2019年11月14日経営リリース

ビッグデータ時代のビジネス課題設定に向けた独自手法「因果連鎖分析」を確立

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)は、ビジネス課題の設定に向けた独自の手法として「因果連鎖分析」を新たに確立しました。

近年企業に存在する膨大かつ複雑なビッグデータをいかに有効活用できるかが、企業の競争力を高める上で重要になってきています。統計学やAI、IT技術などビッグデータを分析するための手法は多数存在するものの、分析の前提となるビジネス課題が適切に設定されておらず、様々な業種でせっかくのビッグデータが有効活用できていない事例が数多く見受けられます。  

このためAGCは、ビジネス課題を設定するための手法の一つとして「因果連鎖分析」を確立しました。本手法は、個々人の経験や勘に基づく言語化できていない暗黙知を含め、課題解決に結びつく可能性のある諸要因を「因果の連鎖」という視点から整理し、可視化するものです。諸要因の関係性が可視化されることで、ビジネス課題の設定に向けた合意形成が進めやすく、分析対象とすべきデータも明確になります。その結果、ビジネス課題の設定からデータの活用、さらには課題解決に向けた具体的な改善の実施まで、一連のデータサイエンスのプロセスをブラックボックス化することなく、納得性の高い成果に結びつけることができます。実際に本手法を適用し、製造不良をほぼゼロにした事例や、eコマースでの売上高を大幅に増やした事例など、様々な成果が出ています。
さらにAGCは、産業界のデータサイエンス普及に貢献すべく、滋賀大学データサイエンス学部の河本薫教授の協力のもと、株式会社NTTデータ数理システムとともに、本年5月より「因果連鎖分析を用いた課題設定勉強会」を主催しています。製造業を中心に幅広い業種からデータサイエンスに関心の高い企業10社が参加し、ビジネス課題設定のケーススタディ、人的ネットワークの形成等を進めており、参加企業の中でも「因果連鎖分析」の有効性、汎用性が確認されています。
AGCグループは、経営方針 AGC plus のもと、デジタル技術を活用しビジネスプロセスの変革を行う”スマートAGC”を推進しています。製造・研究開発・営業等あらゆる業務のビッグデータを活用し、業務の更なる効率化やお客様への新たな付加価値の提供を目指していきます。

<ご参考>

■因果連鎖分析について
 因果連鎖分析は、下記手順で行います。
①業務プロセス把握:ヒアリングを行い、因果連鎖図(下図参照)を作成。正確に情報を共有する
②データ存在確認:すぐ手に入るデータ、取得に時間・コストがかかるデータ、未取得のデータをマーキングする
③課題設定:業務改善や意思決定のための重要なデータを明らかにする

◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:北野
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com