2025年05月19日その他リリース
デジタル技術で化学製品の物流効率化とお客様の在庫管理省力化を実現
AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、化学製品の物流課題解決と、在庫管理省力化を実現する新たなサービスを2025年後半から開始します。本サービスは、デジタル技術を活用し、コンテナ内容量を測定可能なISOコンテナ*1で化学製品の輸送を行う当社独自の仕組みです。輸送に使用するISOコンテナは、トラックから切り離してそのまま貯槽として使用できるため、お客様側で貯槽の用意が不要となることに加え、荷卸し時間の大幅な削減が可能です。さらに、ISOコンテナに取り付けたセンサーから取得した内容量データをもとに当社から適切な納入時期を提案することで、お客様側の在庫管理の省力化に貢献します。
〈本サービスのメリット〉
① お客様の在庫管理・発注作業の省力化
② お客様による貯槽建造やメンテナンスが不要
③ 輸送ドライバーの待機時間の短縮
従来、液体やガスといった化学製品の在庫管理と発注は、お客様側で対応する必要があり、その作業が煩雑になっていました。また、働き方改革関連法の改正等の影響により、物流業界において輸送能力の確保が困難となり、2030年には需要に対して輸送力が34.1%不足する*2と言われています。こうした状況の中、液体化学製品の荷卸しには数時間かかる場合もあり、ドライバーの長時間の待機が課題でした。
この度当社は、デジタル技術とISOコンテナを活用した新たな輸送サービスを提供し、これらの課題解決を目指します。本サービスは、センサーを取り付けたISOコンテナを利用し、センサーが取得したデータを独自のアルゴリズムによって解析することで、コンテナ内の残量をリアルタイムに把握するものです。この技術を用いて、当社より最適な納入スケジュールを提案し、お客様の在庫管理の手間を大幅に軽減します。また、製品納入後、ISOコンテナの内容量が把握できるため、お客様の貯槽として運用が可能であり、お客様による貯槽の建造やメンテナンスが不要となります。さらに、ISOコンテナはトラックヘッドと連結・切り離しできることから、製品の充填と荷卸し時にトラックドライバーが待機する必要がなくなり、最大90%の待機時間削減につながります。今後は、当社独自のサービスとして2025年後半から提供を開始し、幅広いお客様への展開を進めてまいります。
当社は、本取り組みをはじめとしたDXに関する様々な施策を推進しており、「DX銘柄2025」に選定されました。AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2026 の主要戦略の一つとして「価値創造DXの推進」を掲げており、サプライチェーンを跨いだ業務プロセス改善を目指しています。今後もデジタル技術を活用し、お客様や社会へ新たな価値の創出を目指していきます。
〈注釈〉
*1 |
国際標準化機構(ISO)によって規定された貨物輸送用コンテナ。トラックヘッドと連結・切り離しが可能で貯槽としても使用できる。但、危険物や毒劇物、高圧ガス等の貯槽として使用する場合は日本国内法(海外の場合は現地法令)への対応が必要。 |
*2 |
国土交通省 「持続可能な物流の実現に向けた検討会」より引用。001614996.pdf (mlit.go.jp) |
- ◎本件に関するお問い合わせ先:
- AGC株式会社 広報・IR部
- TEL: 03-3218-5603