2026年04月03日CSRリリース
国内初 同一建物で窓ガラスの水平リサイクルを実現
-窓から窓へ、改修工事で発生した廃板ガラスを再資源化-
大成建設株式会社(社長:相川善郎、以下「大成建設」)とAGC株式会社(社長:平井良典、以下「AGC」)は、日本生命東八重洲ビル(東京都中央区)の大規模改修工事において、工事に伴い発生した廃板ガラスを回収・再資源化し、それを原料の一部として新たに製造した窓ガラスを、改修後の同一建物に再び設置する「窓ガラスの水平リサイクル」を国内で初めて実現しました*1。
両社は、国内の製造拠点を活用して資源循環を進めることで、建築用途に求められる品質を確保したガラスの安定供給体制の構築を目指します。さらに、資源やエネルギー使用量の削減、CO₂排出量の低減、廃棄物削減にも貢献します。
本取り組みでは、改修工事を起点に、ガラスを同一建物で循環させるスキームを構築・実装しました。

建築物の改修・解体に伴う廃棄物削減と資源循環の高度化は、建設業界における重要課題です。大規模改修や解体工事では一定量の廃板ガラスが発生しますが、その多くは埋め立て処理されています。このため、改修・解体工事を起点としたガラス資源の循環スキームの構築・実装が求められています。
一方、窓ガラスの水平リサイクルは、建築物から安全に取り外す工程が必要となることに加え、シーリング材やフィルムなどの付着物を適切に除去し、建築用板ガラスの原料として利用可能なカレット(ガラス端材)の品質を確保することが求められます。これらの要件から、窓ガラスの水平リサイクルの実現には多くの課題がありました。
こうした状況を踏まえ、両社は2023年8月より廃板ガラスの再資源化に関する実証を開始し、水平リサイクルシステムの構築・実装に取り組んできました。
本改修工事では、SRC造・地下5階地上9階建ての同ビルのうち、地上4~9階北面および東面に設置された窓ガラス約5.7トンを回収しました。回収した窓ガラスは、大成建設が検証した異物処理方法にもとづき、産業廃棄物処理業者において付着物を除去したうえで破砕処理を実施し、建築用板ガラス向けの品質要求を満たすカレットを精製しました。そして、AGCがこのカレットを原料の一部として用いて、新たな網入り板ガラスを製造しました。製造した網入り板ガラスは、2026年3月末に同ビル地上5~6階南面の窓ガラス(約80㎡)として再設置されました。
本取り組みにより、窓ガラス約5.7トンの水平リサイクルを実現するとともに、約3.4トンのCO₂削減効果が得られました*2。さらに、バージン原料約6.8トンの節減にもつながりました。カレットはバージン原料に比べて低温で溶解可能であるため、製造工程のエネルギー使用量の削減にも寄与し、追加的な排出削減効果も期待されます。
大成建設とAGCは、カーボンニュートラルおよび資源循環社会の実現に向け、建築板ガラス水平リサイクルの社会実装を加速します。異物除去技術の高度化や中間処理工程の最適化などを含め、建築板ガラス水平リサイクルの標準化を図ることで、持続可能な建設産業の確立に貢献してまいります。
【大成建設コメント】
大成建設は、建設現場から排出された廃板ガラスを再び建築用板ガラスとして活用する循環モデルの構築・標準化に取り組んでいます。本取り組みは、資源やエネルギー使用量の削減、CO₂排出量の低減、廃棄物削減につながるものであり、建設業界における新たな資源循環のあり方を示すものです。
今回は改修工事を起点とした実証・実装となりますが、将来的には建設工事から発生する廃板ガラスを同一の仕組みで回収・再資源化できる体制の確立を目指します。本取り組みを通じて、廃板ガラスを“廃棄物”から“資源”へと転換し、建設業界における持続可能な資源循環モデルの社会実装を推進してまいります。
【AGCコメント】
AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2026 において、「3つの社会的価値」を定めています。このうち”Blue planet”では、バリューチェーン全体での環境負荷低減に取り組んでいます。本取り組みは、ガラス原料の一部を海外供給に依存する中で、環境負荷の低減に加え、資源調達リスクの低減という観点からも有効な選択肢となり得ることを示しました。また、今回の取り組みでは、解体ガラスを同一物件において建築用ガラスとして再資源化・活用する一つの実証的なモデルを示しましたが、これは資源循環の可能性を具体的に示すための限定的なケースです。今後は、同一物件での活用に限定することなく、解体ガラスの回収・再資源化を進め、国内製造拠点を中心とした循環のもと、建築物の更新や新設を含む幅広い建築分野での活用を推進することで、資源循環の社会実装に貢献してまいります。
〈注釈〉
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*1 |
AGC調べ |
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*2 |
再資源化材であるカレットを使用することで、ガラス原料由来のCO₂や原料調達・製造時のエネルギー起源CO₂を削減でき、 ガラス1トンあたり原料調達から製造まで(Scope1+2+3)で約0.6トンのGHG排出量削減が見込まれる。 |
〈報道関係者からの問い合わせ先〉
大成建設株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 広報室 03-5381-5011
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