AGC Research Report 72(2022)
アミン添加による2次元有機無機ハイブリッド材料の高品質結晶合成
Size and Quality Enhancement of 2D Metal-Organic Chalcogenolates by Amine Addition
桜田智明*・William A. Tisdale**
Tomoaki Sakurada and William A. Tisdale
*AGC株式会社 材料融合研究所 有機材料部 複合化部材T
**Massachusetts Institute of Technology
2次元材料は次世代エレクトロニクス材料として有望であるが、結晶サイズや構造欠陥が原因となり、十分な性能が得られないことが課題であった。我々は、Metal- Organic Chalcogenolate(MOC)という材料系のうち、青色発光を示すAgSePhの高品質結晶合成手法の開発に成功した。溶液の合成反応系にアミンを添加することで、従来手法では数マイクロメートル程度であった結晶サイズをミリメートルサイズまで向上可能であることを見出した。得られた結晶は、従来手法で得られたものよりも長い発光寿命を示し、色純度も高く、光学材料としてより高い性能を示した。我々は、反応のメカニズム解明を検討し、アミンが反応速度の抑制による結晶成長の促進と、活性種形成による反応の促進という2つの役割を担っていることを見出した。本手法により、AgSePhのみならず、異なる有機配位子を用いた新規MOC、AgSePhMeの合成が可能であり、本手法が汎用的に他のMOC合成に適用可能な優れた手法であることを示すことができた。
Two-dimensional(2D)organic–inorganic hybrid materials have attracted great attention for their potential in optoelectronic applications. However, crystal size and/or defects often limit the performance. In this study, we present a new synthetic method to improve the size and optical properties of AgSePh, a blue luminescent 2D material classified as Metal–Organic Chalcogenolates(MOCs). The average lateral size of AgSePh microcrystals was increased from <5 μm to 1 mm by introducing amines in the reaction conditions. The obtained crystals have a longer photoluminescence lifetime with higher color purity by suppressing mid-gap emission. We investigated the reaction mechanism by 77Se-NMR spectroscopy. We found that amines play two roles as(i)a coordination ligand to promote the growth of large crystals by reducing the reactivity of Ag+ ions and(ii)a reactant to form a key reactive intermediate. Finally, by demonstrating the growth of single crystals of AgSePhMe, a new member of the 2D MOC family, we show that the amine-assisted crystal growth method is generally applicable to other 2D MOCs.
1. 緒言
有機無機ハイブリッド材料は、分子設計、構造制御により発光特性や電気化学特性を制御できるため、種々の用途への応用が検討されている。特に、近年では、2次元材料において特徴的な励起子挙動、光との相互作用が報告され、発光材料として活発に研究されている(1)。これまでに、ハロゲン化鉛ペロブスカイト(2)や遷移金属カルコゲン(3)などが研究対象とされてきたが、近年、有機カルコゲンと金属イオンからなる配位性高分子(Metal- Organic Chalcogenolate, MOC)においても発光性の材料が報告され、注目が高まっている(4)。
銀や金などの11族金属とチオールやセレノールなどの有機カルコゲンは、金属とカルコゲンの共有結合に加え、金属-金属相互作用により、安定な配位性高分子を形成する(5)。金属種と有機化合物の組み合わせによる構造の制御が可能であり、フェニルセレン化銅(CuSePh、1次元構造)(6)、フェニルセレン化銀(AgSePh、2次元平面構造)(7)、安息香酸メチルチオレート金(AuSPhCOOMe、2次元平面構造)(8)などが報告されている(Fig. 1)。

