会から求められる役割を果たしながら仕事を続けられる環境ができたのです。AGCでもこの時期を境に、定着する女性従業員が増えてきたように思います。

しかし、その一方で、転勤や長時間労働もある企業風土では、いわゆる子育て制度をフルに活用する女性の場合、その大半は管理職コースではなく勤務地が変わらない「基幹職」「専門職」などと呼ばれるコースを希望するという現象が起きます。本来、子育てとリーダーとしての資質・能力は無関係なはずですが、これが当社を含めこの時代の日本企業の平均的な姿だったと思います。

固定観念を壊し、異なるライフスタイルや考え方を受け入れたい

AGCは2002年に、グループビジョンを構成する価値観のひとつとして「ダイバーシティ」を掲げました。この価値観のもとで多様化は着実に進み、今では性別、経歴、国籍を問わず様々な人が働いています。しかし、その数は特にマネジメント層を含めてまだ限られています。

マイノリティにも門戸を開く。ただし組織の中核に受け入れる条件は、マジョリティと同じように考え行動すること、というのがこれまでのダイバーシティだったと思います。しかしここ数年新事業への拡大や、それに伴う大規模な事業買収が続き、ビジネスの中心に異なるカルチャーを受け入れざるを得ない状況になってきています。

多様性を受け入れるには、対象が性別であれ、国籍であれ、その他の要素であれ、自分の固定観念を一旦壊し、異なるライフスタイルや考え方があることを理解してそちら側に立ってみることが必要です。マジョリティの側が自らの固定観念を壊すことは簡単ではありませんが、否応なく異文化の受け入れを迫られている現在の状況は、そのプロセスを体験する機会となっているように思います。この経験は、あらゆる多様性を受け入れ包含していく上で、AGCのアドバンテージになると思います。

より良い社会を次世代に手渡すことにつながると信じて

本当のダイバーシティとは、多様な人が組織の中に数の上で存在することではなく、その人たちがそれぞれのライフスタイルと考え方を持ったまま、組織で能力を発揮することだと考えます。私たちはその次元に進む必要があります。「AGCのダイバーシティ2.0」と言っていいかもしれません。

それは簡単ではありません。性役割分担のバイアスは日本社会全体に根強く残っています。世界の1.7%でしか使われていない日本語で意思決定がされるのは外国人にとって高いハードルであり、ここでもマジョリティの側が変わらなければならないかもしれません。

世界は確実にダイバーシティを進める方向に動いています。日本人の男性はたった6,000万人、しかもその数は今後確実に減っていきます。その中からメンバーを選ぶ企業と、70億人の中から選ぶ企業とでは、競争力の差は明らかです。様々な人の発想と能力を組織に取り込まなければ、私たちが生き残ることはますます難しくなるでしょう。

私はAGCのダイバーシティが次のステップに進むのを、この目で見届けたいと思います。新入社員の頃は、自分の不満や想いもすべてを飲み込み、現状を受け入れるしかありませんでした。でも何でも話すことができるようになった今、35年間働いてきた愛着あるこの会社をより良いものにして後輩たちに引き継いでもらうために、あるべき姿を発信しなければならないと思います。そしてそれは、より良い社会を子供たちの世代に手渡すことにもつながると信じています。

AGCグループのダイバーシティ推進の取り組みほか、活躍中の従業員インタビューを読むことができます。

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