2020年09月01日研究開発リリース

名古屋大学とAGC、テーマ探索から社会実装までの一気通貫型の新たな産学連携の取組みを開始

-素材が拓く未来社会を共創-

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(総長:松尾清一、以下名古屋大学)とAGC株式会社(本社:東京、社長:島村琢哉、以下AGC)は、探索研究から本格的な社会実装に至るまでを柔軟かつ迅速に起動する新たな産学連携の取組みを開始します。

名古屋大学は、応用研究領域において2014年に未来社会創造機構(以下機構)を設立し、協調領域を中心に様々な産学連携の取組みを行い、多数の成果を上げてきました。さらに、2018年に機構内に「オープンイノベーション推進室*1」を設置し、研究成果の社会実装を目指して活動しています。

一方AGCは、ガラスや化学品、セラミックスなどの素材を起点としたイノベーションを通じて、豊かな社会の実現を目指しています。現在は事業領域のさらなる拡大・成長を目指し、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスを戦略事業と定め、新事業・新商品の創出と基盤技術の強化を継続しています。また研究開発を加速するため、オープンイノベーションを推進しており、様々な大学・機関と連携を強化してきました。

名古屋大学とAGCは、これまで幅広い技術領域での個別共同研究を通じ、優れた研究成果を創出してきました。また、2014年にスタートした文部科学省のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラム*2の中では、「AGC産学協同研究部門*3」を名古屋大学に設置し、医工連携を軸としたライフサイエンス領域で分野横断的な連携を進めています。

今回これまでのライフサイエンス領域に加え、名古屋大学の強みであるモビリティ領域における応用研究や評価技術を活用した新商品開発、また、プラズマ科学や材料研究等の革新的基盤技術領域にまで分野を拡大し、中長期的な連携を強化するため、包括連携協定を締結しました。

包括連携では、AGC産学協同研究部門と機構内のオープンイノベーション推進室が協同し、戦略事業を中心としたAGCのニーズと名古屋大学の基盤技術を融合するため、原理確認や技術検証を目的とした初期の探索研究の起動から本格的共同研究への移行、そして事業化による社会実装までをスピーディーに実現する、より新たな一気通貫の仕組みを構築します。

今後名古屋大学とAGCの連携は、名古屋大学を産学連携の共創の場として、AGCが保有する様々な強みと、他の企業や大学が保有する強みを融合・補完させ、新たなイノベーションや価値創造を目指す、研究プラットフォームとして進化させることを目指します。

オープンイノベーション推進室、AGC産学協同研究部門が入居する名古屋大学ナショナルイノベーションコンプレックス(名古屋市千種区 名古屋大学東山キャンパス内) オープンイノベーション推進室、AGC産学協同研究部門が入居する名古屋大学ナショナルイノベーションコンプレックス(名古屋市千種区 名古屋大学東山キャンパス内)
注釈
*1:「未来社会創造機構オープンイノベーション推進室」について

オープンイノベーション推進室は、2018年度文部科学省「オープンイノベーション機構の整備事業」の採択にともない、未来社会創造機構内に2018年11月に設置されました。本推進室は、企業の事業戦略に深く関わる研究領域や研究開発部門のみならず事業部門も含めたクローズな共同研究が実施される研究領域(競争領域)において、大学のシーズをもとに企業の皆様と大学研究者とが開発から事業化に係る(社会実装に向けた)大型共同研究のプロモーションやマネージメントを可能とする体制の構築を目指します。

*2: 10年後の目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を最長9年度支援する文部科学省のプログラムのこと

*3: 「AGC産学協同研究部門」について
名称 バイオデバイス加工研究部門(AGC)
研究内容 1)微細加工技術を応用した健康・医療分野におけるバイオデバイス等の研究開発
2)主要3研究領域(① ライフサイエンス、② モビリティ、③ 革新的基盤技術)における探索的研究テーマ
担当教員 前川隆茂 特任教授、満居暢子 特任准教授
與語直之 特任助教、朱澤涛 特任助教
本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com
名古屋大学 研究協力部社会連携課
TEL: 052-789-5545
E-mail: k-sangakukan@aip.nagoya-u.ac.jp