2019年10月01日製品リリース

ドコモとAGC、『窓を基地局化するガラスアンテナ』によるサービスエリア提供を開始

5Gに対応するガラスアンテナの開発もスタート

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)とAGC株式会社(以下、AGC)は、両社で共同開発した電波送受信が可能なガラスアンテナ※1を都内のビル窓に設置して「窓の基地局化」を行い、4G LTE向け携帯電話向けのサービスエリア拡充を10月1日に開始しました。ガラスアンテナを用いた「窓の基地局化」によるサービスエリアの提供は、世界初※2となります。
今回設置したガラスアンテナ 今回設置したガラスアンテナ
移動通信のトラヒック量が増大し、高トラヒックエリアにおいてスモールセル基地局※3用のアンテナ増設が必要とされるなか、建物の屋上や壁面は設置場所が限定されることや街の景観を損ねることが課題となっています。これに対応するため、ドコモとAGCは、2018年11月に既存窓(室内側)の表面にガラスを貼り付けることで屋外をサービスエリア化することができるガラスアンテナを共同開発しました。※4

そして、本日より世界で初めてガラスアンテナを用いた「窓の基地局化」による電波送受信を行い、ドコモ4G LTE携帯電話向けのサービスエリア拡充を開始しました。通常のスモールセル基地局と同等のエリア化※5を確認しています。

さらに両社は、今後商用サービスが開始される5Gのエリア構築にガラスアンテナを活用するため、5Gに対応した※6ガラスアンテナの開発を行っています。既存のアンテナ設置が難しかった場所での通信環境を改善し、よりきめ細やかな5Gエリアの構築にむけて取り組みます。5Gガラスアンテナは2019年中の開発完了、2020年中のサービス開始を予定しています。

―注釈―

※1 AGC製品名:WAVEATTOCH
※2 ドコモ、AGC調べ。 
※3 主に高トラヒックエリアに、通常基地局のエリア内に設置する、小さなサービスエリアを構築する基地局。
※4 リリース:https://www.agc.com/news/detail/1198104_2148.html
※5 エリア半径約100~200m程度(設置環境により異なる)
※6 3600MHz~3700MHz,4500MHz~4600MHz

別紙

■ガラスアンテナの概要

1. ガラスアンテナの特長
既存窓に透明なガラスアンテナを設置するため、街の景観を損なわない。
建物の内側から施工するため、足場設置や土台工事が不要。
自在な設置箇所とビーム形成技術により、柔軟なエリア設計を可能とするスモールセル向けガラスアンテナ。
新たに開発したGlass Interface Layer(グラス インターフェイス レイヤー)の効果により、窓ガラスを通過した際の電波の減衰・反射を抑える。
※ガラスに近づくことによってガラスアンテナの性能が変わる影響を抑え、アンテナ本来の持つ性能を引き出す技術。
2. ガラスアンテナの仕様

基本仕様
サイズ 850mm × 212mm
重量 約2.5 kg
※アンテナガラスのみのサイズ、重量。ケーブル、既存ガラスへの取り付け部材、付属品は除く。
記載された仕様は発表日現在のもので、その後予告なしに変更されることがあります。

ガラスアンテナ単体仕様(チルト角20°/30°タイプ有)
周波数 3.44~3.52GHz帯
利得 9dBi前後
半値幅(垂直面) 約30deg.
半値幅(水平面) 約30deg.
F/B比 12dB以上
耐電力 1.5W以下
VSWR 2.0以下
※機種に依る

3. ガラスアンテナ施工イメージ

■各社概要

NTTドコモ
会社名 株式会社NTTドコモ
代表者 代表取締役社長 吉澤 和弘
所在地 東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワー
資本金 9,496億7,950万円(2017年3月31日時点)
営業開始日 1992年7月1日
従業員数 7,884名(当社グループ26,564名)(2019年3月31日現在)
主な事業内容 ・通信事業
・スマートライフ事業
・その他の事業
AGC
会社名 AGC株式会社
代表者 代表取締役 兼 社長執行役員 島村 琢哉
所在地 東京都千代田区丸の内一丁目5番1号
資本金 908億7,300万円(2018年12月31日現在)
創立日 1907年9月8日
従業員数 単独6,659名、連結54,101名(2018年12月31日現在)
主な事業内容 ・ガラス事業
・電子事業
・化学品事業
・セラミックス事業
・その他の事業
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC
広報・IR部
担当:太田
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com
NTTドコモ
広報部
担当:豊田・山越
TEL: 03-5156-1366