2022年05月18日経営リリース

AGC Biologics社、米国における遺伝子・細胞治療CDMOの製造能力を増強

―ウイルスベクターの需要増に対応―

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、当社バイオ医薬品CDMO*1事業子会社であるAGC Biologics社(本社:米国)の遺伝子・細胞治療向けCDMOの製造能力を増強することを決定しました。旺盛な需要に対応するため、同社の米国ロングモント拠点(コロラド州)のウイルスベクター*2製造設備の能力を増強します。新設備は、2022年第3四半期*3に稼働開始予定です。
AGC Biologics社の米国ロングモント拠点 AGC Biologics社の米国ロングモント拠点
遺伝子・細胞治療分野の発展はめざましく年間約30%以上の成長*4が見込まれています。この遺伝子・細胞治療分野の世界最大市場である米国で製造能力を確保するため、当社は2021年8月にNovartis社から同拠点を買収し、遺伝子・細胞治療分野のCDMOサービスを拡張してきました。
本増強では、遺伝子・細胞治療分野の中でも高い成長が見込まれるウイルスベクターの大量生産により適した浮遊培養設備*5を新たに導入します。同じく遺伝子・細胞治療の拠点であるミラノ(イタリア)拠点では、既に発表した能力増強により浮遊培養設備を先駆けて導入しており、本増強はその技術的な支援を受けて実施されます。今後も、遺伝子・細胞治療の原料であるプラスミドDNAの製造受託を事業化しているハイデルベルク(ドイツ)拠点と連携し、プラスミドから遺伝子・細胞治療薬まで一気通貫したグローバルCDMOサービスを提供していきます。
AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2023 のもと、バイオ医薬品CDMOを含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付け、積極的な買収・設備投資を行い、その事業を拡大させてきました。2018年の当事業の売上高449億円を2022年には1,350億円に、2025年には2,000億円以上に拡大することを目指しています。引き続き、各地域のお客様にグローバルで統一された高水準の品質・サービスを提供できるよう各拠点のシナジーを最大限に発揮させ、製薬会社、患者様、そして社会に貢献していきます。

<注釈>

*1 CDMO: 製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社 (Contract Development & Manufacturing Organization)

*2 ウイルスベクター: ベクター(vector)とは、目的の治療用遺伝子を細胞内に運ぶ役割をするもの。ウイルスベクターはベクターのうちウイルスを改変して用いるもの

*3 当社の事業年度:毎年1月1日から12月31日まで

*4 年間約30%以上の成長: 2020年から2024年までの年平均成長率。EvaluatePharma® World Preview 2017, Outlook to 2022などを元に当社推計。

*5 浮遊培養設備:ウイルスベクター製造に用いる細胞を、培地に浮遊した状態で培養する方式。基材に接着させて細胞を培養する方式よりも大きな培養スケールが可能となる等の特徴がある。

<ご参考>

■ AGCグループCDMO事業拠点

◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 小川 知香子
担当:中尾
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com
個人情報は当社プライバシーポリシーに従ってお取扱いをさせていただきます。