2020年03月17日経営リリース

遺伝子・細胞治療に取り組むMolecular Medicine S.p.A.の株式公開買付を決定

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)は、遺伝子・細胞治療を事業領域とするMolecular Medicine S.p.A.(以下Molmed社、本社:イタリア ミラノ市、ミラノ証券取引所上場)の普通株式を株式公開買付によって取得すること(以下、「本公開買付」)を決定しました。

本公開買付は、Molmed社の全発行済普通株式取得を目指し、1株あたり0.518ユーロ(100%取得時総額240百万ユーロ)で実施するものです。完了後は上場廃止を想定しており、詳細条件はイタリアの法律に基づく開示資料、及び今後提出する目論見書に含まれます。

なお、本件はMolmed社の筆頭株主であるFininvest社(発行済株式の23.13%を保有)から買付に応じる旨の同意を得ており、Molmed社の取締役会の推奨も得られる見込みの友好的な公開買付です。
遺伝子・細胞治療は、遺伝子あるいは遺伝子を導入した細胞を患者に投与することにより、現在の医薬品では治療できない重大疾患の治療を行う方法です。治験数は約1,000件を数え、今後も遺伝子・細胞治療CDMO市場は高い成長が見込まれます。Molmed社は、遺伝子・細胞治療の研究・開発・製造を行うバイオ医薬品分野の企業です。細胞加工・ベクター*1製造のプラットフォーム技術を有し、バイオベンチャーから大手バイオ医薬品製薬会社に至るまで様々なお客様にGMP*2対応の遺伝子・細胞治療CDMO*3サービスも提供しています。
AGCグループは AGC plus の下、バイオ医薬品CDMO事業を含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付けており、2025年に1000億円以上の売上げ規模を目指しています。これまで合成医薬品CDMO、動物細胞と微生物を用いたバイオ医薬品CDMOで積極的な買収・設備投資を行い、その事業を拡大させてきました。Molmed社の買収により、先端技術分野である遺伝子・細胞治療の領域に新たに参入し、合成医薬品・バイオ医薬品のみならず、遺伝子・細胞治療までCDMO事業の幅を広げることで、製薬会社、患者様、そして社会に貢献していきます。

*注釈
1)ベクター : 目的の治療用遺伝子を細胞内に運ぶ役割をするもの(vector)
2) GMP : 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準 (Good Manufacturing Practice)
3) CDMO : 製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社 (Contract Development & Manufacturing Organization)

<ご参考>

■Molecular Medicine S.p.A.概要

設立年 1996年
所在地 イタリア ミラノ
従業員数 約220名
売上高 36.3百万ユーロ (2019年)
事業内容 遺伝子/細胞治療 創薬・CDMO
発行済株式総数 463,450,672株
ホームページ https://www.molmed.com/en/node/1

■ライフサイエンス事業における本件の位置付け
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:北野
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com