2025年12月10日製品リリースCSRリリース

世界初、リサイクルされた蛍石を使ったフッ素樹脂PTFEのUL2809第三者検証を完了

ーフッ素資源循環型社会の実現に向けた取り組みー

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、廃棄物からリサイクルされた蛍石を原料として製造したフッ素樹脂Fluon® PTFEのGグレード*1が、本年11月にUL2809*2に基づく第三者検証を完了したことをお知らせいたします。UL2809は、ISO14021に基づき事業者等が使用するリサイクル材の割合を自己宣言することに対し、第三者による検証方法を定めている規格です。なお、UL2809に定められた検証をフッ素樹脂PTFEで完了した事例は、世界で初めて*3です。初めに半導体業界で多く使用されている本グレードの検証を完了し、今後は他のフッ素製品への展開を予定しています。

フッ素資源循環型社会の実現に向けた取り組みの説明図
フッ素資源循環型社会の実現に向けた取り組み

フッ素製品は、半導体や輸送機器など幅広い産業で製品の性能・安全性・耐久性の向上を達成するために不可欠です。しかし、フッ素製品の出発原料である天然蛍石の埋蔵量には限りがあるため、フッ素をリサイクルし資源として循環させる仕組みを作ることが重要です。
フッ素を循環させる手段としては、同一素材としてリサイクルする方法のほか、廃棄物からフッ素を回収し、リサイクルされた蛍石をフッ素製品の原料として再利用する方法が挙げられます。しかし現在のところ、リサイクルされた蛍石の多くは、フッ素製品の原材料として再利用できるまでの品質に達していません。そのため、リサイクルされた蛍石の大部分は、それほど高い純度が必要とされない製鉄時の融材や、蛍石以外でも代替可能な道路の路盤材の副原料などに使われるか、廃棄されています。このように、フッ素製品の原材料として有効に再利用される蛍石の割合は、ごく一部にとどまっています。
当社は、独自の知見により、自社工場の廃棄物からリサイクルされた蛍石の品質向上に成功し、当社フッ素製品への活用を進めています。今後は他社工場の廃棄物からリサイクルされた蛍石を、当社フッ素製品に再利用する取り組みも進めていきます。

AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2026 のもと、「サステナビリティ経営の深化」を主要戦略の一つに掲げています。今後もフッ素資源循環型社会の実現に向け、積極的に取り組んでいきます。


注釈

*1

モールディングパウダーグレード

*2

UL2809(ECV: Environmental Claim Validation):米国UL Solutions社によって規定されたリサイクル材料含有率の環境性能検証手順書に従って製品を評価することにより、製品中のリサイクル材の含有量を検証する規格

*3

世界で初めて:当社調べ

参考
■ UL SolutionsのUL-SPOT(https://spot.ul.com/) で「Fluon」と検索するとご確認いただけます。
■ UL2809検証を完了したFluon® PTFE Gグレードの3製品群のEnvironmental Claim Validationマーク

UL2809検証を完了したFluon(R) PTFE Gグレードの3製品群のEnvironmental Claim Validationマーク

UL2809検証を完了したFluon(R) PTFE Gグレードの3製品群のEnvironmental Claim Validationマーク

UL2809検証を完了したFluon(R) PTFE Gグレードの3製品群のEnvironmental Claim Validationマーク

微粉タイプ

予備焼成タイプ

造粒タイプ

■ 本件に関する当社ホームページ内、特設ページ 
■ Fluon® PTFE Gグレードの製品情報


Fluon(R) PTFE Gグレードのロゴ


◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部