AGC（AGC株式会社、本社：東京、社長：平井良典）は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）からの委託事業として取り組んでいる「燃料アンモニア利用・生産技術開発」（以下、本事業）において、今般、世界初となる実生産炉でのアンモニアを燃料に利用したガラス製造の実証試験に成功しました。

本事業は、大陽日酸株式会社、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人東北大学と共同で技術開発に取り組んでいます。今回は、AGC横浜テクニカルセンターの建築用ガラスを製造するガラス溶解炉で、大陽日酸が開発した、低NOx燃焼技術を実装したアンモニア-酸素バーナーを使用してアンモニア燃焼技術の実機試験を行い、ガラスの品質や炉材への影響、火炎温度^*1、炉内温度^*2、窒素酸化物（NOx）排出量の抑制効果などを検証しました。

今後本事業では、さまざまな条件下での実証試験を行うとともに、よりスケールアップしたバーナー試験とAGCの他拠点での実証試験を計画しています。これにより、アンモニア燃焼技術の活用範囲を見極めた上でガラス溶解炉への本格導入を目指します。さらに将来はガラスのみならず、鉄鋼やアルミなど、他の素材への展開も検討し、広く素材産業の製造工程における温室効果ガスの排出量削減に貢献します。

2023年は、引き続きAGC横浜テクニカルセンターの建築用ガラスを製造するガラス溶解炉を使用し、さまざまな条件下でアンモニアを燃料とした技術検証を行う予定です。2024年以降は、スケールアップしたバーナー試験や、AGC他拠点のガラス溶解炉での実証試験を計画しており、アンモニア燃焼技術の活用範囲を見極めた上で、2026年以降の本格導入を目指します。

^*1：炉に設置したバーナー先端で燃焼している炎の温度

^*2：炉の内部にある気体や内壁表面の温度