2020年06月02日経営リリース

米国バイオ医薬品原薬製造工場を買収

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:島村琢哉)は、AstraZeneca社が米国コロラド州ボルダーに保有するバイオ医薬品原薬製造工場を買収しました。本買収により、AGCのバイオ医薬品生産能力は大幅に増強され、商用段階に最適なラインが2つ加わります。なお同工場は停止した状態で譲り受けるもので、2021年4月からの本格的な受託製造開始を目指しています。

コロラド工場外観 コロラド工場外観
当社CDMO*1事業子会社のAGC Biologics社(本社:米国)は、動物細胞と微生物を生産に用い、プロセス開発、スケールアップ、治験段階から商用医薬品原薬の製造に至るまで、様々な高付加価値サービスを提供しています。動物細胞を用いた製造設備では、これまで、多品種生産や、生産量のフレキシブルな変更に適したシングルユース*2製造ラインを中心に、治験初期から商用段階までの原薬製造を受託してきました。

本件コロラド工場は、総容量20,000Lの動物細胞用ステンレスバイオリアクター2基を備え、より大規模な商用案件に適した工場です。現プラントには同規模のバイオリアクター4基の追加設置が可能であり、敷地にも余裕が大きく、将来的な拡張を見込んでいます。今後も新規受託案件の増加や、既存受託案件の治験から商用段階への移行が数多く見込まれることから、日米欧で進めている設備増強に加え、本工場の買収を決定しました。今までよりも幅広い商用案件や、新型コロナウイルス治療薬としての既存薬展開に伴う需要への対応を可能とし、製薬会社の活発なニーズに応えてまいります。

AGCグループは、経営方針 AGC plus の下、バイオ医薬品CDMO事業を含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付けており、2025年に1000億円以上の売上げ規模を目指しています。買収と合わせ、日本・米国・欧州の各拠点で積極的な設備投資を行っており、今後も大きな需要の伸びが見込まれるライフサイエンス事業において、各地域のお客様にグローバルで統一された高水準の品質・サービスを継続して提供できるよう務めています。また各拠点のシナジーを最大限発揮することで技術力を向上させ、製薬会社、患者様、そして社会に貢献していきます。

*注釈
1) CDMO: 製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社 (Contract Development & Manufacturing Organization)
2) シングルユース:使い捨て容器を使用したバイオリアクター

<ご参考>

■AGCグループライフサイエンス事業拠点■

◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:北野
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com