2022年03月22日その他リリース

日本真空光学、「はやぶさ2」ミッション成功への貢献によりJAXAから感謝状を授与

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)のグループ会社である日本真空光学株式会社(本社:東京、社長:和田賢憲、以下OCJ社)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、「はやぶさ2」に部材を供給し、ミッションに貢献した企業として感謝状を授与されました。
OCJ社は、「はやぶさ2」に搭載された小型着陸機「MASCOT(Mobile Asteroid Surface Scout)」に使用された赤外線ディテクタ用光学ウインドウを供給しています。優れた熱耐久性や広帯域で低損失なAR*1コート(反射防止膜)などの特徴を持ち、小惑星リュウグウの表面や鉱物を科学観測した赤外線ディテクタに使用されました。
JAXAより贈られた感謝状 JAXAより贈られた感謝状
AGCグループは、経営方針 AGC plus 2.0 のもと、エレクトロニクス事業を戦略事業のひとつと位置付けています。今後も高い技術力と信頼性を有するエレクトロニクス事業を通じて、さらなる宇宙開発に貢献していきます。

*1:Anti-Reflectionの略

<ご参考>

■赤外線ディテクタ用光学ウインドウについて
「はやぶさ2」に搭載された「MASCOT」は、DLR(ドイツ航空宇宙センター)とCNES(フランス国立宇宙研究センター)によって開発された小型着陸機です。2018年10月3日に「はやぶさ2」より分離し、6分間の自由落下で小惑星リュウグウに着地しました。大きさ30 x 30 x 20cm(立方体)・重量10㎏程の「MASCOT」は自律してリュウグウ上を移動して、約17時間にわたり複数の場所で観測を行い、ミッションを終えました。
(左)「はやぶさ2」から分離するMASCOTのイラスト,(右)リュウグウに着地したMASCOTのイラスト(画像クレジット: JAXA) (左)「はやぶさ2」から分離するMASCOTのイラスト,(右)リュウグウに着地したMASCOTのイラスト(画像クレジット: JAXA)
「MASCOT」の底面には赤外分光顕微鏡「MicrOmega」が実装されており、0.9µm~3.5µmの赤外線で、表面の鉱物の種類や物性を調査しました。「MicrOmega」にはLYNRED社製(https://lynred.com/)の赤外線ディテクタが使用されており、この赤外線ディテクタにOCJ社が製造した光学ウインドウが採用されました。
OCJ社の光学ウインドウは、熱サイクルに対する優れた耐久性と、0.9µm~3.5µmまでのブロードバンドにおいて反射率を抑制したARコーティングによりリュウグウ表面の撮像に寄与しました。OCJ社が製造する光学ウインドウは、任意の波長帯域で、優れた熱耐久性、高い光透過性、高耐光性などの特徴を有し、また側面を含む外周部はパッケージ封止用の金属膜化が可能で、宇宙・大気計測・セキュリティなど幅広い分野に使用されております。
OCJ社が製造する赤外線ディテクタ用光学ウインドウ OCJ社が製造する赤外線ディテクタ用光学ウインドウ
■日本真空光学株式会社について
OCJ 日本真空光学|ホーム
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 小川 知香子
担当:藤山
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com