2018年、Hohmanらにより、AgSePhが青色発光を示すことが報告された(4)。AgSePhは、銀-セレンの平板構造の上下をベンゼン環が挟んだ厚み約1.4 nmの2次元平面構造をしており(Fig. 1)、この2次元構造由来の、約400 meVの高い励起子束縛エネルギーによる量子閉じ込め効果により、半値幅が狭く、高い色純度の発光を生じる。ほかにも吸収、発光の面内異方性を示し(9)、高い化学的安定性を有するなど、次世代の発光材料候補として高い注目を受けている。
有機カルコゲン-金属化合物は、一般に金属イオンと有機カルコゲンを混合し、加熱することで合成されるが、安定な金属-カルコゲン結合が速やかに形成されることと、生成物が溶媒に不溶であることにより、結晶を大きく成長させることは困難であった(5)。
AgSePhは、2002年に銀のトリフェニルホスフィン錯体とベンゼンセレノールのリチウム塩を用いた禁水反応による合成が報告された(7)。Hohmanらは硝酸銀水溶液とジフェニルジセレニド(Ph2Se2)のトルエン溶液を180 ℃で1時間加熱することでAgSePhが得られることを報告したが(4)、得られた結晶は数マイクロメートルの粉末状の微結晶であった。AgSePhの半導体材料としての利用には、大きく、欠陥の少ない高品質な結晶が必要である。加えて、粉末状の微結晶は構造決定が難しく、そのことが、材料設計上の課題になっていた。
我々は、合成系にアミンを添加することで、AgSePh結晶の大きさと品質が向上することを見出した。アミン種、基質濃度、溶媒、反応条件を最適化することで、ミリメートルサイズの結晶を得ることに成功した。この合成条件で得られた結晶は、従来法で合成したAgSePhと比較して長い発光寿命と低エネルギー由来の発光の抑制が確認されており、発光材料としてより高い性能を示した。さらに、セレンを核種とした核磁気共鳴分析(77Se-NMR)により、反応系中でのアミンの役割を解明した。本手法はAgSePhのみならず、他の2次元MOCにも適用可能であることが明らかとなり、有機カルコゲンの構造の異なる新規MOCであるAgSePhMeを合成することに成功した。
2. 実験
2.1. 合成
2.1.1. 2相系でのAgSePhの合成
アミンを用いたAgSePhの合成はオートクレーブを用いて行った。3 mMの硝酸銀溶液(純水、28-30 wt%アンモニア水、40 wt%メチルアミン水溶液または68 wt%エチルアミン水溶液の4種類)3 mLと3 mMのPh2Se2(トルエン溶液)3 mLをPTFE製の反応容器に封入し、オートクレーブ中、180 ℃で1時間加熱を行った後、室温で徐冷した。得られた結晶は純水と2-プロパノールで洗浄後、窒素ガスで風乾した。
2.1.2. 均一系でのAgSePhの合成
硝酸銀のプロピルアミン溶液(3 mM)10 mLとPh2Se2のトルエン溶液(3 mM)10 mLを混和し、室温で3-5日静置し、結晶を生成させた。得られた結晶は、純水と2-プロパノールで洗浄後、窒素ガスで風乾した。プロピルアミンよりもアルキル鎖の長いブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミンを用いても同様に目的物の結晶が得られた。
2.1.3. N-プロピルフェニルセレナミドの合成
既報を参考に合成した(10)。グローブボックス中、フェニルセレニルクロライド(0.057 g, 0.3 mmol)の重トルエン溶液(2 mL)に、プロピルアミン(0.035 g, 0.6 mmol)を加えた。黒褐色の溶液が黄色に変化し、無色透明の沈殿が生じた。得られた溶液をPTFEフィルターでろ過し、追加の精製をせずに濾液の77 Se- NMRを測定した。
2.1.4. ビス1,2 -(4-メチルフェニル)ジセレニドの合成
マグネシウム(2.64 g, 110 mmol)と脱水テトラヒドロフラン(100 mL)およびヨウ素の小片を300 mLの3つ口フラスコ中、窒素雰囲気で20分間攪拌した。茶褐色の溶液が無色になったことを確認後、4-ブロモトルエン(3.4 g, 20 mmol)を一度に加え、10分間攪拌した。反応液の温度上昇を確認した後、残りの4-ブロモトルエン(13.7 g, 80 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(50 mL)を20分かけて滴下した。滴下後、反応液を50 ℃で1時間加熱攪拌し、氷冷した。続いてセレン(7.9 g, 100 mmol)を1度に加え、セレンが溶解し、反応液が赤褐色になったのを確認後、室温で1時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、1 Mの塩酸水100 mLを加えた。有機層をジクロロメタン(50 mL×3)で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水した。ロータリーエバポレーターで有機溶媒を除去したのち、n-ヘキサンを展開溶媒として用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。ジクロロメタン/n-ヘキサンを用いて再結晶を行い黄色粉末9.6 gを得た(収率56%)。1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ 7.50(d, 4H, J = 8.1 Hz), 7.08(d, 4H, J = 7.9 Hz), 2.35(s, 6H).
