2021年03月03日経営リリース

AGC Biologicsミラノ拠点、遺伝子・細胞治療CDMOの培養能力を増強

―ウィルスベクターCDMOの需要増に対応―

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、当社バイオ医薬品CDMO*1事業子会社であるAGC Biologics S.p.A. (本社:イタリア ミラノ市)の遺伝子・細胞治療向け製造能力を増強することを決定しました。旺盛な需要に対応するため、同社のブレッソ工場において、ウィルスベクター*2製造用の新型培養設備を導入するとともに、分析・開発設備の増強も実施します。新設備は2022年第1四半期に稼働開始予定です。加えて今後、同拠点で早期にさらなる拡張を実施すべく検討中です。
AGC Biologics S.p.A.のブレッソ工場 AGC Biologics S.p.A.のブレッソ工場
遺伝子・細胞治療は、遺伝子または遺伝子を導入したヒト細胞等を人体に投与する治療法で、現在注目されている最先端医療のひとつです。この分野の発展はめざましく、現在世界中で進行中の治験数は既に約1000件を超え、年間約30%以上の成長*3が見込まれています。当社が2020年7月に買収したAGC Biologics S.p.A.(旧 Molecular Medicine S.p.A.)は、細胞加工・ベクター製造等のプラットフォーム技術を有し、バイオベンチャーから大手バイオ医薬品製薬会社に至るまで様々なお客様にGMP*4対応の遺伝子・細胞治療CDMOサービスを提供しています。今般、想定以上に引き合いが強いため、ウィルスベクターの大量生産により適した浮遊培養設備*5を設置することとしました。
AGCグループは、経営方針 AGC plus 2.0 のもと、バイオ医薬品CDMO事業を含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付け、合成医農薬CDMO、動物細胞と微生物を用いたバイオ医薬品CDMOで積極的な買収・設備投資を行い、その事業を拡大させてきました。さらに、2020年には成長著しい遺伝子・細胞治療領域に事業の幅を広げ、2025年の目標として売上高1,800億円以上を掲げています。
今後も各地域のお客様にグローバルで統一された高水準の品質・サービスを提供できるよう、各拠点のシナジーを最大限に発揮させ、製薬会社、患者様、そして社会に貢献していきます。

<注釈>
*1 CDMO: 製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社 (Contract Development & Manufacturing Organization)
*2 ウィルスベクター: ベクターとは、目的の治療用遺伝子を細胞内に運ぶ役割をするもの(vector)。ウィルスベクターはベクターのうち、ウィルスを改変して用いるもの。
*3 年間約30%以上の成長: 2020年から2024年までのCAGR. EvaluatePharma® World Preview 2017, Outlook to 2022などを元に当社推計。
*4 GMP: 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準 (Good Manufacturing Practice)
*5 浮遊培養設備:ウィルスベクター製造に用いる細胞を、培地に浮遊した状態で培養する方式。基材に接着させて細胞を培養する方式よりも大きな培養スケールが可能となる等の特徴がある。

<ご参考>

■AGC Biologics S.p.A概要
設立年 1996年
本社所在地 イタリア ミラノ
工場 イタリア ミラノ工場、ブレッソ工場
事業内容 遺伝子/細胞治療創薬・CDMO
持株比率 AGC株式会社100%
ホームページ http://www.agcbio.com

■AGCグループCDMO事業拠点
■当社のライフサイエンス事業領域
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:中尾
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com