2022年05月10日経営リリース

自動車用ガラス事業の収益改善策について

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、自動車用ガラス事業の収益改善策を策定しました。価格政策の見直し、欧州における生産体制の再構築などの構造改善、高機能・高付加価値製品の販売拡大により、同事業の収益性および資産効率を改善します。

当社は、2021年2月に発表した中期経営計画 AGC plus-2023 で、ガラス事業の収益性および資産効率の改善をグループ経営上の重点課題として設定し、これまでに北米建築用ガラス事業の譲渡やGemtron社、Solvay Soda Ash Joint Venture社およびSolvay Soda Ash Extension Joint Venture社の株式譲渡を実施しました。
自動車用ガラス事業は、新たな排ガス規制の導入や半導体不足、新型コロナウィルスの影響による自動車生産台数の低迷や、天然ガスなど原燃材料の高騰により、2020年度より収益面で極めて厳しい状況が続いています。同事業の抜本的な収益性および資産効率改善のため、今般、以下の収益改善策を策定しました。
1.価格政策の見直し
昨今の新型コロナウィルス感染拡大や半導体不足の影響を受けた自動車生産台数低迷による出荷減少に加え、原燃材料価格の高騰により、当社の製造コストは著しく上昇しています。これらの状況を踏まえ、今後の事業継続のため、価格政策の見直しを推進します。

2.欧州における生産体制の再構築
特に収益性に課題がある欧州において、生産体制の再構築に取り組みます。本年2月に、 Fleurus工場(ベルギー)およびWegberg工場(ドイツ)を2023年末までに段階的に閉鎖する検討を開始しました。今後も需要に応じた生産体制を検討し、高効率設備の投入により生産ラインの統廃合を進め、欧州における当社の生産能力を現状から約3割削減します。

3.高機能・高付加価値品の販売拡大
自動車産業では今、「CASE」に代表されるパラダイムシフトが起こりつつあり、今後は通信や表示など、新次元の機能がガラスに求められます。この変化を機会と捉え、5G対応ガラスアンテナやヘッドアップディスプレイ対応フロントガラス、調光パノラマルーフなど、高機能・高付加価値品の販売拡大に取り組みます。

これらの収益改善策を確実に実施し、自動車用ガラス事業において2025年にROCE10%以上の達成を目指します。

◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 小川 知香子
担当:小田
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com