2.1.5. AgSePh、AgSePhMeの単結晶合成
AgSePhの単結晶は、-20 ℃に冷却した硝酸銀のプロピルアミン溶液(20 mM)5 mLとPh2Se2のトルエン溶液(20 mM)5 mLを混合し、-20 ℃で4週間静置することで得られた。AgSePhMeは-20 ℃に冷却した硝酸銀のプロピルアミン溶液(15 mM)5 mLとビス1,2-(4-メチルフェニル)ジセレニドのトルエン溶液(15 mM)5 mLを混合し、-20 ℃で4週間静置することで得られた。
2.2. 物性測定
2.2.1. 発光スペクトル測定
結晶の発光スペクトルは、波長405 nmの半導体レーザー(Picoquant, LDHDC0405M)を対物レンズを通して<1 μmに集光した励起光で試料を励起し、分光器(Princeton Instrument SP-2500)を用いて測定した。
2.2.2. 時間分解発光測定
時間分解発光測定は発光スペクトル測定と同一の測定系を用い行った。励起光に波長405 nmのフェムト秒パルスレーザー(76 MHz)を用い、時間分解単一光子検出器を用いて各時間における発光の格子数を測定した。
2.2.3. 吸収スペクトル測定
吸収スペクトルは分光光度計(Cary 5000)を用いて拡散反射率分光法によって測定した。結晶サンプルを1 wt%となるよう臭化カリウムと混合し、粉砕することでサンプルを調製した。100%の臭化カリウムを基準とし、クベルカ-ムンクの式によって変換することで吸収スペクトルを計算した(11)。

ここで、F(R)は、クベルカ-ムンクの関数であり、Rは100%の臭化カリウムを基準とした相対反射率である。
3. 結果と考察
3.1. アミンの添加による発光特性向上
我々は、アミン水溶液を水相溶媒として用いることで、純水を用いた場合に比べて、大きいAgSePhの結晶が得られることを見出した(Fig. 2a)。水相の溶媒に純水を用いた場合には得られるAgSePhの結晶の長辺は約2 µmであったのに対し、アンモニア水を用いることで約20 µmに向上した。さらに、メチルアミン水溶液、エチルアミン水溶液を溶媒とした場合には、それぞれ約30 µm、>200 µmの結晶が得られた(Fig. 2a)。
アミンを用いて合成して得た結晶の発光スペクトルは、純水から得たものと同一であった(Fig. 3a)ことから、いずれの合成条件においても同一の結晶構造のAgSePhが得られたと考えられる。
アルキル鎖長が3以上のアミンを用いることで、均一溶媒系となり、室温でのAgSePhMe合成が可能となった(Fig 2b)。アルキル鎖長3~6の範囲の検討の結果、いずれのアミンを用いてもAgSePhが合成されたことを確認した。合成条件を最適化することで、長辺が1 mm超の結晶が得られ、テープ剥離法により単結晶薄膜を得ることができた。

発光寿命測定を行い発光特性を評価した。純水の代わりにアンモニア水を用いることで発光寿命は93 psから193 psに向上した(Fig. 3c,d)。メチルアミン水溶液とエチルアミン水溶液を用いた場合の発光寿命は 136 psと73 psであり、アンモニア水を用いた場合に比べて短くなった。発光寿命の差は結晶欠陥の量の違いと関連し、結晶成長速度が速いほど結晶欠陥が多くなると考え、室温でAgSePhの析出挙動を観察した。エチルアミン水溶液、純水、メチルアミン水溶液、アンモニア水の順で結晶析出が確認され、想定したように発光寿命の長さと同じ順であった。メチルアミン水溶液、エチルアミン水溶液を用いた系では、アンモニア水に比べ、有機層との相溶性が向上し、結晶析出が速く、欠陥の多い結晶が生成し、寿命が短くなったと考えている。アミン種を変えた検討の結果、アルキル鎖長が3以上の、水を含まないアミンを用いることで結晶成長速度を抑制できることが明らかとなり、プロピルアミンを用いて得られた結晶はアンモニア水を用いて合成した結晶と同程度の発光寿命を示した(Fig. 3d)。
発光特性に対するアミンを用いることのもう一つの利点として、低温での低エネルギー発光の抑制が挙げられる。純水を用いて合成したAgSePhは5 Kで500- 700 nmにおいて、ブロードな発光が観測された一方、アンモニア水を用いて合成したAgSePhでは、励起子由来のシャープな発光のみが観測された(Fig 3b)。アミン添加し、かつ結晶成長を制御して得られた AgSePh結晶は、この低エネルギー発光の抑制により、長い発光寿命を示したと考えられる。低エネルギー由来の発光は、合成の際に生じた欠陥準位や自己束縛励起子が原因と考えられる。

3.2. 反応メカニズムの解析
本反応におけるアミンの役割を解明するため、アミン濃度および基質濃度が結晶生成速度に与える影響を評価した。ここでは、反応メカニズム解明のため、均一系のプロピルアミン/トルエン溶媒を用いた。基質の濃度が1.5 mMの場合には、AgSePhの結晶生成に最低3日を必要とした一方、10 mMの基質を用いると、 20分で結晶が生成した(Fig. 4a)。基質濃度10 mMで、溶媒中のアミンの割合を50 vol%から75 vol%に増やすと結晶生成速度は低下し、結晶生成まで3時間を要した。これらの結果から、本反応においてアミンは、反応を抑制することが示唆され、原因としては、銀との錯形成(12)を考えている。

