2023年10月26日製品リリースCSRリリース

水素を燃料に利用したガラス製造の実証試験に成功

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、このたび水素を燃料に利用したガラス製造の実証試験に成功しました。実生産炉で水素を利用した試験は、当社グループとして初の事例となります。なお本試験は、関西工場高砂事業所(兵庫県高砂市)の電子用フロートガラス製造設備にて実施しました。

本試験は、都市ガスを燃料に利用した従来の酸素燃焼プロセスの一部に、日本エア・リキード合同会社(本社:東京都港区、CEO:イリョン・パク)の支援のもと、同社の水素燃焼バーナーを導入し実施しました。
本試験では、ガラス製造に水素を利用する酸素燃焼技術を活用するための技術課題である、ガラスの品質、炉材への影響、火炎温度*1、炉内温度*2、窒素酸化物(NOx)排出量などを検証しました。なお今回の試験においては、ガラス溶解炉の温度を適正に維持しつつ、排ガスに含まれるNOx濃度を、都市ガス専焼時と同等レベルに抑制する結果が得られました。
今後は、水素燃焼バーナーの燃焼能力をスケールアップした試験や、AGCグループの海外拠点における実証試験も検討し、水素燃焼技術の活用範囲を見極めた上で、本格導入を目指します。

AGCグループはグローバルにガラス生産を展開しており、地域特性や時期に合わせて最適なGHG排出削減施策を使い分けられるよう、各種技術開発に取り組んでいます*3 。このたびの水素を燃料とした実証試験は、本年6月に実施したアンモニアを燃料とした実証実験に続くものです。引き続き、AGCグループは中期経営計画 AGC plus-2023 のもと、サステナビリティ経営を推進し、2050年のカーボンネットゼロ*4 達成を目指します。

<注釈>

*1 炉に設置したバーナー先端で燃焼している炎の温度
*2 炉の内部にある気体や内壁表面の温度
*3 AGCグループのフロートガラス溶解窯におけるGHG排出量削減技術ロードマップ

*4 Scope1およびScope2

◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 小川 知香子
担当:中尾
TEL: 03-3218-5603