AGC（AGC株式会社、本社：東京、社長：島村琢哉）は環境対応型新フッ素系溶剤AMOLEA^®（アモレア）AS-300のグローバル販売を2018年10月17日より開始します。本製品はオゾン破壊係数^*1を「ほぼ0」に、地球温暖化係数^*2を「1未満」に抑えた、これまでにない環境対応型フッ素系溶剤です。地球環境への負荷が小さいだけでなく、優れた安全性・洗浄力を有しています。2017年10月に同製品を発表以来、お客様のご協力のもと細密な性能評価を繰り返してきましたが、この度各種用途における実用機能の検証が完了し量産体制が整ったことから、グローバルな本格販売に踏み切ります。

フッ素系溶剤は、不燃性のため取扱いが容易、表面張力が低いため複雑形状の部品も洗浄可能、適度な沸点を持つため消耗量が抑えられるなど優れた特長を持っています。そのため精密部品や光学部品の洗浄、シリコーン油の希釈塗布など様々な用途で使用されています。これまで当該用途では、AGCが世界に先駆け開発したオゾン破壊係数の低いフッ素系溶剤アサヒクリン^®AK-225が、代替フロンとして幅広く使用され地球環境に貢献してきました。しかし近年の更なる環境意識の高まりから、より一層オゾン破壊係数や地球温暖化係数の低い新たな溶剤が世界中で求められています。

AGCはAK-225に替わる新たなフッ素系溶剤として、AMOLEA^®AS-300を開発しました。本製品はオゾン破壊係数を「ほぼ0」に、地球温暖化係数を「1未満」に抑えながら、AK-225同等の沸点・洗浄力・安全性を実現しました。地球環境への負荷が小さい上に洗浄力など優れた特長を持つため、AK-225の代替用途だけでなく塩素系溶剤や、2020年7月に欧州で特定用途以外使用が禁止される臭素系溶剤^*3をご使用のお客様にも、既存の洗浄機を転用して簡単にご使用いただけます。

AGCグループは、経営方針 AGC plus の下、世の中に、「安心・安全・快適」を、お客様に、「新たな価値・機能」を、プラスする製品づくりに取り組んでいます。これからも長年培ったフッ素化学の技術力を活かし、環境負荷低減に貢献する製品を開発・提供し続けていきます。

■注釈
*1オゾン破壊係数：大気中に放出された単位重量の物質がオゾン層に与える破壊効果を示す係数。CFC-11を1.0とした場合の相対値として表す。
*2地球温暖化係数：地球温暖化への影響を示す係数。二酸化炭素を基準にして、他の温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるかを表した数字のこと。
*3 臭素系溶剤 (1-bromopropane (n-propyl bromide):その毒性データを踏まえECHA (European Chemicals Agency)にてREACH (Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals) Annex XIVの中で2020年7月4日に特定用途以外欧州で使用禁止となります。

■AMOLEA^®シリーズラインアップ■
AMOEA^®シリーズのラインアップは下記の通りです。

一般名	製品名	用途
環境対応型新フッ素系溶剤	AMOLEA®ASシリーズ	各種洗浄剤、溶媒
環境対応型フッ素系溶剤	AMOLEA®ATシリーズ	各種洗浄剤、溶媒
環境対応型新冷媒	AMOLEA®1224yd	各種冷媒
環境対応型新冷媒	AMOLEA®1234yf	自動車空調用冷媒