続いて、セレンを核種とした核磁気共鳴分析(77Se- NMR)により、より詳細に反応メカニズム解析を行った。重トルエンを溶媒としてPh2Se2、硝酸銀、プロピルアミンを同物質量混合すると黄色結晶が生じた。反応液の77Se-NMRを測定したところ、Ph2Se2(463.15 ppm)に加え、726.69 ppmに新たなシグナルが観測された(Fig. 4b, 紫)。一方で、Ph2Se2と硝酸銀またはPh2Se2とプロピルアミンを混合した場合には、黄色結晶も生じず、また、77Se-NMRにおいても Ph2Se2のシグナルのみが観測された(Fig. 4b, 緑、橙)。
銀イオン、アルキルアミン存在下、ジスルフィドがスルフェンアミドを与えることが報告されていることから(13)、我々はその類似反応として、Ph2Se2とプロピルアミンが反応したセレナミドが新たなシグナルを示した副生成物として 生成していると考えた。そこで、フェニルセレニルクロライドとプロピルアミンを混合した反応溶液の77Se-NMRを測定すると、729.62 ppmにフェニルプロピルセレナミド由来と考えられるシグナルが観測された(Fig. 4b, 茶)。以上の検討より、我々は本反応機構について、Ph2Se2とプロピルアミンの反応を銀イオンが促進し、セレナミドが生じ、残りのセレノレートと銀イオンが反応することで AgSePhを形成していると考えている(Fig. 4c)。
3.3. 単結晶を用いた結晶構造解析
最後に、結晶合成条件の最適化を検討した。-20 ℃に冷却した硝酸銀のプロピルアミン溶液(20 mM)とPh2Se2のトルエン溶液(20 mM)を混合し、同温で4週間静置することで、単結晶X線構造解析に使用可能な大きさ(各辺約200 µm×200 µm×20 µm)の結晶を得ることができた。

単結晶X線構造解析の結果、AgSePhは単斜晶系空間群P21/cに帰属される単層厚み約1.4 nmの結晶であることが明らかとなった(Fig. 5a,b)。この空間群はこれまでの報告(7)であるC2/cと異なる結果ではあるが、合成方法、測定温度等の条件が異なることが理由であると考えている。
続いて、フェニル基を4-メチルフェニル基に置換したAgSePhMeを合成した。原料として1,2-ビス(4-メチルフェニル)ジセレニドを用い、最適化したAgSePh合成条件と同様の条件でAgSePhMeの単結晶を得た。単結晶構造解析の結果、AgSePhMeもAgSePhと同一の空間群P21/cに帰属され、単層の厚みは約1.7 nmであった(Fig. 5a,b)。AgSePhMeはAgSePhと同じピーク波長の青色発光を示したが、ピークの半値幅は約19 nmとAgSePhに比べて広かった。吸収スペクトルのピーク波長はAgSePhが429 nmに、AgSePhMeは433 nmにそれぞれ位置し、わずかにシフトしていることが確認された(Fig. 5d)。
4. 結言
今回我々が開発したアミン添加による合成法により、従来手法に比べ、より大きいAgSePh結晶を得ることが可能となった。さらに、得られた結晶は、低温での低エネルギー発光が抑制され、長い発光寿命を示すことから、発光材料としてより高品質であることが示された。本手法におけるアミンは、(i)銀イオンに配位し、反応を抑制する、および(ii)ジセレニドと反応し、活性種を生成するという2つの役割を担っていることが示された。加えて、従来の合成法と比較して、禁水条件や高温条件が必要ない、より汎用な手法であると言える。
本手法は、構造の異なる配位子への適用が可能な一般的な手法であり、新規MOCであるAgSePhMeの合成を可能にした。本手法により、新規MOCの合成の幅が広がり、より性能の高い化合物が報告されることが期待される。
本研究はJ. Am. Chem. Soc. 2021, 143, 20256.に報告した内容に基づいており、詳細はそちらを参考いただきたい。今回の研究を端緒とし、有機配位子の構造を制御することで、発光特性の制御、発光の量子収率の向上が可能であることを見出しており、現在、論文投稿準備中である。
5. 謝辞
本研究は私がMassachusetts Institute of Techno logy留学中に検討した内容であり、指導教官である William A. Tisdale教授に感謝いたします。また、本研究を主導したWatcharaphol Paritmongkol博士(現トロント大学博士研究員)を始めとするTisdale研究室の皆様、大学のスタッフの方々、および、留学を支えてくださったAGCの方々に謝意を表します。
This work was supported by the U.S. Army Research Office under Award Number W911NF- 20-1-0200. This work made use of the MRSEC Shared Experimental Facilities at MIT, supported by the National Science Foundation under award number DMR-08-19762.
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