2025年12月12日研究開発リリースその他リリース
AIを活用した数理最適化プラットフォームの社内運用を開始
―従業員の自律的なデジタル技術の活用で課題解決を加速―
AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、自社開発した数理最適化プラットフォームの運用を開始し、課題発見から解決策提案に至るまでの期間を従来の半分以下に短縮することに成功しました。
本プラットフォームは、当社の業務システムやデータ基盤に合わせて開発されており、入力された課題を生成AIで整理し、数理最適化の計算に適した形へ変換したうえで、課題の特性に応じた適切なアルゴリズム(計算手法)を自動選択・実行します。これにより、最適化が求められる課題に対して、誰もが効率的かつ迅速にデータに基づく合理的な判断を行うことが可能です。2025年6月の運用開始以来、すでに9件の事業部課題への新規提案を創出しております。

数理最適化は、複雑な課題を数式で表現し、コンピュータによる計算で膨大な選択肢の中から最適な答えを導くアプローチです。このアプローチを適用することで、限られた資源や複雑な制約条件のもとで最適化が求められる課題に対しても、作業者の勘や経験に頼らず、データに基づいた合理的な意思決定と効率化の実現が期待されます。
しかし、実際の業務への適用には専門的な知識が必要とされ、また多くの時間を要するため、展開にあたっては専門人材のリソース不足が課題となっていました。
当社は本プラットフォームの開発により、幅広い部門が主体的に、数理最適化を活用した課題解決に取り組める環境を整備しました。これにより、専門知識を持たない従業員でも、自ら最適化課題を発見し解決に取り組むことが可能となり、専門人材はより高難易度の課題に着手できるようになります。
これまでに、サプライチェーン分野などで活用を推進し、生産計画・倉庫配置の最適化、積載効率の最大化などの課題に対し、コスト削減や効率向上につながる解決策を短期間で提案することに成功しています。今後は、営業活動や製造をはじめとした様々な分野に展開していきます。
AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2026 において「価値創造DXの推進」を主要戦略の一つに掲げ、デジタル技術を活用した新たな価値創造に取り組んでいます。今後は、各部門の自律的なデジタル技術の活用を加速し、これまで以上に課題解決力の向上を図ることで、社会やお客様へより迅速に価値を提供する体制を目指してまいります。
- ◎本件に関するお問い合わせ先:
- AGC株式会社 広報・IR部
