2024年12月02日製品リリース
AGC、日本気象協会、北海道月形町が協業し冬季のホワイトアウト予測技術の実証実験を開始
AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)、日本気象協会(一般財団法人 日本気象協会、本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋)、北海道月形町(町長:上坂隆一)は、月形町内において、対象地区の気象データを集積・分析することで冬季のホワイトアウト*1の発生を予測し、デジタルサイネージを通じて町民へリアルタイムに情報発信する技術の実証実験を2024年12月2日より開始します。この取り組みにより、町民の冬季の交通事故リスクの低減や適切な運転計画の支援、月形町の大雪や吹雪による被害の低減に貢献することが期待されます。
実証実験イメージ図
※ミハルモ™:AGCの窓設置カメラ(後述)
〈本実証実験の背景〉
北海道では、積雪、凍結、吹雪などの気象条件の影響による冬型事故が多発するため、冬季に交通事故件数が増加する傾向があります*2。特に大雪や吹雪に伴う視界不良は、冬型事故の主な要因の一つです。この視界不良は多重衝突事故につながるリスクが他の事故要因と比較して高い傾向があります。その場合、重大な人的・物的被害が発生するだけではなく、長時間にわたって道路が通行止めとなることによる物流の遅延など、地域経済への悪影響も懸念されます。
そこで本実証実験は、この「視界不良」の中でも特に著しい状態であるホワイトアウトに注目し、その発生を予測してリアルタイムな情報発信を行います。
〈実証実験内容〉
AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」を、月形町南地区広域集落会館および札比内(さっぴない)コミュニティセンターに設置し、月形町内の国道275号の沿線2地区における画像データを取得します。この画像データをもとに、日本気象協会が開発したAIが、2地区の視程情報を15分ごとに5段階で判別します。さらに日本気象協会が、AIによるリアルタイムの視界判別情報と最新の気象情報を独自に解析し、1時間ごとに6時間先までの視程を予測します。これらの情報は、月形町役場および月形町総合体育館に設置されたサイネージで表示します。
サイネージ表示情報イメージ
〈実施期間〉
本実証実験は、2024年12月2日から2025年3月31日までの期間で実施予定です。
〈役割〉
■ AGC
窓設置カメラ「ミハルモ™」の提供
■ 日本気象協会
自社AIによる視程情報(視程ランク)の判別
最新の気象情報を用いて6時間先までの吹雪視程情報を1時間ごとに予報、町民へのアンケート調査の実施
■ 北海道月形町
カメラ設置場所の提供、情報発信の場所の提供、町民への広報の実施
〈今後の展開〉
実証実験の終了時に月形町民へのアンケートを行い、対象区間の道路利用者の運転計画に対する寄与の効果測定を実施します。
〈注釈〉
*1 |
ホワイトアウト:本来は地面が雪に覆われ全天が薄い雲に覆われて、周囲が一様に白く見えて空と地表面の区別ができなくなる現象を指しますが、雪や吹雪によって視界が完全に遮られ周囲が全く見えなくなる現象のことも指して使われます。この時、周囲が白一色となり運転者からは前方の道路や障害物がほとんど視認できず、交通事故のリスクが高まります。ホワイトアウトは特に著しい視界不良の状態を指し、冬季に北海道などの寒冷地域でよく発生します。 |
*2 |
北海道警察本部交通部交通企画課 一般財団法人 北海道交通安全協会 「吹雪など視界不良時における交通事故の実態」 |
〈ご参考〉
■ 窓設置カメラ「ミハルモ™」について
「ミハルモ™」は、建物の窓(室内面)に設置するマグネットタイプの屋外用カメラです。従来の屋外用カメラに対して、大規模な設置工事が不要なため導入時のコストを抑えることができるだけでなく、室内面の設置により防水防塵対策やメンテナンスの負担を軽減します。「ミハルモ™」の本格販売は2025年5月から開始され、今後社会実装を拡大していきます。
※製品に関するお問い合わせはこちら
■ 「ミハルモ™」設置イメージ(屋外側より撮影)
〈本件に関するお問い合わせ〉
AGC 株式会社
広報・IR 部長 小川 担当 有木、中島 TEL: 03-3218-5603 お問い合わせフォーム
一般財団法人 日本気象協会
広報室 副室長 吉冨 TEL:03-5958-8147 お問い合わせフォーム
北海道月形町
企画振興課 竹内 TEL:0126-53-2325 Mail:chiikishinko@town.tsukigata.hokkaido.jp